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『関ジャム』Mr.Children特集!30周年に復活した小林武史とのタッグは是か非か?

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『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)公式Twitter(@kanjam_tvasahi)より

 4月24日放送『関ジャム 完全燃SHOW』(テレビ朝日系)は、Mr.Childrenの特集であった。この番組はやたらミスチルを取り上げる印象だが、もしかしてミスチル直撃世代のスタッフが多いのだろうか。 

 世代といえば、モデルの“めるる”こと生見愛瑠が「ミスチルの存在は知りませんでした」と口にし、話題になったことがある。世代的に、彼女はミスチルと縁遠かった? そんなめるる発言と同タイミングにリリースされたのは、秀曲「Documentary film」である。さすがだと思った。

桜井が病んでいた頃のアルバムが俄然いい

 今回、スタジオに登場したのは、水野良樹(いきものがかり)、小出祐介(Base Ball Bear)、音楽プロデューサー・Kan Sanoの3人だ。全員、ミスチルから多大な影響を受けたアーティストである。

 意外なのは、Sanoだ。正直、ミスチルは聴いていなさそうなイメージがある。彼が人生で初めて買ったCDは、94年リリース「innocent world」だそうだ。一方、水野が仲間たちとバンドを組み“初めて人前で歌った曲は”は、93年リリース「CROSS ROAD」らしい。

「CROSS ROAD」と「innocent world」を立て続けに発表した、当時のミスチルの勢いが眩しい。「CROSS ROAD」で知名度を獲得し、「innocent world」で“このバンドは本物!”と世間に周知させた。それがリアルタイムでの印象だ。

 ちなみに、小出は小6のときに友人から薦められてアルバム『深海』を聴き、ミスチルに打ちのめされたという。『深海』からミスチルに入るというのもめずらしいが、小出っぽいといえば確かに小出っぽい。

「頭から最後まで曲がつながっているアルバムに、初めて出会ったんです。今でこそ、コンセプトアルバムというものがあると理解できていますけど、初めてこれを聴いたとき、『こういうふうに表現するんだ!』と知ったというか」(小出)

 CDだけじゃない。『深海』のライブツアーは、アルバムの曲順そのままのセットリストだった。この方向性は、コンセプトアルバムを好むプロデューサー・小林武史主導のもの? サブスク全盛の今になって振り返ると、贅沢な時代だったと思う。

 もはや、『深海』については語り尽くされた感があるが、Vo.桜井和寿の声はこのときが最高だった気がする。桜井が自殺を考えていた頃に制作されたアルバムとしても有名だが、前向きな曲ばかり多い最近のミスチルを見ると、病んでいた時期の作品群(『深海』『BOLERO』『DISCOVERY』)の耳触りが、今になって俄然いい。

J-POPの完成形「Tomorrow never knows」

「ミスチルと私」と題し、他のミュージシャンもミスチルからの影響を明かした。ゆずの岩沢厚治が挙げた楽曲は、「Tomorrow never knows」である。

「人気ドラマ(フジテレビ系『若者のすべて』)の主題歌で、言わずと知れた大ヒット曲でしたが、僕自身は当時、冷静に聴くことができませんでした。音楽を少しかじり始めて間もない頃、こんなにも完璧な曲を目の前に叩きつけられてしまったからです。神がかったイントロやサウンドの構築、歌詞とメロディーのマッチング、そしてドラマチックな展開。掘り下げれば掘り下げるほどすべてが秀逸で感服したのを覚えています」(岩沢)

 この手の話になると、「Tomorrow never knows」の話題は必ず出てくる。岩沢は同曲を「完璧な曲」と称えたが、確かにこの曲こそJ-POPの完成形だろう。特に、小林武史が作ったイントロが快挙。岩沢の「神がかった」という表現に同意する。ちなみに、サザンオールスターズ「希望の轍」の神がかったイントロも小林のアイデアによるもの……というのは有名な事実だ。

 続いて、絢香が挙げた曲は「星になれたら」だった。92年リリースのアルバム『Kind of Love』収録の人気曲。一般的にミスチルのブレイクは93年と言われており、ブレイク前の曲ということになる。

「17歳で大阪から上京する際、地元や家族から離れる不安なときに自分を奮い立たせるため、たくさん聴いていました」(絢香)

 実は、広末涼子も高知から上京して芸能界入りする前、同じような心境でこの曲を聴いていたそうだ。ちなみに、「星になれたら」作曲を担当しているのは桜井と寺岡呼人の2人。寺岡のプロデューサー、作曲家としての活躍を知ると、JUN SKY WALKER(S)でなぜもっと力を発揮できなかったのか? と、いつも不思議に思う。

 また、絢香は思い出深い曲として「しるし」も挙げている。2006年のドラマ『14才の母~愛するために 生まれてきた~』(日本テレビ系)の主題歌になった曲だ。「共に生きられない日が来たって どうせ愛してしまうんだ」というフレーズは、ドラマの内容とあまりにも合致。しかし、言葉を投げかける対象が恋人なのか我が子なのかは、議論の分かれるところだろう。

 実は、本人が明かしている。飼っていた小猿が亡くなり、桜井がその思いを「しるし」に込めたそうだ。

「別れの歌とも取れて、恋愛真っ只中の歌としても取れるような感じなんですけどね。そんなふうに全方位の歌詞が書けたらいいなぁって思っていたときに……飼っていたペットが死んだんですね。それで、あまりにもショックだったんで、(中略)そのときの自分の想いみたいなものを全部歌にして浄化していくような作業になっていて。だから、その『ダーリンダーリン』っていうのが、たとえば自分が本当に愛する人に託した想いだとするとわりと恥ずかしくて言えなかったのかもしれないけど、死んでしまったペットをどっかで擬人化してたから、『ダーリンダーリン』って言うのも自分の中では恥ずかしくなく……裏のメッセージというかね」(「MUSICA」2007年12月号より)

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