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平野紫耀、優男から狂気まで演じ分ける“新クロサギ”確立! ラスボス候補続々登場で盛り上がる『クロサギ』

平野紫耀、優男から狂気まで演じ分ける“新クロサギ”確立! ラスボス候補続々登場で盛り上がる『クロサギ』の画像
Paravi配信ページより

 King & Prince・平野紫耀が主演を務めるTBS系金曜ドラマ『クロサギ』の第1話が10月21日に放送された。この作品名を聞けば、2006年に放送された山下智久主演シリーズの記憶がちらつく人もいることだろう。平成の人気ドラマと比較される立場での第1話放送となったが、蓋を開けて見れば「山P版も好きだったけどこっちも好き!」とSNSでは好評の声が多い。その要因は、平野紫耀が作り上げた「新たなクロサギ像」だ。

 原作は、2003年から2013年まで「週刊ヤングサンデー」「週刊ビッグコミックスピリッツ」(ともに小学館)で連載された同名マンガで、この9月からは「ビッグコミックスピリッツ」で外伝となる『クロサギ再起動-18歳新成人詐欺犯罪編-』が7週連続で展開中。山下智久主演のシリーズ第1弾は、2006年にドラマ化、2008年に映画化という流れであることから、それ以降のエピソードは本作で描かれる可能性が高い。

 山下智久の後任として抜擢されたのがKing & Princeの平野紫耀。天然キャラクターと愛嬌で人気を博す平野が、詐欺師の主人公・黒崎高志郎をどう演じるのか。その疑問は第1話の冒頭シーンで早くも解消された。物腰柔らかく、飄々とした振る舞いで融資詐欺グループから出資金をだまし取る鮮やかな手口、出口で張り込んでいた警察を変装で潜り抜けるさまは痛快そのものだった。

 第1話のストーリーの要は、黒島結菜演じる法学部学生・吉川氷柱との出会いだ。道案内を買って出るお人好しな性格に対し「“困っている人には親切にしましょう” その教え、たまには疑った方がいいよ」とアドバイス。詐欺師の黒崎と純粋無垢な氷柱、この2人の人間性が今後の関わりのなかでどのように変化していくかも見ものだ。

 『クロサギ』といえば、「人をだまし、金銭を奪うシロサギ。色恋を餌とするアカサギ。この世で一羽だけ、シロサギとアカサギだけを餌とし喰らう最凶の詐欺師がいる。詐欺師をだます詐欺師。その名はクロサギ(黒崎)」という冒頭のナレーション。そのクロサギの“本領”は第1話でも展開された。シロサギである起業セミナー会社の代表・春日公義(高橋光臣)に対し、うまく詐欺の手口を語らせてその様子を盗撮・公開し、サクラを用いたセミナー会場での暴動演出、そしてサクラの警察に追われてると勘違いし追い詰められた春日から、セミナー詐欺で蓄えた6億7000万円を「この金には誰も手を出せない」とする暗号資産と称してうばい取るという、春日の心理を巧みに誘導して見事にシロサギを“喰って”みせた。

 ここまでを飄々とこなした黒崎だが、一転して春日を追及する際に見せた怒りの表情には驚かされた。詐欺界の重鎮・御木本(坂東彌十郎)の居場所を教えろと最初は穏やかに迫ったが、御木本に見限られた春日が「俺は警察に自首する。俺には家族がいる。俺さえ自主すれば……」と口にすると、胸ぐら掴みから窓ドン、そして「ふざけんな!」と一喝する黒崎。「何が家族だ? お前らにぶっ壊された家族がこの世にどれだけいると思ってんだ?」と鬼気迫る表情で詰め寄る。そして「じゃあどうする? 殺すか? お前に人なんか殺せんのか?」と逆ギレする春日に対し、「殺してやりたいよ……この手で。お前も、御木本も……シロサギはみんな」と、怒りと悲しみが入り混じった顔で睨む黒崎。シロサギにより家族が崩壊した過去をもつ黒崎の、心の闇の深さが描かれた印象的なシーンとなった。

 今後の見どころとなるのは、黒崎の仇である御木本にいかにして復讐を果たすか、そして黒崎の師匠的存在である桂木敏夫(三浦友和)がどう関わってくるかだろう。御木本はラスボス的な存在として、回を追うごとに接近することが予想される。しかし、第1話にして黒崎は、桂木が御木本とつながっていることに感づいている。さらに、エンディングでは、桂木が黒崎家を崩壊に導いた「詐欺の設計書」の設計者であることが明らかになった。意味深としか言いようのない満面の笑みを浮かべる桂木には狂気を感じた。

 陽と陰のメリハリのきいた「新しいクロサギ像」は、詐欺という重くなりがちなテーマに親しみやすさを加えるアクセントになっているに違いない。今夜放送の第2話では、黒崎と警察が肉薄するシーンもあるようだ。敵だらけの世界を黒崎がどのように潜り抜けていくのか注目だ。

■番組情報
金曜ドラマ『クロサギ
TBS系毎週金曜22時~
出演:平野紫耀、黒島結菜、井之脇海、中村ゆり、宇野祥平、時任勇気、山本耕史、坂東彌十郎、船越英一郎、三浦友和 ほか
原作:黒丸・夏原武(原案)『クロサギ』シリーズ(小学館刊)
脚本:篠﨑絵里子
音楽:木村秀彬
主題歌:King & Prince「ツキヨミ」
プロデューサー:武田梓、那須田淳
演出:田中健太、石井康晴、平野俊一
製作著作:TBS
公式サイト:tbs.co.jp/kurosagi_tbs

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2022/10/28 12:00
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