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カーリング女子日本代表、五輪中継の視聴率は上位独占も…懸念される今後の課題

カーリング女子日本代表、五輪中継の視聴率は上位独占も…懸念される今後の課題の画像
日本カーリング協会公式Instagramより

 日本初の銀メダルを獲得した北京五輪カーリング女子日本代表ロコ・ソラーレ。20日の女子決勝は午前10時からNHK総合で生中継されたが、午前11時25分からの後半部分は世帯平均視聴率が29.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)、瞬間最高は34.0%を記録したことが明らかになった。

 同日午後8時59分から生中継された閉会式の世帯平均視聴率は18.9%で、はるかにその数字を上回った。

「今大会全体の視聴率で1位となったのはこの女子カーリング決勝の後半。2位は18日の準決勝後半の26.7%、3位は決勝前半の26.4%で、女子カーリングが独占。しかも、いずれも中継したのはNHK総合だった。前回の平昌大会では銅メダルだったが、NHK以外の局は前回大会以上に勝ち上がるとは思っていなかったのかもしれない」(スポーツ紙デスク)

 20日深夜に放送されたTBSのスポーツ情報番組『S☆1』は、主要4紙のスポーツ紙が20日までの大会期間中に報じた紙面の総面積を計測した結果を発表したが、カーリング女子は、フィギュアスケート日本代表の羽生結弦に次いで2位だった。

 また、一部スポーツ紙によると、日本代表の快進撃は2月10日に発売されたばかりのNintendo Switch向けゲーム『みんなのカーリング』の売れ行きにも好影響を与え、一時入手困難な状況になっているという。

 前回大会以上にカーリング女子に注目が集まりそうな気配を見せているが、今後に向けて課題が山積みだという。

「次回大会で目指すのは金メダルだが、今回はギリギリで準決勝に進出。金メダルを手にするには全体的にレベルを上げる必要があるが、カーリングの代表はロコ・ソラーレの単独チーム。さらに選手たちはプロではないので、活動資金や練習時間も限られている。全体的な底上げをするためには、大企業がバックアップに乗り出すなどして、選手たちに充実した練習環境を与える必要があるし、もっと広報大使のような存在を立ててカーリングという競技自体の普及や広報活動が必要だ」(五輪担当記者)

 こうしたなか、いろんな意味で反面教師となりそうなのが、世界一に輝いたにもかかわらず、今やすっかり人気が盛り下がってしまったあの競技だという。

「2011年のワールドカップ(W杯)で初優勝を果たしたサッカー女子日本代表・なでしこジャパンは、その活躍で女子の団体としては初の国民栄誉賞を受賞。W杯後のリーグ戦も盛り上がるなどはしたが、2012年のロンドン五輪銀メダル獲得を最後にすっかりチームの勢いがなくなり、まったく結果を残せなくなった。おかげで、ようやく昨年から女子プロリーグ・WEリーグが開幕したものの、まったく盛り上がりに欠けてしまっている。カーリングがプロ化されるのは現実的には厳しいが、せっかくここまで五輪ごとに結果を残しているのだから、なでしこの二の舞いになるのだけは避けてほしいものだ」(同)

 しばらくは選手たちが各メディアやイベントに引っ張りだこになりそうだが、カーリングという競技そのものの日本における環境は改善されていくだろうか。

大山ユースケ(ライター)

1990年、千葉県生まれ。某大手メディアに勤務中の複業ライター。得意ジャンルはお笑いと酒。

おおやまゆーすけ

最終更新:2022/02/27 07:00
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