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中国版「忠犬ハチ公物語」──亡くなった主人のため号泣する忠犬に人民が泣いた

文=廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)

川辺で飼い主の帰りを待つ様子(東網)

 渋谷のシンボルとして知られる「忠犬ハチ公像」。飼い主が死去した後も渋谷駅前で帰りを待ち続けたハチの逸話はいつしか世界的にも知られることとなり、最近では外国人の観光スポットともなっているが、亡くなった飼い主を想う忠犬の姿は中国にもあった。

 中国環球時報(6月8日付け)は、「亡くなった主人を待ち続ける中国の忠犬ハチ公」という記事を伝えている。記事によると6月7日、中国のSNS上に涙を流しているように見えるゴールデンレトリバーの動画が投稿されたという。水辺で涙を流すこの犬には悲しい物語があった。

 同月5日、河南省鄭州市内の川で3人の若い男女が亡くなる事故が発生した。目撃者によると、3人は2匹のゴールデンレトリバーと遊んでいたところ、女性のひとりが川に転落。これを助けようとした他の2人も流されてしまい、残念ながら亡くなってしまった。

 飼い主である男性の最期を見ていたゴールデンレトリバーのうち、一匹は遺族によってすぐに保護されたが、もう一匹は川辺から離れようとせず、男性が戻ってくるのを待ち続けていたという。近隣の男性がSNSにその様子を投稿したことで、この“ハチ公”の存在が大きな話題となった。

 この“ハチ公”は保護しようにも警戒心が強く、すぐに逃げてしまっていたという。食事をする様子もなく川辺から離れないために心配されたが、飼い主の車が近づくと、臭いに反応したのか車に近づき、窓から中を覗き込むような動きを見せた。これによって保護に成功したようだ。

 この動画が投稿されると、中国のネット上では「涙が止まらない。人間と犬の間には言葉では説明出来ない絆が存在している」「感動した。中国版忠犬ハチ公として映画化してほしい」「こんなに優しい犬は新しい飼い主の元でもきっと幸せに暮らせると思う」など、作品化の声まで寄せられている。

 今では食事も取るようになり、体調も安定しているというこの忠犬。映画化は実現しなくても、銅像くらいは建つかもしれない。

 

涙を流しているように見える(東網)
廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)

廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)

明治大学卒業後、中国の重慶大学へ留学。メディア論を学び、帰国後は中国の社会問題についてウェブメディアを中心に執筆している。

最終更新:2021/07/05 09:00
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