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菅新総理「デジタル庁」創設に迷走する霞ヶ関 もう一つの財務省か――?

霞ヶ関と丸の内、埋まらないデジタル格差

 省益しか頭にないキャリア官僚の話は一旦横に置いて、不夜城といわれる霞ヶ関で働くノンキャリア官僚はデジタル庁創設に、何を期待するのだろうか。

「はっきり言って、何も期待していません。過去にOA化が推進された時はペーパレスが謳われましたが、膨大な規則とその規則に基づいて作成する大量の書類でむしろペーパモアになりました。デジタル庁ができてもシステムを取り仕切るデジタル庁からの指示や省庁間の調整に翻弄されるだけだと思います。

 デジタル庁創設よりも、まずは役所のハンコ文化をどうにかして欲しいです。コロナで在宅勤務が増えた中でもハンコを押すためだけに出勤しなければならない。休暇なんか取ろうものなら机の上の決済箱にはハンコ待ちの文書がうず高く積まれています。

 ハンコを押す方も大変ですが、現場の担当者は上のハンコをもらわないと仕事が前に進まないので、1日が“スタンプラリー”で終わるなんてざらです。デカい役所ではルーチン業務でも、大臣決裁まで1カ月以上かかるんです」(農林水産省関係者)

 コロナ禍で政府の対応が後手に回ったのは、政治家の決断が遅れただけではなく、大臣決裁まで1カ月も要する“霞ヶ関システム” も大きな原因だったのではないか。

「私は民間からの転職組なんですが、丸の内だと会社支給の薄型パソコンを持ち帰って自宅で仕事する『テレワーク』は当たり前ですよね。でも、霞ヶ関では情報保証の規則があるので、そもそも自宅で仕事しちゃダメだし、持ち帰れる薄型パソコンもない。そんな霞ヶ関がテレワーク推進を民間に要求してるんだから。笑っちゃいます。

 ITについては霞ヶ関より民間の方がはるかに優れているから、デジタル庁なんか創っても官僚がデジタルインフラを構築したり、システムを運用したりできるとは思えません。いっそのこと民間に全部委託したほうがいいんじゃないですか。個人的にはグーグルあたりにやってもらいたいですが、外資には任せられないですよね(笑)」(内閣府関係者)

 官僚から聞こえてくる話は残念な話ばかりだが、デジタル庁創設は最近では唯一夢のある話ではないか。若者の官僚離れがだいぶ前から言われているが、もしデジタル庁ができたらそこで働きたいという若者は少なくないだろう。

 次の総理大臣が誰になるのか現時点では分からないが、ぜひともデジタル庁を創設して、デジタル界のガラパゴス諸島と化した霞ヶ関だけではなく、中国や韓国、台湾にも遅れをとった日本全体を変えていってもらいたい。

金沢健太(ジャーナリスト)

明治大学卒業。"日本一厳しい学校"で日本の昭和体質に長年の疑問を感じており、令和に入り一念発起。ライターとして独立し、古い日本体質、権力に対して疑問を投げ掛けた記事を手掛ける。

かなざわけんた

最終更新:2020/09/15 09:20
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