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『舞いあがれ!』吉川晃司の“鬼教官”は当初コメディ路線だった? 設定変更に賞賛も…“矛盾”発生か

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吉川晃司演じる大河内教官|ドラマ公式サイトより

 福原遥主演のNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』。第7週までは「泣ける朝ドラ」として評価が高かったものの、第8週から始まった「航空学校編」の内容は賛否が分かれているが、出演者も語るのに苦労しているようだ。

 1990年代から現代までを舞台に、空と飛行機に憧れる主人公・岩倉舞(福原遥)が夢へと向かい奮闘する同ドラマ。第8週からは、舞がパイロットになる夢を叶えるために航空学校を受験し、見事合格してからは航空学校でパイロット訓練を受ける日々が続いている。

「それまではじっくり丁寧に心の機微を描いてきたのですが、第8週から一転して物語のテイストが変化。視聴者からは『別の作品を見ているみたい』との声が多く上がりました。というのも、第7週まではラジオドラマで数々の賞に輝いた桑原亮子氏の脚本だったのが、第8週からは別の脚本家にスイッチ。演出家も変わっています。このことが明らかになると、放送前から懸念の声が上がっていたのですが、いざ航空学校編が始まってみると、ドラマの雰囲気やテンポが変わっただけでなく、ヒロインの性格までも変わったかのような急激な変化に、SNSでは『反省会』のハッシュタグがこの頃から急増しました」(テレビ誌記者)

 そんな不評の声を受けてなのか、ヒロインの父親を演じる高橋克典は、第8週の初回が放送された11月21日の翌朝、ブログを更新。「このタイミングで脚本家の方と監督が変わり、今週からは少し毛色が変わります」と言及し、ヒロインがあたたかい人たちに囲まれていたこれまでと違い、見ず知らずの人たちと航空学校で競い合うことになるのでドラマの雰囲気が変化するのは当然とフォローした上で、「それにね、これは長尺のエンターテイメント。同じ空気がずっと続けば、それはそれでエンターテイメントとして飽きちゃうし」「出来上がったものになんの文句も違和感もない」「脚本に疑問も不安もあるはずなく」などと、長文で綴っていた。

「第8週の2話目が放送された直後の更新で、出演俳優がこんなタイミングで擁護する文章を綴るあたり、現場もネットの反応を強く意識しているのでしょう。前期の『ちむどんどん』が叩かれまくりましたからね(苦笑)。とはいえドラマのテイストが急に変わったのを出演者が釈明しなければならないということ自体が問題のような気もします。それに、高橋さんが更新したタイミングではまだ序盤だったため様子見していた視聴者も、第10週ぐらいまでになるとさすがに疑問の声を口に出す人が増えていきましたね。第9週は『私らはチームや』がサブタイトルだったのに第10週では仲間の水島学生(佐野弘樹)が不合格になった理由が明かされなかったり、急にベタな恋愛要素が出てきたり……『段々私が知ってる舞ちゃんからかけ離れていく』『航空学校編に入ってから感情移入できない』『毎朝楽しみにしてたのに、航空学校編はいまひとつ』と不評の声が大きくなってきました」(同)

 こうした中、航空学校で舞や柏木(Snow Man・目黒連)ら学生を指導する大河内教官を演じる吉川晃司が12月9日、同局の『あさイチ』に出演。そこで驚きの事実を明かした。

「大河内教官は自衛隊出身の鬼教官という設定ですが、もともとオファーされた際は『もうちょっとワイルド』で『アメリカっぽい』設定の役柄だったと明かしています。“軽い”感じになった航空学校編に合った、もっとコメディ寄りのキャラだったのでは。しかし吉川さんは、言葉遣いも態度も丁寧なほうがより怖いのではなどと自ら提案し、今の『武士』のような人物像に。実際、もともとは学生に対し呼び捨てするような役だったそうですが、吉川さんが演じている大河内教官は必ず『●●学生』と呼び、指導する際も『よろしくお願いします』と頭を下げるんですよね。また、もとは怒鳴り散らすようなキャラだったそうですが、朝からそれもどうかと、声を荒げることなく注意・指導する今の方向性になったとか。『武士』の大河内教官は確かに厳しく、威圧感はありますが、熱を出した舞にアイスクリームを差し入れしたり、悩みを打ち明ける舞にしっかり向き合って助言する姿に、視聴者からはいい指導教官だとして、『大河内教官にしか共感できない』『大河内教官だけが航空学校編唯一の良心』『大河内教官、素敵過ぎ』など、とても評判です。

 この設定変更エピソードは航空学校編が始まるタイミングで掲載された公式インタビューでも話しているんですが、今回『あさイチ』で改めて説明したことで、『吉川さんが変えてくださって本当によかった』『教官、設定をアメリカンから武士に変えたの大正解すぎる』『大河内教官が吉川さんで本当によかった!』と称賛の声が続々と上がりました」(同)

 一部にはこれにより「ちむどんどん化が防がれた」と吉川を称える声もあるが……一方で別の問題も指摘されている。

「第8週の最後は、舞や柏木らが大河内教官の指導方針に反発し、指導教官の変更を願い出ようとする展開に。これに視聴者からは『大河内教官は冷静で知的な指導者なのに、なんであんな反発するの?』『大河内教官のどこにも非があるように思えない』『理不尽な指導をしてるわけでもないのに、大河内教官を見返すとか替えてもらうとか意味がわからない』などといった疑問の声が続出したんです。しかし、元々の横柄で怒鳴りつけるようなキャラの大河内教官であれば、学生たちが反発するのも理解できます。そのため、大河内教官のキャラ変更に対して脚本が修正されていないから矛盾が起こっているのではと指摘する声も出ています」(同)

 『あさイチ』の冒頭、MCの博多大吉から「教官替えることないのにな~!」と直前のドラマの感想を聞かされると、吉川は「いやでも、学生たちの立場に立つと、すごい(気持ちは)わかりますけどね。自分も若いとき、ああいうふうに思ってましたもん。のちのち感謝するけども、若いころは『ちくしょう、いじめやがって!』って思ってましたよ」とフォローを入れていた。劇中の大河内教官は生徒をいじめるような人物ではなく、演じる吉川も内心で矛盾を感じていそうだが……。航空学校編の内容については、今後も俳優たちからさまざまな“釈明”がありそうだ。

宇原翼(ライター)

雑誌、ウェブメディアの編集を経て、現在はエンタメ系ライター。

うはらつばさ

最終更新:2022/12/12 11:00
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