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上白石萌音はなぜ危険ロケに行かされたのか? 「演じているだけではブレイクできない」昨今の俳優事情

上白石萌音の危険ロケ問題 「演じているだけではブレイクできない」昨今の俳優事情の画像1
上白石萌音公式サイトより

 4月16日放送の日本テレビ系『沸騰ワード10』で、俳優の上白石萌音がモーターパラグライダーに挑戦するも安全性に問題があったとして、搭乗を担当した「スカイエンジェル」が公式サイトで謝罪した。

「こういった危険なロケではかなり念入りに安全確認がされるものですが、万が一のことを考慮して、所属事務所側がNGとするケースも多い。芸人などであれば別ですが、俳優となれば余計にNGとなりやすい。上白石さんについても“よくあんな危険なロケをさせたな”と話す業界関係者も多かったです」(制作会社スタッフ)

 たしかに、パラグライダーのようなロケは、体当たりのリアクションを持ち味とする芸人が挑戦することが多いイメージだ。しかし、最近はそういったロケに俳優が挑戦する機会も増えているという。

「近頃は、俳優が出演ドラマや映画のプロモーションで、いろいろなテレビ番組に出演することが増えています。その結果、俳優がハードな企画に挑戦することが増えている。そもそも、最近はプロモーションとして複数の番組に出演することを条件に、ドラマのキャスティングがされることも多い。バラエティ番組などに出演し、いろいろな企画に挑戦して、作品を宣伝するところまでが俳優の仕事になっているんです」(テレビ局関係者)

 体当たり系のロケだけでなく、クイズ番組などに出演する俳優も増えている。

「昔はクイズ番組に出ると“バカがバレる”ということで、俳優はあまり出なかったんですよね。でも、いまはクイズ番組に出てプロモーションをしないと、ドラマにも出られないような空気になっている。21日放送の『くりぃむクイズ ミラクル9』(テレビ朝日系)には、4月スタートのドラマ『泣くな研修医』に出演している野村周平が解答者として出ていましたが、下手な回答をしないためなのか、ひっそり座っていましたよ。プロモーションだから、クイズ番組にも出ないといけないのはわかりますが、場違い感がすごくて大変そうでした」(同)

“プロモーションありき”のキャスティングが増えた結果、プロモーションに積極的な俳優が売れっ子になるという現象も起きている。

「菅田将暉や綾野剛などは、どんなバラエティ番組でも楽しんで出演するということで、かなり重宝されています。田中圭もそうですね。それでいうと、大泉洋なんかはバラエティ番組に出すと芸人以上に見せ場を作る人ですから、過去にはドラマのプロモーションでいろいろやらされすぎて、今ではテレビドラマはもうこりごりだと言っているなんて噂も。どっちにせよ、今の俳優はバラエティ慣れしていないと、売れないんですよね」(同)

 ただ演じているだけでは、俳優としてブレイクできないのが今の芸能界。いかに、サービス精神を発揮できるかが、人気者となる必須条件なのだ。

浜松貴憲(ライター)

1980年生まれ、東京都出身。大学卒業後、出版社に入社。その後、いくつかの出版社を渡り歩いた末に、現在はフリーライターとして、テレビ番組、お笑い、YouTubeなど、エンターテインメント全般について執筆している。

はままつたかのり

最終更新:2021/04/25 13:00
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