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そこでKing Gnu? 月9『ミスなか』のズレた“感動の押し付け”に不満の声

文=東海林かな(しょうじ・かな)

そこでKing Gnu? 月9『ミステリと言う勿れ』のズレた“感動の押し付け”に不満の声の画像
ドラマ公式サイトより

 原作ファンが危惧していたことが現実になってしまったかもしれない。

 菅田将暉主演のフジテレビ系月曜ドラマ『ミステリと言う勿(なか)れ』の第2話が1月17日に放送された。世帯平均視聴率は12.7%(関東地区・ ビデオリサーチ調べ)と2桁台をキープしたが、今夜放送の第3話はどうなるのだろうかと早くも心配になる。その理由は、ドラマによる過剰な「感動の押し付け」だ。

 主人公の久能整(くのう・ととのう)は「思ったことを口にせずにはいられない性格」という設定だ。原作ではそんな整の言動こそが見どころであり、事件を紐解く鍵となっていく。「僕は常々思うんですけど」と言いながら登場人物たちが無意識にとらわれている固定概念や偏見を指摘し、多岐にわたる知識をもとに独自の見解を呈する。視点を変えてみることで人の凝り固まった心をほぐしていく絶妙な雰囲気は、人気のキモでもある。

 しかしそんな見どころが、ドラマでは逆に不評を買っている。「漫画の整くんの論説は読んでて楽しいんだけど、ドラマになると結構きついものがある」「サラッと論破して“いいこと言ってます”な空気ちょいちょい出すのやめてくれ……見てられん……」「いちいち感動的にしないでもっと淡々と進む感じがよかったのでは?」など、SNS上では押し付けがましく感じたという声が多く上がっている。

 第2話で顕著だったのは、連続生き埋め事件の犯人をあぶり出すべく集められたメンバーが「これまでに自分が犯した一番重い罪の告白」をさせられるシーンだ。整は順番に行われる告白のすべてに口を挟み、結果的に話した人の心を解きほぐしていくのだが、その光景はまるでグループカウンセリング。漫画で違和感のなかった描写が、必ずしも映像化でしっくりくるとは限らない。「久能整のお悩み解決コーナーじゃねえか」「今日はカウンセリング強化回なのか?」など、とても拉致監禁されているとは思えないシチュエーションに疑問符が浮かぶ。

 極め付きは、子どものころに万引きをしていた駄菓子屋が潰れてしまったと告白した淡路一平(森永悠希)のとき。万引きをしたのはいじめによる強要で、本当は逃げたかったと訴える淡路に、整は「欧米の一部ではいじめているほうを病んでいると判断する」「どうして被害者側に逃げさせるのか」と言葉をかけるのだが、ここでKing Gnuによる主題歌「カメレオン」がBGMとして流れ、これでもかと感動を演出してくるのだ。

 整の主張は“気づき”のある内容で、多くの人に知ってほしい考え方であるにもかかわらず、必要以上に押し付けがましい演出がもったいない。第2話は、事件の解決を次回に持ち越すストーリーだったため、盛り上がりどころがなく、主題歌を流すタイミングに困った結果なのかもしれないが、本筋とあまりにズレた感動演出に困惑した人は多かった。第2話にして「そろそろお腹いっぱいになってきちゃったなぁ」という視聴者が、今後もドラマを見続けてくれるのか、少々疑問である。

■番組情報
月曜ドラマ『ミステリと言う勿れ』
フジテレビ系毎週月曜21時~
出演:菅田将暉、伊藤沙莉、尾上松也、門脇麦、白石麻衣、鈴木浩介、筒井道隆、遠藤憲一 ほか
音楽:Ken Arai
脚本:相沢友子
プロデュース:草ヶ谷大輔、熊谷理恵(大映テレビ)
演出:松山博昭、品田俊介、相沢秀幸
主題歌:King Gnu 「カメレオン」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
制作・著作:フジテレビ 第一制作部
公式サイト:fujitv.co.jp/mystery

東海林かな(しょうじ・かな)

東海林かな(しょうじ・かな)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

最終更新:2022/01/24 19:00

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