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TVerドラマ人気ランキング

『石子と羽男』強し! 『NICE FLIGHT!』好調…TVerドラマ人気ランキング

『石子と羽男』強し! 『NICE FLIGHT!』好調…TVerドラマ人気ランキングの画像
『石子と羽男』Paravi配信ページより

 在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、2022年3月には月間動画再生数が歴代最高となる2.5億回を突破し、2022年7月にはアプリ累計ダウンロード数が5000万を超えるなど、もはや定番のサービスとなった。今や「見逃し配信」は当たり前となったが、やはりTVerではドラマが圧倒的に見られており、ドラマの見逃し配信需要がこのサービスを牽引していると言えるだろう。

 しかしTVerにおける再生回数は基本的に非公表で、期ごとの番組再生数ランキングなどで一部が明らかになるか、あるいは新記録を打ち立てた時などに番組側が発表する程度。そのため、視聴率をもって番組が語られてしまう状況が長らく続いている。

 そこで、TVerの総合ランキングを定点観測することで、視聴率とは違ったドラマ人気をある程度は可視化できるのではないか、と考えたのが本企画だ。総合ランキングでの順位に対しポイントを付け、合計した結果から日刊サイゾー独自の「TVerドラマ人気ランキング」をご用意した。今週は7月23日(土)~7月29日(金)までを観測した結果(1日2回、決まった時間に観測)をお伝えする。

『石子と羽男』独走、『魔法のリノベ』『NICE FLIGHT!』も好調

 今回の結果は以下のとおり。夏ドラマも出揃ったので今回からトップ15に戻した。

『石子と羽男』強し! 『NICE FLIGHT!』好調…TVerドラマ人気ランキングの画像2

 18日から『新・信長公記~クラスメイトは戦国武将~』も始まり、ついに民放ゴールデン・プライム帯の夏ドラマがすべて出揃った。『新・信長公記』は集計途中からのスタートとなるため低い順位でのスタートとなったが、TVer総合ランキングでの推移を見ていると、今後も本人気ランキングで上位にいく可能性は低そうだ。ドラマの評価があまり芳しくないがゆえだろうか。

 本人気ランキングでは、前回の予想どおり『石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー』が独走体制に入っている。他の作品に50ポイント以上の差をつけ、今週も1位を制することになった。TVer総合ランキングの推移を見ているとこの結果も納得で、『石子と羽男』は先週同様、今週の観測範囲においても、TVer総合ランキング首位を2日にわたってキープした唯一の作品だった。さらに総合ランキングトップ10から落ちたのは、第3話放送日(7月29日)の直前のみで、あとはずっとトップ10内にいたのだ。

 オリコンが発表したドラマ満足度ランキング(7月12日~7月28日放送を対象)でも、『石子と羽男』は初回放送で、2位の『魔法のリノベ』に大差をつけて初登場1位を記録しており、夏ドラマでもっとも視聴者に支持される作品となりそうだということがわかる。

 『六本木クラス』は安定しているが、それに迫る勢いを見せているのが前述の『魔法のリノベ』。オリコンのドラマ満足度ランキングでは、『六本木クラス』は初回放送(7月7日)で5位、第2話(7月14日)では早くもトップ10圏外(11位)と視聴者から厳しい評価を受けているのに対し、『魔法のリノベ』は初回(7月18日)では初登場2位と評価が比較的高い。クセの強い演出に評価が分かれるところだが、TVerでの総合ランキングの推移でも『六本木クラス』に迫るものがあり、本人気ランキングでも上位常連となりそうだ。

 さらに注目なのが、22日に始まったKis-My-Ft2・玉森裕太主演の『NICE FLIGHT!』。今期のジャニーズドラマでは『新・信長公記』と同等か、あるいは上回るかもしれない勢いがある。内容自体は平成初期にありそうなテイストだが、ラブコメとして気軽に見やすい作品でもある。なにより深夜ドラマでありながら、TVer総合ランキングでの推移は月9『競争の番人』などを上回るものがあり、本人気ランキングでは『ユニコーンに乗って』と同率4位に初登場おなった。胸キュン展開が盛り上がれば、さらに上位を目指せるかもしれない。

 深夜帯では前回も触れた『復讐の未亡人』もやはり注目。今年3月に全8話がすでにParavi先行配信済みなのだが、『やんごとなき一族』で脚光を浴びた松本若菜主演、1話30分の復讐劇というのがハマったのか、7月8日の地上波放送スタートから徐々に勢いを増しており、今回の観測範囲では、放送直後にTVer総合ランキングで瞬間的に2位まで上昇していた。復讐のためなら抱かれることもいとわない、松本若菜演じる主人公のミステリアスでセクシーな芝居もさることながら、夫の死をめぐるミステリーとしてテンポよく進むのもいいのかもしれない。先日は、TVerを含む無料見逃し配信での再生回数が120万回(週)を突破したとの発表もあった。『NICE FLIGHT!』ほどの勢いはさすがにないが、一部のゴールデン・プライム帯ドラマを抜き去るくらいの存在感はまだまだ放ちそうだ。

『競争の番人』『オールドルーキー』の失速が目立つ

 前回でも失速気味だと伝えた『競争の番人』だが、息切れが目立ってきた。放送直後にはTver総合ランキングで1位も取るのだが、そこから順位を落とし、トップ10から脱落するまでが早くなってきている。初回から続いていた、栃木のホテル間で行われているウエディング費用のカルテルの問題が第3話でようやく片がつき、スカッとした解決を見せたが、一方で原作を消化してしまったため、8月1日放送の第4話からやはりオリジナル展開となるようだ。ここから巻き返しは図れるだろうか。

 そして日曜劇場『オールドルーキー』も勢いがない。こちらも放送直後にはTver総合ランキングで1位を取るが、あっという間にトップ10外となる。しかも『競争の番人』はかろうじてトップ20内をずっとキープしているのに対し、『オールドルーキー』はトップ20から落ちる場面もあった。世帯視聴率でも、まだ2ケタを維持してはいるが、少しずつ下がってきている。元プロサッカー選手の主人公がようやく現役復帰への未練を断ち切る展開を見せた24日放送の第4話は「神回」との声も上がるなど評判が高かったのだが……。Paraviの総合ランキングでも、『石子と羽男』『ユニコーンに乗って』よりも下位にあることがほとんどで、視聴者からの支持はどうもいまひとつのようだ。

 ゴールデン・プライム帯ドラマでは、20日からスタートした『家庭教師のトラコ』の動きの鈍さも気になるところ。同じ遊川和彦脚本の『家政婦のミタ』をもっとコメディ寄りにした印象で、遊川作品らしさと橋本愛の相性もよく、正直『テッパチ!』や『新・信長公記』なんかよりも断然おもしろいと思うのだが、視聴率も厳しければ、TVer総合ランキングでもふるわず。本ランキングでも200ポイントを切って13位という結果で、深夜ドラマの『NICE FLIGHT!』『復讐の未亡人』を大きく下回ってしまった。既視感の強さが足を引っ張っているのか。これ以上、順位を落とさないことを祈りたいが……。

〈前回のランキングはこちら〉

新城優征(ライター)

ドラマ・映画好きの男性ライター。俳優インタビュー、Netflix配信の海外ドラマの取材経験などもあり。

しんじょうゆうせい

最終更新:2022/07/30 22:35
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