King & Prince新曲は“絶妙にダサい”？　それでも三代目JSB・ELLYが褒めたワケ

　ジャニーズ事務所のアイドルグループ、King & Princeの新曲「Magic Touch」のミュージックビデオがYouTubeで公開され、話題を集めている。

　「Magic Touch」は全編英語詞によるヒップホップ調の楽曲で、セクシーでクールな雰囲気を漂わせた映像はいい意味でジャニーズらしくなく、「カッコいい！」「治安悪いキンプリ最高」と評判のようだが……。業界関係者の中では、楽曲に対しての評価が今ひとつのようだ。ある音楽プロデューサーは「もったいない」と嘆く。

「チャレンジしているのはわかるし、K-POP的な構成にアップデートされてはいるけど、基本のトラックが2014年～16年頃にアメリカで流行った“ラチェット”という西海岸ヒップホップ系のサウンドで、正直言って今これはちょっとダサい（苦笑）。たとえば、バラエティ番組で今『PPAP』とか『PERFECT HUMAN』をやるようなもので、絶妙に“古い”んですよ。ビジュアル面で気合が入っているのがうかがえるだけに、トラックの時代遅れ感が残念。日本でやるぶんにはいいだろうけど、海外に打って出る気ならもう少しトレンドを意識したほうがいい。Sexy Zoneの『RIGHT NEXT TO YOU』なんかはその意味でもよく出来てたのに……」

　ダンスでも魅せるミュージックビデオについては、三代目J SOUL BROTHERSのELLYが26日、「キンプリの新曲MVをみた‼︎　かっこいいな　好み」とツイートしたことが大反響を呼んでいる。

「『Magic Touch』のMVはジャニーズらしからぬクールな映像で、平野紫耀が大ファンだと公言する著名ダンサー・メルヴィン・ティムティムによるコリオ（振り付け）もハマっている。『かっこいい』というELLYの言葉に嘘はないのでしょうが、キンプリのMVをチェックしたのは、メルヴィンの仕事だから、という面も大きいでしょう。

　というのも、メルヴィンは昨年、三代目の『Movin’ on』という曲のコリオをRIEHATAと共に担当。ELLYのソロ名義であるCrazyBoyと、EXILE SHOKICHIのコラボ曲『FLY LIKE A DRAGON』のコリオもこのふたりが手がけるなど、親交があるんです。LDHは長年、主に米西海岸のプロダンサーたちと交流を持っており、過去にもショーン・エヴァリストといった人気ダンサーを振り付け師・演出家として迎え入れたことがある。こうしたダンサー・コミュニティにおける関係性が、あのツイートにつながったのでは。

　また、キンプリが昨年9月に発売したセカンドアルバム『L&』の初回限定盤Bに収録されたDVDには、LAに“武者修行”に行ったドキュメント映像が収められていますが、メルヴィンのダンスレッスンを受ける様子もあった。収録時期を考えると、ELLYはメルヴィンからキンプリの話を聞いていた可能性もあります」（音楽ライター）

　さらに、ジャニーズとLDHの友好関係も影響しているのではとの指摘もある。

「あまり表立って仲良くしている姿を見せることはないですが、ジャニーズ所属時代に山下智久が三代目の今市隆二と一緒に飲んだり、Hey! Say! JUMPの山田涼介とBALLISTIK BOYZの海沼流星が一緒にオンラインゲームをやったりと、個人レベルでは普通に交流がある。ジャニーズWESTの藤井流星にいたっては、妹が元E-girlsの藤井萩花・夏恋ですから」（アイドル誌ライター）

　ELLYといえば昨年、SHOKICHIとのコラボプロジェクトを発表した記者会見の場で、山下と亀梨和也の名前を挙げて「事務所の壁も越えて」コラボしたいとアピール。「ジャニーズさんとは常に、番組とかで会う時も仲良しだったりしゃべったりするので、エンターテインメントでも一緒にやれたら最高だなと思ってます」と話していた。LDHもジャニーズも、海外進出という点では目立った成果を上げられていないが、クリエイティブ面で両者がタッグを組めば、新たな道が切り拓けるのかも？

宇原翼（ライター）

雑誌、ウェブメディアの編集を経て、現在はエンタメ系ライター。

うはらつばさ