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ザ・ウィークエンドが亜蘭知子をサンプリング!いよいよ世界でシティポップが加熱

文=マキタカフミ(まき・たかふみ)

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ザ・ウィークエンド UNIVERSAL MUSIC JAPAN 公式サイトより

 カナダの人気シンガーソングライターのザ・ウィークエンドが7日にリリースしたニューアルバム『Dawn FM』で、日本のシティポップをサンプリングして話題になっている。

 同アルバム収録曲の「Out Of Time」でサンプリングされたのは、1970~80年代に活動した女性シンガーである亜蘭知子の「Midnight Pretenders」。近年、海外で日本のシティポップが再評価されており、83年リリースのアルバム『浮遊空間』に収録された同曲も竹内まりやの「PLASTIC LOVE」、松原みきの「真夜中のドア~Stay With Me」と並ぶ、いわゆるシティポップのアンセムだ。

「リリース当時はヒットしたわけでもなく、無名の曲に過ぎませんでした。77年デビューの亜蘭知子は、90年代の音楽シーンを席巻したレコードレーベルのビーイング創設時の所属アーティスト。ただ、一般にはシンガーとしてよりも作詞家としてのほうが有名で、当時を知る人には三原順子(じゅん子・現参議院議員)のデビュー曲『セクシー・ナイト』、TUBEの大ヒット曲『シーズン・イン・ザ・サン』などが特にお馴染みでしょう。ちなみに『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系、当時は『どーする?!TVタックル』)の初代パーソナリティだったのは、知る人ぞ知る話です」(音楽ライター)

 海外で人気を集めるシティポップのアーティストとして前述の3人以外に、大瀧詠一や山下達郎、吉田美奈子、大貫妙子、南佳孝らの名が挙がることが多いが、70~80年代当時は彼らの音楽の多くがシティポップと呼ばれることはなかった。そもそもシティポップという言葉に、明確なジャンルの定義があったわけではない。

「何となく都会的な音楽ぐらいの意味で、レコード会社の宣伝文句に過ぎませんでした。“トレンディ”とか、ああいうのと同じ類いの言葉(笑)。その多くは職業作家が作詞作曲を手がけた楽曲で、当時の流行の牽引役だった女子大生が好んで聴く“軽佻浮薄な音楽”とされていました。音楽好きからすると、シティポップなどという呼称は蔑称以外の何物でもなく、間違っても吉田美奈子や大貫妙子がシティポップだなんて呼ばれることはありませんでした。当時の意味でシティポップと呼べるのは、先に挙げた中では亜蘭知子と松原みきでしょうか」(同)

 つまり現在、海外で人気を集めるシティポップと当時のそれとでは、似て非なるものということか。また、この音楽ライターに言わせるとシティポップが世界中で人気だと喧伝されているのも、ウソとまでは言わないが正確ではないという。

「ヴェイパーウェイヴやフューチャーファンクといった新たな音楽ジャンルの勃興を背景に人気を集めるシティポップですが、多くの場合においてアジアからブームの火が付いています。『PLASTIC LOVE』の火つけ役となったのは韓国人DJのNight Tempoだし、『真夜中のドア』にしてもインドネシアのシンガー・Rainychが日本語でカバーした動画をネットに上げたことがキッカケ。こうしたことによってシティポップがアジアの他の国にも人気が広まったわけですが、英米など英語圏の国では決してメジャーな存在とは言えず、一部の好事家の間だけの人気に留まっているのが実情。しかし、ザ・ウィークエンドのような世界的なアーティストが日本のシティポップを取り上げたことで、英米の音楽ファンの注目を集めるかもしれません。この意味は大きいですよ」(同)

 日本のシティポップが名実ともに“世界中で人気”となるか、注目したいところだ。 

マキタカフミ(まき・たかふみ)

マキタカフミ(まき・たかふみ)

大分県出身。大学卒業後、金融専門紙記者や経済誌編集者を経てフリーライターに。「週刊SPA!」(扶桑社)、「実話ナックルズ」(大洋図書)、「一個人」(KKベストセラーズ)などに執筆。その分野は経済からエンタメ、グルメまで多岐にわたる。 著書に『神奈川あるある ご当地あるある』(TOブックス)など。

最終更新:2022/01/12 13:00

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