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事故物件Youtuber・ Blue Seaとコレコレのヤラセ騒動に見る底が浅い「ネットの闇とガチ」

文=高坂しいたけ(たかさか・しいたけ)

事故物件Youtuber・ Blue Seaとコレコレのヤラセ騒動に見る底が浅い「ネットの闇とガチ」の画像1
ブルーシー【Blue Sea】公式YouTubeチャンネルより

 ヒマさえあればYoutubeを観ている。といっても、ウメハラを筆頭としたストリートファイターⅤのプロゲーマー勢たちの対戦動画だったり、ソロキャンプだったり、自分の観たいものをダラダラと眺めているだけなのだけれども。ただ、そんなルーティンを繰り返していても、思わぬタイミングで「これは!」という新ジャンルに出会うこともあるからYoutubeは面白い。それが筆者にとっては事故物件に住み、そこで起こる心霊現象の正体を突き止めようと2人の若者が定点カメラをしかけ検証を繰り返すチャンネル「ブルーシー【Blue Sea】」だった。

 観始めたのは1カ月ぐらい前だと思う。

 動画内の時刻は深夜2時~3時。定点カメラの映像から鳴り響くのはラップ音、突然水が流れ出すシャワー、激しく開くトイレのドア、連打されるチャイム、ついには玄関扉上の磨りガラス(地上高2メートル)から覗く不気味な影まで現れる始末。恐怖と興奮で鳥肌が立った。秒速でチャンネル登録をした。毎晩更新される動画をベッドの中で観ながら「やべぇ……やべぇ」と呟きながら寝落ちするのが日課になった。

 同じようにYoutubeをよく観ている友人にも「事故物件Youtubeがヤバい! これ本当だと思う?」とLINEを送った。疑い深い友人は「うそだろ!」とか言いつつも、「どうなんだろう…?」と真剣に観始めたようだった。不気味なラップ音とともに現れる影の正体は一体……。シラスとまぐろ(Blue Seaのメンバー)の身に危険なことは起きないだろうか……。いやー心配だ。でも、正直とんでもないことが起こったらそれはそれで興奮してしまいそうだ。俺たちの世界は今、Blue Seaを中心にまわっていた。

 そんなある日、友人から「コレコレにBlue Seaが出てる」とLINEがきた。コレコレとは超王手ネット配信者・コレコレによる生放送チャンネルのことだ。「ネット界の文春砲」と呼ばれ、あらゆるネット上のゴシップが集まる地獄の鍋底である。正直、コレコレの生放送でBlue Seaが取り上げられていると聞いても、あまりピンとこなかった。

 だから、「おーすごいね。人気出そう」と返した。間髪入れずに「いや、凸られてる」と友人。瞬間、頭に血がのぼって視界が赤くなった。

 ようは、Blue Seaのやっていることが「ヤラセ」なんじゃないかという検証が、コレリス(コレコレ番組視聴者のこと)によって行われているということだ。最悪だ! それは決してBlue Seaが「ヤラセ」であることがではない。たとえそうだったとしても、そんなことは1ミリもどうでもいい。なんと底が浅いことか。ネットの闇だとかなんだとか笑わせやがるわ! 

 こちとらそんな可能性はハナから織り込み済みで、それでも「これはガチで本当なのかもしれない」とワクワクしながら観てるんだよ!  

 ガチとはもともとは相撲用語でいう「ガチンコ」、つまりは真剣勝負を意味する言葉である。そして、「ガチ」は安易に「ヤラセ」の対義語として使われる。それが一番頻出するのが、プロレスが語られる時だ。

 プロレスはある程度の「決め事」を前提として試合が行われていることは、今更詳しく説明するまでもないだろう。だが、その一切合財が「決め事」なのかと言えば決してそうではない。技をかける側にも受ける側にも、勝つ側にも負ける側にも人間関係を前提とした感情があるし、だからこそ勝敗をつけることに意味がある。「コブラツイストなんて真剣勝負でかけられるわけない」「なんでロープにふって返ってくるんだよ」「あんなのはヤラセ」。

 違うんだよなー。

 「決め事」だからこそ、そこでぶつかり合ってるのが人間同士だからこそ、「ガチ」が潜む緊張感があるわけだ。本当に負けたくなかったら、後先考えずに「約束」を破って勝ってしまうこともできる。それがプロレスであり、だからこそ高度なエンタメとして成立しているのだ。これ、プロレスを「心霊特番」に置き換えても大体同じです。

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