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玉川徹も沈黙! バイデン大統領誕生も日本のワイドショーではトランプネタばかりの違和感

玉川徹も沈黙! バイデン大統領誕生も日本のワイドショーではトランプネタばかりの違和感の画像1
GettyImagesより

 日本のテレビって不思議ですよね~。バイデン新大統領が誕生したというのに、1番に取り上げるのは、去って行ったトランプ元大統領。日ごろはリベラル色出してるはずの『モーニングショー』(テレビ朝日系)までそうで、ビックリですよ。

 一応バイデン大統領のことも紹介するけど、ワシントンDCからの中継では「バイデン新大統領はトランプ支持者に融和を呼びかけました。しかし、大半のトランプ支持者は選挙に不正があったと捉えていて、こうした呼びかけがどこまで届いたか不透明です」と、いきなり否定から入る。

 そして羽鳥アナも「その後のトランプ氏は?」と尋ねる。えっ? そっち? 「その後」を知りたいのはバイデン大統領の方じゃないの? なのに、ワシントンDCからはトランプ・ネタのみで、スタジオに戻っても、またトランプ・ネタ。

 スタジオにはコメンテーターとして国際教養大学大学院客員教授の小西克哉氏を迎えた。

 小西氏は開口一番、
「大統領の就任式があって、大統領の就任演説があったのに、トランプさんの演説を伝えるってのは、この番組らしいなって思ったんですけど」
 と、あたりまえの疑問をぶちまけた。ほんと、それ~!

 でも、小西さん、実はテレビ朝日は早朝から延々とトランプだだ流しで、肝心のバイデンさんのことはあんまりやってないんですよ。一応政策解説はやってましたが、華々しくはトランプ推し。なんなんですかね、テレ朝? そして『モーニングショー』? トランプのようなオレ様節が好きなんですかあ?

 しかし、小西氏はめちゃくちゃ丁寧に、バイデン新政策を解説する。

「学校への支援、中小企業支援など、バイデン政権のコロナ対策はものすごく包括的で細かいです。ここまで書くか? ということまでルールを決めている。コロナに立ち向かおうという意識が見えてきます」

 そうそう、こういうことを伝えてほしい。なのに、どうしたってトランプ支持派の反バイデンにばかり話を持っていく。いつもはガアガア政策について吠える玉川徹さんも、

「トランプ元大統領の弾劾裁判が可決されたら、公民権がはく奪もありえるけど、そうはなりませんかね?」

 などと、そっちへ流れる。いやいや、玉川さん、あなたまでそっちですか?

 ワイドショーのこういう報道姿勢、日本にも大勢いる「あれは不正選挙だ。トランプ万歳」といまだトランプ支持でフェイクニュースを発信し続ける人たちの背中を押しているんじゃないのか。ちょっとは考えてほしい。

和田靜香(ライター)

1965年生まれ。静岡県出身。主に音楽と相撲のライターで貧困問題やフェミニズムにも関心が高い。著書に『スー女のみかた~相撲ってなんて面白い』(シンコーミュージック)、『音楽に恋をして♪評伝・湯川れい子』(朝日新聞出版)、『おでんの汁にウツを沈めて~44歳恐る恐るコンビニ店員デビュー』(幻冬舎文庫)などがある。

わだしずか

最終更新:2021/01/21 14:00
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