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炎天下でリポート強要で批判殺到の安藤優子 「グッディ」は翌日も猛暑ネタでどこ吹く風

安藤優子。

「すみません、暑すぎて頭がボケっとしてるんですね。(スタジオに)お返ししときますね」と、暑さでもうろうとして中継続行が困難になった女性ディレクターに対して「豊田さん、もう一回お返ししていいですか」と、中継続行を迫った上、再度カメラがスタジオに戻ると、「きゅうり? 関西の方(暑さしのぎに)持ってらっしゃる方いますよね」と笑いながら話したことで、猛バッシングを受けた、20日放送「グッディ」(フジテレビ)の安藤優子キャスター。果たして21日、「どうするんだろう?」と見た。

 番組は冒頭から21日も「連日の猛暑 熱中書&ゲリラ豪雨に警戒」とタイトルし、東京・八王子駅前や大阪・梅田から男性ディレクターが暑さを伝える。しかし、前日で懲りたか、生中継ではなく録画。とは言え、放送事故寸前な中継を見せたのに、再びわざわざ一番暑い昼時に屋外からレポートするとは。フジテレビ、やっぱり懲りてないのかもねぇ。

 しかし、安藤さんですよ。一言も前日のことに触れない。番組冒頭、相方の髙橋克己さんが「体感的には今日がいちばん暑いですね」というと、「湿度かもしれませんねぇ」とあたりまえなトークからスタートした。

「昨日は暑い中でディレクターさんがたいへんなときに配慮してあげられなくて、ごめんなさい」とか、一言あってもいいのでは? と、見てる人誰もが思ったろう。何より件の女性ディレクター豊田さんとやらは、その後どうしたんでしょうか? 大丈夫だったんでしょうか?を教えてもらいたい。心配してるんですよ、見てるほうは。

 安藤さん、ジャーナリストとしての視線はまだまだ素晴らしいと思うんですよ。「国と都。 重症者基準にズレ」と、東京都の新型コロナウィルス感染者の重症者基準が国と違い、曖昧になってる問題を報じる21日のコーナーでは、重症者数を大阪と東京で比べて「妙な競争をさせてる」昨今の風潮はおかしいと指摘。「違和感がある」と言って、問題提起して番組を廻して行ける。そして、丁寧なデータ集積の大切さを指摘してコーナーを締められる。大事なことだ。

 だけど、何が足りないって、ディレクターがもうろうとしたときにすぐ気づいて、「大丈夫か?」と声をかけ、休ませる。そういう優しさみたいなものも欠けてる気がする。1987年からフジテレビ「FNNスーパータイム」のキャスターに抜擢され、第一線で30年以上もニュースを伝えてきた。まだキャスター=男の時代からやってきた自負はあるだろう。こちらも、同性として応援したい。しかし、「暑い? 甘えてんじゃないわよ」みたいな視線を感じる安藤さんには、時代のズレみたいなものも感じずにはおられない。

 それにしても、フジテレビの倉田大誠アナも何も言わない。ホントのところ、番組として謝罪するなら、倉田さん、あなたの役目でしょうが~。

和田靜香(ライター)

1965年生まれ。静岡県出身。主に音楽と相撲のライターで貧困問題やフェミニズムにも関心が高い。著書に『スー女のみかた~相撲ってなんて面白い』(シンコーミュージック)、『音楽に恋をして♪評伝・湯川れい子』(朝日新聞出版)、『おでんの汁にウツを沈めて~44歳恐る恐るコンビニ店員デビュー』(幻冬舎文庫)などがある。

わだしずか

最終更新:2020/08/20 19:00
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