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『関ジャム』宇多田ヒカルは母・藤圭子に贈る曲をデビューからずっと歌い続けている

宇多田の“初恋”の相手は誰なのか?

 佐藤は、7th『初恋』を最高傑作としているようだ。彼女が取り上げたのは、3曲目の「初恋」。同曲で耳を引くのは、不安定なメロディだろう。この不安定さこそが、初恋のおぼつかなさを表している? 「初恋」の歌詞について佐藤は考察した。

「初恋って言ってますけど、初恋がこんな深いわけないじゃないですか? (終盤の歌詞を指して)これ、恋というかもう愛じゃないですか。小学生とか中学生のときにしてた初恋はこんなものではなかったと思うと、これは“初恋”じゃなくて“最後の恋”なんじゃないかなと私は勝手に思っています」(佐藤)

 いろいろな考察ができると思う。恋愛を知らぬまま大人になった人の“初恋”かもしれない。結婚していたとしても“初恋”を経験していない人だってたくさんいるだろう。

 実は、宇多田本人がこの曲の歌詞に言及したことがある。2018年6月30日放送『SONGSスペシャル』(NHK)に出演した彼女は、「初恋」を「初めて人間として深く関係を持った相手」と定義していた。つまり、宇多田が“初恋”の感情を抱いているのは、両親だったのだ。だから、佐藤が言った「恋というか愛じゃないですか」という指摘は、ある意味当たっている。

 藤圭子が亡くなる前から、宇多田の曲には母(両親)に向けて歌う内容が多かった。それはデビューからずっと一貫している。そして、今は息子に向けた曲が多くなったという印象だ。

 今回の宇多田特集、かなり楽しみにしていた。しかし、ファンによる歌詞の考察ばかりで、曲の構成やサウンド面を掘り下げることはほとんどなかった。DJ YANATAKEがコーラスを分析したり、エンジニアの小森雅仁が宇多田のレコーディングの秘密を明かす場面もあったが、その尺をもっと増やしてほしいのが本音。小森や、いつものように蔦谷好位置をスタジオに呼んで深く宇多田の音世界を分析してもらいたかったのだ。メンタルの掘り起こしのみに留まるのではなく。

 いつか、活動休止前も含めた宇多田ヒカル特集が行われるなら、そのときこそは期待したい。

寺西ジャジューカ(芸能・テレビウォッチャー)

1978年生まれ。得意分野は、芸能、音楽、格闘技、(昔の)プロレス系。『証言UWF』(宝島社)に執筆。

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最終更新:2022/04/17 20:00
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