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山田涼介『親愛なる僕へ殺意をこめて』、スピード感のある展開で早くも第一章は終盤へ

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ドラマ公式サイトより

 10月12日、Hey! Say! JUMP・山田涼介主演のフジテレビ系水曜ドラマ『親愛なる僕へ殺意をこめて』の第2話が放送された。

 胸キュン展開もハラハラする潜入シーンも盛りだくさんで「ずっとドキドキしながら見てた」との声が上がった第2話。世帯平均視聴率は初回の4.5%から3.5%と大きく下落したが、第1話の見逃し配信では水10ドラマ歴代最高記録をつくるなど好調だ。残虐なシーンが多く、家族と一緒に観にくいこともあり、自室にてスマホなどで楽しむ視聴者が多いのかもしれない。

 累計発行部数130万部を超える同名マンガを原作とする本作は、15年前の猟奇的な連続殺人事件「LL事件」の容疑者・八野衣真(早乙女太一)が実の父親であることを隠して生きてきた大学生・浦島エイジ(山田涼介)が主人公の二重人格サスペンス。

 第1話では、自身が二重人格であると気づき、もうひとりの自分に「B一(ビーイチ)」と名付けると共に、畑葉子(浅川梨奈)という女性が殺害された事件にB一が関わっているのではと疑い始めたエイジは、葉子と共に売春クラブ「ALICE」で働いていたナミ(川栄李奈)と知り合い、B一が葉子と交際していたらしいことを知る。そしてALICEを運営する半グレ集団「SKALL(スカル)」に接近するのだった――。

「B一」の目的が次第に明らかに

 エイジはスカルの根城となっているクラブに呼び出され、リーダーのサイ(尾上松也)に裏切り者への拷問をするよう言われる。エイジは傷口にガスバーナーの火を浴びせるという“拷問”を行ったことで解放されたが、それは拷問と見せかけて止血することが目的だった。エイジの真意はサイに気づかれ、サイはエイジの身辺を探るよう部下に指示する。

 エイジは公園でナミ(川栄李奈)と再会。以前はエイジを葉子殺しの犯人と疑っていたが、エイジの“拷問”の様子を見ていたナミは、エイジに少し心を開くように。エイジが二重人格だとする説明は信じてはもらえなかったが、ナミは、葉子を殺した犯人は最後に相手をした常連客かもしれないと言い出す。そしてサイが1人で厳重に管理しているALICEの顧客情報を入手できれば、その常連客にたどり着けるのではないかと提案する。

 幸いにも、サイは葉子殺しの重要参考人として署へ連行されていった。それを見たナミから連絡を受け、エイジはサイの部屋に潜入。しかし、「アリス」というフォルダには何のデータもなく、目的のデータが見つからない。一方、ALICEの顧客には「お偉いさん」が多いこともあって、サイはあっさりと解放され、すぐにアジトに帰ってきてしまう。窮地に立たされたエイジだが、ナミの機転もあって、なんとか脱出することに成功する。

 畑葉子殺害事件が15年前のLL事件の模倣事件と見なされていることから、テレビでLL事件を振り返る内容が放送されているのをたまたま目にするエイジ。エイジの父・八野衣真が焼身自殺したとされる4月20日という日付が目に留まり、パスコードがわからずロックを解除できずにいたB一のスマホに入力してみると、見事成功。そこで、葉子の常連客が帝東大学教授の白菱正人(佐野史郎)であることを突き止める。白菱はLL事件の5人目の被害者の父親だった。

 エイジは白菱に接触をはかる。すると、白菱はエイジのことを知っていて、2人で共謀してスカルから6000万円を強奪したことが明らかに。白菱が会っていたのはB一だった。娘が売春をしていたがために、売春をしていた女性ばかりを狙ったLL事件の被害者になったと考えた白菱は、売春組織をひとつでも多く潰すことが娘への罪滅ぼしだと思い、葉子と接触したのもそのためだった。そしてB一の案に乗り、スカルから金を奪う計画に協力したのだ。この金は、スカルが暴力団との取引のために用意した現金だった。支払いができなければスカルが暴力団につぶされると睨んだのだ。白菱は、B一が葉子を救うためにスカルの壊滅を目論んでいたと語る。

 しかし、白菱は葉子が自分たちの仲間であったことがサイにバレてしまったと明かす。葉子はサイに連れ去られたといい、葉子を殺したのはサイだろうと話す。白菱は、サイが葉子に暴行する映像をスマホで記録していた。一方、サイは、エイジの恋人だった雪村京花(門脇麦)のもとを訪れ……というところで第2話は幕を閉じた。

B一の登場シーンが増えることで際立つ山田涼介の演技

 第1話と違って第2話は残虐なシーンが少なく、それでいてテンポの良さは変わらず、むしろ息つく暇もない展開の速さだった。開始から20分でエイジがサイのアジトに侵入するスピード感には驚いた。顧客情報を盗み出そうとするシーンも、途中で敵が戻ってくる想定外が発生するという展開は”お約束”といえばそうなのだが、サイの狂気ぶりによって、過去に観たドラマ以上にハラハラさせられた。

 第2話でもエイジ役の山田の演技力は光るものがあった。今回は劇中のところどころにB一が登場するシーンが挟まれたことで、怯え震えるエイジとの演じ分けがより鮮明になり、ネット上では「エイジとB一で山田くんの目が違うのがすごすぎ」「エイジとB一の性格から全て別人にしか見えなくてびっくり」と称賛の声が多く上がっていた。

 全11巻の原作を、全9話のドラマで収まるように、かつ、テンポの良いストーリーで映像化する難易度の高さは相当だろう。原作で重要なヒロインの座を務める真明寺麗が登場しないなど、大胆な改変はありつつも、今のところは辻褄が合うように話がうまく再構成されており、原作ファンにもドラマが初見の視聴者にも納得のいく仕上がりだろう。第3話の予告では、エイジがサイに拷問されるシーンとともに“第一章”となる「サイ編」が完結とある。さらなる急展開に期待が高まるところだ。

■番組情報
水曜ドラマ『親愛なる僕へ殺意をこめて
フジテレビ系毎週水曜22時~
出演:山田涼介、川栄李奈、門脇麦、尾上松也、早乙女太一、髙嶋政宏、桜井ユキ、佐野史郎、遠藤憲一 ほか
原作:井龍一・伊藤翔太『親愛なる僕へ殺意をこめて』(講談社ヤングマガジン刊)
脚本:岡田道尚
音楽:☆Taku Takahashi(m-flo)
主題歌:Hey! Say! JUMP「ウラオモテ」
プロデュース:草ヶ谷大輔
総合演出:松山博昭
制作・著作:フジテレビ
公式サイト:fujitv.co.jp/shinainarubokue

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2022/10/19 12:00
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