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『100よか』松山ケンイチ“魚住”の滲み出る人の好さに心温まる“三角関係”も…急展開!

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ドラマ公式サイトより

 井上真央主演のTBS系金曜ドラマ『100万回 言えばよかった』の第6話が17日に放送された。

 主人公の相馬悠依(井上真央)が、運命の相手だと思っていた恋人・鳥野直木(佐藤健)を突然失い、そこに幽霊となった直木を見ることができる刑事・魚住譲(松山ケンイチ)が現れ、3人で直木の失踪の理由を追っていく『100よか』。第6話は、直木が巻き込まれたと思しき事件の真相に徐々に近づいていくなか、ラストには驚きの急展開も見せた。

 直木が何らかの形で関わっていることが警察に疑われていた高原涼香(近藤千尋)殺害事件が第6話で動きを見せた。しつこく涼香のマンションのエントランスの監視カメラを見直していた魚住だったが、宅配業者の身なりをした怪しい男とよく似た人物が別の扮装で映っていることに直木が気が付く。涼香と以前から知り合いの可能性があると感じた魚住は、マンションに向かう。涼香の部屋はすでにリフォーム済だったため物証は残ってないと思われたが、管理人に話を聞いていた際、男が持っていた派手な紙袋が管理人室にあるのを発見。紙袋から検出された指紋から、15年前に傷害罪で実刑になった田中希也(永島敬三)なる男だと特定でき、さらに涼香の爪に残っていた血液および皮膚片のDNAとも一致したことで、警察は希也の逮捕に動く。

 涼香の学生時代の友人で、悠依と直木とは同じ里親のもとで一時期を共に過ごした仲である尾崎莉桜(香里奈)は、殺される前の涼香とのやり取りを思い出していた。事件の前日、莉桜は涼香の部屋を訪れていた。買い物依存症で金に困っていた涼香は「ちーちゃん」なる女性からお金をもらっていた。それも300万円。涼香は問題なさそうに笑うが、莉桜は「あの人ゆすってお金なんかもらったらダメ! ヤバいことになるから」「とにかくもう絶対関わらないって約束して」と忠告する。涼香は「なんでそんな嫌うの? 私たちを助けてくれたの、ちーちゃんだけだった」と反発するが、「助けてくれたんじゃないんだよ。わかってるでしょ」と諭す莉桜。しかし涼香は、「わかってるよ。だからお金なんていくらもらったっていいんだよ」と莉桜の忠告を気にしない。この2人の過去にはいったい何があるのだろうか。

 それでもまだ「ちーちゃん」からお金を引っ張り出すつもりの涼香に呆れ、莉桜は「すずがそのつもりなら、私はすずとはもう会わない。ごめんね」と言って帰ろうとする。「それは嫌」と引き留めた涼香は、直木が莉桜に返そうとしていた500万円の話をし、「それ私にちょうだい」と要求する。「そんなにお金が好き?!」と怒る莉桜だが、買い物依存症の涼香は意に介さず、「500万くれたらちーちゃんにはもう関わらない」と宣言する。だがその翌日、莉桜が涼香の部屋を訪れると、そこには変わり果てた涼香の姿が。莉桜は携帯電話を見返す。涼香の番号から「こうなりたくなかったら黙ってなさい」という脅迫めいたメッセージが莉桜のもとに届いていたのだった。

 莉桜は自分が抱えているトラブルに悠依を巻き込みたくなかった。そのために「もう何も思い出さないで」「こっち来ないでよ」と忠告したのだった(第5話)。だが、19年前の記憶がよみがえり、当時と同じように莉桜が悠依を遠ざけたのは、自分を守るためだったのではと気づいた悠依は、莉桜に手紙を送る。「もしも莉桜ちゃんが今一人で怖い思いをしてるなら、今度は私が力になりたい」という悠依の思いに心を打たれ、莉桜は悠依に電話をする。「誰にも言わないで、警察にも」という莉桜の言葉を受け入れ、悠依は再会の約束をする。

 警察では、重要参考人と思われる莉桜を目撃したという情報が入り、魚住たちが現場に赴く。そこで見たのは、悠依と再会しようとする莉桜だった。2人はお互いに気づき、道路を挟んで向かい合うところまで来たところで、莉桜の前に怪しいワンボックスカーが停まる。運転手は田中希也だ。ドアが開くと、そこにいたのは「ちーちゃん」こと武藤千代(神野三鈴)。「ひさしぶ~り!」と不気味な笑顔を浮かべる千代が「何してるの? 乗りなさい」と言うと、莉桜は悠依の制止の声も聞かず、車に乗り込み、そのまま去っていった。

 莉桜を追おうとする魚住だが、突然苦しそうに膝をつく。そのころ、魚住の姉・叶恵(平岩紙)が、代々霊が見える家系である魚住家の先祖が遺した文書を漁っていた。そこには、「霊と交流する者の中には、霊に乗り移られる者もいる。その場合、すみやかに霊から離れなければ命を削られ、やがて命を落とす」と書いてあったのだった――。

魚住の人の好さが生む“優しい三角関係”という矛盾

 涼香の事件の真相がいよいよ明らかになるかと思った矢先、莉桜が再び姿を消し、さらに直木に乗り移られた経験があることで魚住の命までも危ういという急展開となった第6話。特に後半は目の離せない展開だったが、この第6話で話題をかっさらっていったのは、やはり松山演じる魚住だろう。

 第6話では、悠依の友人、ソン・ハヨン(シム・ウンギョン)の「まず、直木さんは消えるのか消えないのか、そこをハッキリさせたほうがいい」という提案により、死んだ直木は遺体が見つかったあともなぜ幽霊としてこの世に残っているかという問題にスポットが当たった。魚住の実家を訪れ、直木たちは魚住の姉・叶恵の意見を求める。叶恵は、直木に「思い残し」がある可能性を指摘する。直木はこれを聞いて、自分が死んだ理由よりも、ただただ悠依が心配だという点が「一番の思い残し」ではないかと考える。そして「ちゃんと伝えてなかったなって。それはなんか、心残りかもしれないです」と悠依への想いをもっと言葉にしておけばよかったと呟いた。

 話を聞いた悠依が「思い残しがなくなったら、直木は自分から消えるの?」と確認すると、直木は「俺は、自分が納得いったら消えたい」と魚住を通して答える。悠依はそんな直木の気持ちを受け止めきれず、「私の返事はもう少し保留にさせて」と返し、一息つこうとキッチンへ向かう。その間に直木が部屋からいなくなっていることに気づいた魚住と悠依。悠依は思わず、「消えたい」と言い切った直木の態度について「そんなはっきり言わなくていいのに」と魚住にこぼす。それでも、「生きている私が、直木より先に簡単に(消えることを)受け入れるわけにはいかない。だってそれじゃ直木、寂しすぎるでしょ」といい、諦めるつもりはないと宣言。そんな悠依の姿に、魚住は心を震わせていた。いつの間にか、魚住は悠依に惹かれていたのだ。

 「ルール違反なんで!」と突然部屋を出る魚住。屋上で直木を見つけると、「こんなとこで何やってんですか。すぐに戻って撤回してください! 『消えたい』って何なんですか。そばにいる人の気持ちも考えてあげてください。嘘でも一緒にいるって言ってあげてよ」と、やりきれない思いを直木にぶつける。だが、直木も魚住の気持ちに気づいていた。直木は「悠依のこと好きなんだろ」とストレートに訊ねる。とぼけようとする魚住だが、「(自分の気持ちに)気づいてるのにごまかすなよ!」と直木に言われると、「ごまかすのに必死なんだよ!」と、ついに魚住の秘めた思いが爆発。「もし仮にそうだとしても……複雑でしょ。鳥野直木のことだけをただひたすらに愛している彼女のことが、すごい素敵だって、思っちゃったんだよ。あなたのことを好きな彼女が、僕は好きなんだ」とついに認める。

 「好きなんじゃん」と切なそうにほほ笑む直木だが、「でも俺は消える」と覆せない現実を突きつける。死は理不尽だが平等だという叶恵の言葉を、直木は否定できなかった。そして直木は、自分が消えることへの恐怖を明かしながら、「でも怖いからって悠依巻き込んで、しがみついて、あいつの人生までめちゃくちゃにするとか、ない。ありえない」「とにかく、悠依には笑っててほしい。それだけ」と複雑な胸中を正直に明かす。そんな直木の言葉に、「もしも……どうしても悠依さんに何か伝えたいことがあったら、僕の体、使って」と魚住は号泣し、「あなたたちは最高だ」と涙をぬぐいながら笑顔を見せるのだった。

 第6話で視聴者の間で大きな反響があったのは、やはりこの直木と魚住が悠依をめぐって言い争ったシーンだろう。あわや2人がライバルとなるのかと思わせたところで、あまりにもピュアな魚住の号泣。「魚住さん、本当にいい人だ」「この2人の友情、ほんと胸熱」など、“三角関係”のはずがこの上なく心温まる展開に、直木同様、視聴者も胸を打たれたようだ。魚住のキャラクターが、そして松山ケンイチの演技力がなせる技だろう。

 だが、そんな魚住は、直木に乗り移られたことで“命を削られ”ていた。直木の「思い残し」を解消するためには、やはり直木が魚住に乗り移って直接、想いを悠依に伝えることが必要だろう。しかし、それが魚住の命をも左右しかねないとなれば、3人はどのような決断をすることになるのだろうか。

 そしてドラマが全10話と考えれば残り4話となるが、謎は深まるばかりだ。悠依の友人、ソン・ハヨン(シム・ウンギョン)は夫を亡くしているが、その夫・ウジンが魚住と声も姿もうり二つなのも、何か意味があるのだろう。今回の第6話から登場した、菊地凛子演じる女性の幽霊はいったい何者なのか。悠依はなぜ、19年前に莉桜と涼香の3人で遊園地に行ったことをすっかり忘れ、そして莉桜もなぜ悠依からその記憶が抜け落ちていることを把握していたのか。「ちーちゃん」は何者なのか。怒涛の展開となりそうな終盤戦、今夜放送の第7話も楽しみだ。

■番組情報
金曜ドラマ『100万回 言えばよかった
TBS系毎週金曜22時~
出演:井上真央、佐藤 健、シム・ウンギョン、板倉俊之、少路勇介、穂志もえか、近藤千尋、桜 一花、平岩 紙、春風亭昇太、荒川良々、松山ケンイチ ほか
脚本:安達奈緒子
音楽:河野伸
主題歌:マカロニえんぴつ「リンジュー・ラヴ」
警察監修:志保澤利一郎
里親監修:岩朝しのぶ
医療監修:冨田泰彦、藤田浩
プロデュース:磯山晶、杉田彩佳
演出:金子文紀、山室大輔、古林淳太郎
編成:中西真央、吉藤芽衣
製作:TBSスパークル、TBS
公式サイト:tbs.co.jp/100ie_tbs

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2023/02/24 12:00
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