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「冬季五輪」は今世紀中で終了? 環境問題悪化でウインタースポーツは青息吐息

文=石井洋男(いしい・ひろお)

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(Getty Images)

 北京冬季五輪開幕までいよいよあと1週間。羽生結弦の五輪3連覇をはじめとして興味は尽きないが、実は冬季五輪は崖っぷちに立たされている。地球温暖化の影響が忍び寄り、「いずれは開催が困難になる」との予測が登場。重大な岐路にあるのだ。

「カナダの大学の研究チームが先日、冬季五輪と地球温暖化にまつわる研究結果を発表。温室効果ガスを大幅に削減しなければ、今世紀末には、過去に冬季五輪を開催した21都市のうち、開催が可能なのは1都市だけになると予測しました。その都市は札幌です。現在、世界中の研究者が温室効果ガスの削減を訴えていますが、主要各国の足並みはまったく揃っておらず、前途は極めて不明瞭。決して大げさではなく、冬季五輪は風前の灯火なんです」(大手紙記者)

 データを見れば、日本の温度も確実に上昇しているが、都会に住む人間はついつい「1℃や2℃くらいなら……」と考えがち。しかし、ウインタースポーツが重要な産業となっている街にとっては、まさに死活問題だ。ウィンタースポーツに詳しいフリーライターはいう。

「かつて日本の豪雪地帯のスキー場は年間4カ月から5カ月は営業できましたが、温暖化で営業期間がどんどん短くなり、降雪量が減って滑走できる範囲もどんどん狭くなっています。雪がなかなか積もらないので、スノーマシンをバンバン使って無理やり営業しているところもありますが、費用は当然かさみますし、スキー人口自体が90年代のピークから激減。都会の若者は車を持たなくなっていますし、そこにコロナも重なって、ウィンタースポーツはお先真っ暗です」(フリーライター)

 決してスキーばかりが冬季五輪の競技ではないが、年中ポカポカと暖かくなったら、多くの競技は成立しなくなる。また、冬季五輪には地球温暖化とはまったく別の大きな問題がある。

「夏季五輪でも環境への負荷が大きな問題になっていますが、自然を舞台にする種目が多い冬季五輪は、より環境へのダメージが大きい。1998年の長野五輪でも、アルペンスキー会場の環境破壊が大きな問題となりました。冬季五輪種目の施設は他の用途で使いにくいので“負の遺産化”することも多く、誘致したがる都市も減っている。北京の次の2026年も、手を上げたのは2都市でした。
 そもそも冬季五輪は、基本的に“冬がある国”だけでやるので、参加国数は夏季五輪の半分以下。競技人口が極めて少ない競技も正式種目に含まれていることに批判的な意見もあります。夏季・冬季を問わず、近年の五輪のトレンドはコンパクト化ですから、いずれ冬季五輪を続けるべきかどうかを議論する時がやってくるでしょう」(スポーツジャーナリスト)

 今世紀末には冬季五輪=札幌となっているのか、はたまた北極や南極で五輪をやるのか。冬季五輪の未来やいかに……。

石井洋男(いしい・ひろお)

石井洋男(いしい・ひろお)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

最終更新:2022/01/28 07:00
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