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オダウエダの優勝、理屈への渇望をねじ伏せる理屈なしの笑い

文=飲用てれび(いんよう・てれび)

オダウエダの優勝、理屈への渇望をねじ伏せる理屈なしの笑いの画像1
『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ系)twitter(@the_w_ntv)より

 テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(12月12~19日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします

オダウエダ・小田「敗訴ー!」

 13日の『女芸人No.1決定戦 THE W』(日本テレビ系)は、オダウエダの優勝で幕を閉じた。

 トロフィーを獲りにきた感じを隠さないAマッソ。技術のあるコントで見る者を笑わせ驚かせた天才ピアニスト。そんな2組をファイナルステージで破って優勝したのは、キテレツな世界観を見せつけたコンビだった。

 先日放送された『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)の批評がそこかしこで盛り上がっているけれど、ここではあえて、そんな『THE W』を改めて振り返ってみたい。

 Aブロックの1組目からクライマックスだった。今年の『M-1』でも準決勝まで進出していたヨネダ2000。彼女たちが披露したのは、恰幅のいい愛が無表情で「ドスコイドスコイ」と言い続ける横で、清水亜真音が不思議な笑顔でボケ続ける、ジャンル不定の漫才だった。ボケとツッコミにあえて分けるとすれば、最初から常識を逸脱している清水がボケ役、そんな清水に最初は戸惑いをみせる愛がツッコミ役になるのだろう。が、「ドスコイドスコイ」が始まったら、もうそんな役割はどこかに行ってしまう。いや、愛はツッコミならぬツッパリを入れ続けてはいるのだけれど。

 そんな「ドスコイドスコイ」の通奏低音に乗って、清水によってシュールなワールドが展開される。見る者は、一定のリズムで押し出されるかのように次々と迫ってくる理解不可能なものを、なすすべなく飲み込まされていく。そして、そんな理解不能なもの最高潮に達したところで、ノドに詰まったモチがとれるように訪れる笑いのカタルシス。バカバカしさはもちろんのこと、ネタの構成の美しさも印象に残った。

 そんなヨネダ2000を迎え撃ったのは紅しょうが。『THE W』の決勝進出は3回目、昨年は準優勝となった大阪の漫才師だ。彼女たちに番組がつけたキャッチフレーズは「リベンジに燃える!西の横綱」。もう、どう見ても漫才師な立ち姿の2人による、確実に笑える漫才という感じだ。熊元プロレスによるネタ終わりの「また聞いてー!」がいつも心地良い。

 そんな2組に対し、審査員は5-2で紅しょうがに軍配をあげた。斬新な発想の笑いと、技術に基づく安定感のある笑いでは、今回の審査員は後者をより評価するのか? そんな審査の方向性も垣間見えたような2組の対決だった。が、こちらが勝手に読み込んだそんな審査の方向性は、すぐに裏切られることになる。

 その後、狂気を笑いに変える怪演を見せたピン芸の茶々、漫才のTEAM BANANAを破った紅しょうが。最後に立ちはだかったのは、昨年に続く決勝進出となったオダウエダだった。

 オダウエダのコントは、会社員役の植田紫帆が焼鳥屋を訪れ、そこの店員の小田結希に振り回されるという設定。客と店員というコントではオーソドックスな設定だけれど、世界観はぶっ飛んでいる。メニューとして出てくるのは「ハツの就活」「ぼんじりの判決」「砂肝のゲッチュー」「数々の奇跡が折り重なってできたモモ」など。ボケ役の小田の空に突き抜けるようなハイトーンな声が世界観を飛ばし、ツッコミ役の植田の地に足のついた太めの声がそれを引き戻す。そんな2人の声のバランスがいい。あと、ハツやぼんじりのお面の気持ち悪さがちょうどいい。あのお面の裏に、つける順番を間違えないように「ハツ」とか「ぼんじり」とか書いてあったりするのだろかと想像すると、なおおかしい。

 ぼんじりのお面を被った小田が、その印象的な声で「敗訴ー!」と叫んだコント。そのコントで、オダウエダは紅しょうがに6-2で勝利し最終決戦進出を決めた。斬新な発想の笑いと、技術に基づく安定感のある笑い。後者が優勢かと思われて始まった大会は、前者がまくる形で前半を折り返した。

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