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ひろゆき絶賛のYouTube動画『100日後に食われるブタ』運営者が語る制作舞台裏と「命」への想い

ひろゆき絶賛のYouTube動画『100日後に食われるブタ』運営者が語る制作舞台裏と「命」への想いの画像1
カルビは動画配信開始時で生後75日。ブタは生後半年ほどで食用に適したサイズに育つとされ、企画終了の100日後はまさにその時期に重なる。

 

「このチャンネル伸びると思いますよ、賭けても良いです。ほっとくだけでも伸びます」

 “論破王”としてテレビやネットでのご意見番役がすっかり定着した元2ちゃんねる管理人・ひろゆき氏が、5月30日に行ったYouTube配信で、そう絶賛した動画チャンネルがある。その名は『100日後に食われる豚ブタ – Eaten Pig after 100 days』チャンネル。5月19日に開設され、5月25日から1日1本ペースで動画を投稿しており、6月2日時点でチャンネル登録者数は約4万2000人、動画の平均視聴回数は約6万回と、競争過多で新興チャンネルにとって逆風が吹くYouTubeにおいては、驚くべき伸びを見せている。

 毎回5分ほどの動画で描かれるのは、「カルビ」(動画内では「カル様」と呼ばれる)という名の生後約2カ月半のミニブタが成長していく姿だ。「飼い主」と名乗る撮影者にじゃれつく様子や、一心不乱に食事をする様子はひたすらに愛らしく、見ているだけで癒やされる。動画の端々で紹介される、「ブタは甘えるとき鼻を押し付けてくる」「賢いのでトイレもすぐに覚える」「しっぽを振るときは嬉しいとき」といった豆知識も芸がこまかい。つまりペット動画として、まず完成度が高い。

 しかし、チャンネルの趣旨を解説する「概要欄」には、こうある。

「カル様が食べられるまでの何気ない日常です。」

 そうなのだ。チャンネル名が示すとおり、カルビは100日後には屠殺され、食肉として消費される運命にある。動画で描かれる愛らしい姿と、その無情な現実との対比が奇妙な緊張感を生み、多くの視聴者の関心を集めている。

 そこで、チャンネル運営会社社長S氏と「飼い主」氏にインタビューを実施。着想のきっかけや視聴者からの反響、今後の展望について話を聞いた。

――『100日後に食われる豚ブタ – Eaten Pig after 100 days』の企画はどのようなきっかけで生まれたのか?

チャンネル運営会社社長S氏(以下、S氏):弊社は教育事業やYouTubeのチャンネル運営/コンテンツ制作を手掛けています。これまでも恋愛やホラー、マンガなどをテーマにしたチャンネルを運営してきたのですが、ペットを題材としたチャンネルをつくりたいと考えていました。

 現在のYouTubeは完全なレッドオーシャンであるわけですが、そのなかでもペット動画は比較的収益性が高いことがデータでわかっています。動物は基本的に可愛いものですよね。可愛いものは老若男女を問わず好まれます。競争過多のYouTubeでも視聴数が伸びやすいジャンルのひとつなのです。

 これを前提としつつ、企画の面白さとして何らかのひとひねりがほしい。そこでタイトルからもおわかりのように、2020年前半に話題になった『100日後に死ぬワニ』の「100日後に何らかの変化が起きる」という設定からインスパイアを受け、「動物を飼育し、最終的には食べる」という企画の形になっていきました。

――視聴者からはどのような反響が寄せられているのか?

S氏:当初は批判的なコメントや低評価が大量によせられて炎上状態になると予想していました。「ペットを食べるのは非人道的だ」というような。しかし蓋を開けてみると意外なほど肯定的なコメントが多くて驚いています。「これは『食育』の動画だ」「この動画を批判する人は自分が普段食べるものがどうやってつくられるか考えてみるべき」といったものです。最新の動画(編集部注:6月1日の取材時)では高評価の割合が約95%と、回を重ねるごとに評価が高まっています。

 また、視聴数の伸び自体も予想以上です。100日間というロングスパンの企画ですから、初期の視聴数はあまり伸びず、最終回の直前になった頃に注目が集まり、その流れで初期の動画の視聴数も伸びていくという展望を描いていました。企画の新しさもありますが、命を食べるというテーマに関心を抱く人がそれだけ多かったということかもしれません。

――動画制作において心がけていることは?

 命を扱う以上、センシティブな内容になることは避けられません。そこで一番大切にしているのは自分たちが理念をもち、そこからブレずに貫徹することだと考えています。確かに弊社はこの企画をビジネスとして行っており、ビジネスである以上、視聴数は重要です。しかし、動物を虐待したり、どうせ屠殺するのだからと劣悪な環境で飼育したりといったことは絶対にしません。そのようなことをあえて行い、炎上に近い状況をつくって視聴数を伸ばす企業は実のところ少なくないのですが、その轍は踏みません。

 私たちはこの動画を見てもらうことで、人々が食育やフードロスの問題について考えるきっかけになればよいと考えています。私たちが普段食べたり、残したりしている食物はどこからきているのか。どんなプロセスを経て皿の上にのっているのか。私たちはなかなか普段それを意識することが難しいのですが、この動画を一緒に見ていただくことで、食べ物の価値、ひいては命の価値について考えるきっかけをつくり、フードロスの問題を解決する道筋にしたいのです。

 社会問題と対峙するとき、大きな成果を生み出すために大切なことは一人ひとりの小さな心がけだと思います。フードロスに関して、一般の人はあまり気にしないかもしれませんが、外食産業において食べ残しによるフードロスだけで年間700億円以上にものぼるというデータがあります。もしこの企画が広がり、1割でも食べ残しが減れば70億円ものロスをなくすことができるのです。視聴者さんの小さな心がけが、日本社会に影響を及ぼすことを私たちは確信しています。有り難いことに『100日後に食われるブタ』に現在注目が集まっているからこそ、この動画が社会に良い影響を与えるよう今後も制作を続けていきたいと思います。

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