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『関ジャム』古田新太の軽~い一言で三浦大知の名曲が誕生!? フルサイズの音源化求む!

軽いジョークに全力で三浦大知が乗っかり、名曲を作ってしまう

 前回の放送で予告していたように、この日は三浦大知の持ち込み企画が決行された。

 昨年7月放送「プロ作曲家特集」において、古田考案の歌詞に作曲家の丸谷マナブが曲をつけた『ユニットバスのマーメイド』なる楽曲が完成。出来上がりのあまりの素晴らしさに、古田は「三浦大知君に歌いながら踊ってほしい」と発言する。この一言を聞いた三浦が、本当に振り付けと構成を作ってきてしまったのだ。それを、今回は三浦がシッキンと共にスタジオで披露。ちなみに、古田が作ったのはこんな歌詞である。

「君はユニットバスのマーメイド 狭い湯舟ででんぐりがえり
 鼻にお湯が入ったね 激しく咳き込む君 合カギ返して」

 何なの、これは……。でも、ここに密かに古田の人生が含まれているらしい。

「俺が今まで生きてきた中で一番ショックだった言葉が、『合カギ返して』やねん(笑)」(古田)

 何を言っているのか……。あと、「ユニットバス」の後に続く「マーメイド」というワードは、古田が出演したドラマ『あまちゃん』(NHK)から連想しただけな気がする。相変わらず脱力した人だ。しかし、ここに丸谷が被せた曲が全てを変えた。抜群に美メロだし、そこはかとなく“渋谷感”が溢れ出ているのもお洒落だ。

 もうすでに、この時点で詞と曲のギャップは凄い。なのに、そこにダンスと三浦の美声が合わさるとさらにギャップは深まり、それが結果的にケミストリーへ昇華してしまったから面食らうしかない。

 まずは、ダンスから検証していこう。オープニングは「君はユニットバスのマーメイド」という歌詞だ。この箇所だが、ユニットバスはトイレと一緒にあるので、便器の蓋を開ける振りから5人はスタートする。そこから、前腕を胸の部分で折り曲げて力を込めたポーズにチェンジ。同時に腰を前後にグラインドさせる振りは、用を足す瞬間をイメージしているとのこと。困ったことに、曲中ではこの振りが1番カッコ良かった。まさか、こんなイケてるダンスがトイレをイメージしていたとは……。ただ、なんだかんだ品性を保って仕上げられているから、見ている側は文句を言えない。宇宙一カッコいいうんこの仕方を見せられた感すらある。三浦からすれば、『GO FOR IT』MV以来の便器とのコラボになるか?

「狭い湯舟ででんぐりがえり」の箇所では、前回放送で「フロアが苦手」とカミングアウトしたshojiが“でんぐりがえり担当”だったのがニヤリとさせる。そして、クライマックスは「合カギ返して」の箇所だ。シッキンの4人が背を向けながらドアを開け“2度と通ることのないドア”を表現、同時にセンターの三浦はポケットから出した合カギをそっと返すという完璧なフォーメーションだ。しかも、このときの三浦の表情は至極セクシー。女子からしたら「合カギ返さないでいいです!」と前言撤回したくなりそうな狂おしさだ。古田が生涯で言われて一番ショックだったセリフを、何もここまで甘くパフォーマンスしなくても……。つまり、ただカッコ良くダンスしたのではなく、歌詞の1つ1つをちゃんと表現してショートストーリーに仕立てていた。

 そして、歌にも注目したい。軽く「大知君に歌ってほしい」と口にした古田だが、「この曲は大知君の声がハマる」と見抜いたのは実に慧眼だったと思う。歌詞に似つかわしくないR&B調のクールなサウンドは、間違いなく彼向きだ。最初から三浦大知のために作られた曲に聴こえた……というか、すでに彼の持ち歌にしか聴こえないような仕上がりだった。

 特筆すべきは、収録4日前に録音したという三浦自身のコーラスである。あまりにスウィートだし、「ここまでやるのか!」と感嘆するほどのプロの仕事っぷり。カッコいいのに笑えるなんて、何て新しいのか。「カッコいいの最上級は“爆笑”」とは三浦大知の語録だが、天賦の才を持ちながらバラエティに全力で乗っかる心意気はエンターテイナーとしての矜持だ。

 古田のユーモア、丸谷の作曲力、三浦の歌唱力、三浦&s**t kingzの世界観で完成した『ユニットバスのマーメイド』は秀作である。2~3日前、筆者は入浴中にこの曲を無意識に口ずさんでおり、そんな自分に自分で驚いた。脳内再生数半端なし! 役者が揃うと、それほどの仕上がりになるということ。始まりは古田の軽いジョークだったけれど、番組の中だけで終わらせるのはもったいないと思うのだ。フルサイズのパフォーマンスを見たいし、音源として発表してほしい。何なら、この曲で『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)に出てもらいたいくらいだ。しかも、どうやら本人たちもやぶさかでないみたいである。

「(振りを)作っているときから『これ、フルで作らないのかな?』って欲しくなっちゃって(笑)」(三浦)

 三浦はInstagramにこの曲の音源をアップしており、ノリノリのテンションをあえて隠していない。とりあえず、コロナが収束したら是非ともライブで披露してほしいと願うばかりだ。

 ちょっとしたコラボから正式な音源になるという流れは、パターンとして意外に少なくない。「三浦大知のムダ遣い」という安直な表現で終わらせるのは、今回はあまり気が進まない。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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てらにしじゃじゅーか

最終更新:2021/05/10 13:18
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