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ダイアンとオードリー、似た者同士の“よそよそしいコラボ”はお笑いコア層に刺さるか?

ダイアン津田の“小ささ”は人間の本質を伝えている

 相方・ユースケ曰く、津田は「天才肌に見られたい」タイプらしい。

「『できる奴に見られたい』っていうのは、芸人みんな持っとかなアカン思ってるから。最後のプライドです。結局、むちゃくちゃイジられるのはわかってるから、『最初ぐらいカッコつけさせてくれや』っていうのは、そりゃ持っときたい。それなくしたら、俺じゃなくなってまうもん」(津田)

 つまり、津田は自分を大きく見せたい人なのだ。しかし、「NOBROCK TV」で彼は「(若林に)もっと来てほしい」とも言っていた。己を大きく見せたいけれど、同時にイジられたい人でもある。ここがややこしいのだが、決してすべての人が津田をイジっていいわけではない。津田はイジられる人を選ぶのだ。

ユースケ 「(イジっていいかどうかは)先輩・後輩で分けると思うじゃないですか。でも、そこでは意外と分けてなくて、先輩・後輩というよりも“売れてる・売れてない”で分ける」

津田 「最低やないか、そんな奴!」

春日 「売れてない奴がイジってきたら?」

ユースケ 「全然、マンキンで返さないです。(売れてない人に)その場でイジられても、そんな返さへん。『俺はあんた、認めてませんので』っていう感じががすごい出るので、誰でもいいわけではないですね」

津田 「それ、お前もやんけ! これはマジで聞いてくれ。これは、2人ともや!」

「津田はイジられる人を選ぶ」以上にタチが悪い、「2人ともイジられる人を選ぶ」という最悪な回答を選んだダイアン。ユースケの意見に抗いながら、自分がそうであることを津田は否定していないし。

 昨年6月27日放送『マルコポロリ!』(関西テレビ)に出演したピン芸人の中山功太は、津田について「ピエロが乗る玉を選ぶな!」と喝破した。その度量の小ささを本人も認めた形である。

 まさに、これが津田篤宏の魅力だ。ダイアンのファンは、津田の小ささもひっくるめて楽しんでいる人ばかり。人間の本質を体現する津田に惹かれている。自らを大きく見せたいけれど、本意ではない伝わり方をしている歯がゆさが、そのまま面白い方向へと転がるのがダイアンの持ち味である。

 ここで、若林は「イジられてOKな人・ダメな人」を示す“津田マトリックス”を作成し始めた。縦線が「売れている↔売れてない」で、横線が「嫌い↔好き」だ。

 例えば、後輩のパンサー・向井慧やニューヨークは「売れている」し「好き」だから、“イジられてもOKな人”。一方、同期のNON STYLE・井上裕介は「売れている」けれど「嫌い」だから、“イジられたらダメな人”だ。さらに、おいでやす小田は「売れている」し「好き」だけれど、昔から津田が知っている後輩、しかもずっと津田がイジる側の関係性だった。あと、大声ツッコミをする芸風も2人は似ている。よって、小田は“イジられたらダメな人”に入ってしまう。津田が判断するNG材料として、「売れていない」「嫌い」の他に「同族嫌悪」というカテゴリーもあるのかもしれない。

 まとめると、こういうことになる。

イジられてもOK……パンサー・向井慧、ニューヨーク、霜降り明星・粗品
イジられたらダメ……NON STYLE・井上、おいでやす小田

 乗る玉を選ぶ津田が、つくづく面倒くさい。この人間臭さが最高だ。

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