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“17人抜き”の超新星・ドルーリー朱瑛里に託された女子駅伝の未来とテレビ業界の思惑

毎年、年始に開催される箱根駅伝の様子。女子駅伝界も盛り上がるか。(Getty Images)

 1月15日に行われた「全国都道府県対抗女子駅伝」で、3区に登場した岡山県チームの中学3年生・ドルーリー朱瑛里(しぇり)選手が17人抜きを達成し、区間新記録を達成。快走に関係者がザワついている。

 ドルーリーは岡山県津山市の中学に通う15才。カナダ出身の父親を持つ彼女は、小学生4年生で陸上を始め、練習を重ねてきたが、通っている中学には陸上部員が3人しかおらず、本格的な駅伝の大会に出場するのは今回が初めてだった。

「ドルーリー選手は昨年夏の全国中学校体育大会の1500mで圧倒的なタイムで優勝。秋のU16大会1000mも圧勝し、400mから3000mまでトップクラスの結果を残しています。全国女子駅伝で走った3区は3kmでしたが、ほかの選手とのスピードの差は明らかで、レース後には『楽しく走ることができました』『(何人抜いたか)覚えていない』と笑顔でコメント。目標とする選手には、東京五輪で活躍した田中希実の名前をあげており、大きな期待が寄せられています」(フリーのスポーツライター)

 鮮烈な走りは視聴者にも強いインパクトを与えたようで、ネットには、

「一人だけ異次元のスピードだった」
「名前を覚えたぞ。将来が楽しみすぎる」
「ドルーリー朱瑛里さんこれもう岡山の奇跡だろ」

 といったコメントが続出。彼女の名前はトレンドにもランクインしたが、ソワソワしているのは陸上界だけではない。

「日本の人気スポーツと言えば、まず名前が挙がるのは野球とサッカーですが、別格なのがマラソンと駅伝。野球やサッカーのように1年中、話題になるわけではありませんが、正月の箱根駅伝は毎年のように30%近い視聴率を記録し、他の駅伝やマラソンも常に高視聴率が期待できるコンテンツです。

 各テレビ局が狙っているのは、女子でも箱根駅伝のように盛り上がるイベントを作ること。全国女子駅伝や高校駅伝をNHKが中継しているほか、日本テレビは全日本大学駅伝、TBSはクイーンズ駅伝(全日本実業団女子駅伝)、フジテレビは富士山女子駅伝(全日本大学女子選抜駅伝)を中継しており、テレビ界全体で“女子駅伝を育てよう”という方向で一致しています。

 女子長距離界にはかつて、有森裕子、高橋尚子、野口みずきといった国民的な人気選手がいましたが、近年は小粒感が否めず、五輪のマラソンでもメダルから遠ざかっています。そんななか今回、全国女子駅伝で活躍したドルーリー選手は、とても中学生とは思えない走りで、身長もまだ伸びそうですし、とてつもない記録が期待できる新星。今後、取材が殺到するのは間違いなく、関係者は久々の大型スター誕生への期待感に沸いています」(キー局スポーツ部関係者)

 さすがに2024年のパリ五輪は厳しいだろうが、2028年のロス五輪には十分間に合うかも。彼女の進学先は明らかになっていないが、来年の高校駅伝は必見になりそうだ。

 

石井洋男(スポーツライター)

1974年生まれ、東京都出身。10年近いサラリーマン生活を経て、ライターに転身。野球、サッカー、ラグビー、相撲、陸上、水泳、ボクシング、自転車ロードレース、競馬・競輪・ボートレースなど、幅広くスポーツを愛する。趣味は登山、将棋、麻雀。

いしいひろお

最終更新:2023/01/18 07:00
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