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『あちこちオードリー』歴史の傍流? “生ぬるさの申し子”中山秀征のバラエティ史観

文=寺西ジャジューカ(てらにし・じゃじゅーか)

『あちこちオードリー』歴史の傍流? 生ぬるさの申し子中山秀征のバラエティ史観の画像1
『あちこちオードリー』(テレビ東京系)Twitter(@AchikochiAudrey)より

 芸人に限らず、多くのテレビタレントは定番トークネタを持っている。勝俣州和は一世風靡時代の哀川翔とのすったもんだな縦関係エピソードが鉄板だし、風間トオルが幼少期に洗濯機で体を洗っていた話はこれまで何度も聞いてきた。

 そして、今の中山秀征の十八番ネタは『殿様のフェロモン』(フジテレビ系)である。

ロープからは返って来ず、すぐ極めようとする今田

 7月7日放送『あちこちオードリー』(テレビ東京系)に中山がゲスト出演した。同番組には先に今田耕司が3月23日、30日と2週にわたって出演済み。あのときはオードリー・若林正恭が話題を先に進めようとする今田を制し、かなりの執着心を持って『殿フェロ』時代のエピソードを深く掘り下げていた。78年生まれの若林からすると、多感な高校時代に飛び込んで来た毒電波だったのだから仕方がない。

『殿フェロ』は、1993年10月から94年3月に放送され、中山と今田がダブル司会を務めた深夜バラエティ番組だ。中山がキャスティングされた時点で、この日の『あちこちオードリー』の方向性はほぼ決まっていたかもしれない。

中山 「(今田出演回を)拝見させていただきました。皆さん、このネタ好きですよね(笑)?」
若林 「もう、ワクワクしますよ! しかも、ヒデさん側から聞けることってなかなかないから」
中山 「俺、被害者だからね。そりゃあ、俺だって色々ありますよ(笑)。俺は俺で目線が違うからね」

 歴史とは勝者が作るものだ。当時は今田が持っていた感性、即ち“松本的価値観”こそ正義で、後は全てまやかし。そんな時代だった。中山に言いたいことがあっても彼に主張する機会は回ってこなかったし、そもそも何を言っても無駄だったと思う。

 まずは、『殿フェロ』とは何だったかを説明しなければならないだろう。この頃の中山はすでに十分な知名度を獲得し、レギュラー数14本を誇る人気者だった。一方の今田は『ダウンタウンのごっつええ感じ』(フジテレビ系)で東京進出して以来、初のピンでのキー局レギュラー番組であった。

 そもそも、2人は番組に臨む姿勢が大きく違っていた。2018年8月11日放送『おかべろ』(フジテレビ系)で明かされた話によると、今田は『殿フェロ』のスタートをダウンタウンに報告し、そのときに浜田雅功から「全員、殺してこい」と告げられていたという。一方の中山は、スタッフから「『オールナイトフジ』みたいに楽しく飲みながらキャッキャする番組をやりましょう」と聞かされていた。いざ本番が始まっても、両者の温度差は埋まらない。「自分から何かを振っても今田は乗っかってこなかった」と、中山は当時を振り返る。

「プロレスってロープに振られたら目一杯で返って来るでしょ? ところが、ちょうどその頃、今ちゃんはUWFが始まった頃なんですよ。ロープに振ってもロープに捕まって返って来ません。そうすると、関節技対決になるわけじゃないですか。もう、腕を持たせない。持ったら極めるから。そして、グッと入ったらタップして終わりみたいな。そんなバラエティあります(笑)? どっちかって言ったら、今ちゃんはそっちのスタイルだったですね。秒殺しようみたいな」(中山)

深夜のサブミッション番組、『殿様のフェロモン』。“秒殺”が代名詞のパンクラスに参戦するGRABAKAに通っていた時期が今田にはあり、中山の喩えは的を射ている。そして、今田の選んだUスタイルは時代を席巻した。

若林 「UWFの流れが来たら、そっちに乗っちゃう人もいたと思うんですけど」
中山 「時代は全部そっちだったよ」
若林 「お笑いがそっちでしたよね」

 世が「面白い」と認めるお笑いは、完全にそっち側。事実、『殿フェロ』を見ていた頃、筆者は中山をノイズとしてしか認識していなかった気がする。

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