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政治学者・中島岳志が分析する2020都知事選【後編】

都知事選・小池当選の裏で“勝った”のは結局自民党、解散総選挙は秋? 立民凋落で維新が野党第一党に!?

文=萩原雄太(はぎわら・ゆうた)

 現職・小池百合子の圧勝に終わった都知事選。実は、この裏で今後の国政を占う重要な選挙が行われていた。それが「東京都議会議員補欠選挙」だ。大田区と北区や調布市・狛江市と日野市などで行われていたこの選挙は、両選挙区とも自民党候補の圧勝に終わっている。

 なぜ、このローカルな選挙に熱いまなざしが注がれているのか? 政治学者の中島岳志氏に話を伺い、秋にも行われると予測される総選挙の行方を占ってもらった。

野党共闘だったのに惨敗した…

ーー中島さんは、都知事選と同日に大田区と北区で行われた「都議会議員補欠選挙」の結果に重要な意味があると考えられているそうですね。いったい、それはなぜでしょうか?

中島 まず、この選挙は当選者が選挙区で一人のため、小選挙区制で争われる総選挙の前哨戦として位置づけられます。この選挙では、両方の区で自民党が勝利しましたが、その結果の詳細を見ると、大田区は自民、維新、立憲という順位。北区では、自民、立憲、維新、都ファという順番でした。この結果は、今後の国政選挙の行方を考えるにあたってとても重要な結果だと考えています。

 自民vs立憲という構図に維新が加わることによって、立憲と維新との間で政権批判票が割れてしまった。おそらく、次回の国政選挙でも同様のことが起こるでしょう。現在、勢いに乗っている維新は、首都圏の各選挙区で軒並み候補を擁立するはず。それによって維新と立憲で票を食い合った結果、自民党候補が勝利を収めるんです。

 しかも、今回の補選では、国民民主党や社民党、日本共産党などからも出馬しておらず、野党共闘が成り立っている形でした。さらに、立憲では党首クラスが動いていたにもかかわらず、敗北を喫している。このままでは、次の国政選挙では、維新が野党第一党になる可能性もあります。

ーー立憲民主党にとっては、最悪のシナリオが予想される結果となったんですね。

中島 この結果を受けて、立憲、国民民主、社民党などは共闘するしか選択肢がない。枝野幸男氏は都知事選直後に、候補者一本化の条件は「首班指名で枝野と書くこと」と発言していますが、これは、党名や政策などの条件に関しては譲歩するというメッセージのように聞こえます。

 ただし、立憲と国民民主が統合しても多くの国民は「また民主党か」と思うだけで、世論は動かない。だからこそ、消費税5%を掲げて、共産党やれいわとタッグを組む必要がある。最低限、総選挙までにそのような動きをしなければなりません。

ーーしかし、枝野氏は消費税減税には消極的な姿勢を見せています。

中島 民主党時代、消費増税の際に経済産業大臣を務めていましたからね。しかし、コロナ禍が巻き起こったことによって、今なら「かつてとは状況が変わった」という理屈が立ちます。「消費税を5%に下げる」と言えば、それを唯一の条件と掲げているれいわ側は立憲と握手せざるを得なくなる。そうすれば、れいわによる既成野党批判はトーンダウンし、立憲にとって大きなメリットになります。

 ただ、これはあくまでも最低ラインの話です。それすらもできなければ、次の総選挙はリベラル側にとって壊滅的な結果となるでしょう。

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