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ディーン“深夜”の心の遺品整理に涙…『星降る夜に』優しい結末に「よきよき」

ディーン“深夜”の心の遺品整理に涙…『星降る夜に』優しい結末に「よきよき」の画像
『星降る夜に』TELASA配信ページより

 吉高由里子主演のテレビ朝日系火曜ドラマ『星降る夜に』が3月14日、ついに最終回の第9話を迎えた。涙なしには見られない最後の「救い」と、悲しみを全て包み込むような温かい結末に、視聴者からは「心温まる最終回」「ハッピーエンドよきよき」という声が寄せられている。

 産婦人科医・雪宮鈴(吉高由里子)と、遺品整理士のろう者・柊一星(北村匠海)のラブストーリーがメインの作品と思われたが、実際には周囲の人物も含めた“人間愛”がテーマだったように思われた本作。それは特に、第8話で一星と鈴に心を救われた伴宗一郎(ムロツヨシ)、そして最終話で「心の遺品整理」を果たした佐々木深夜(ディーン・フジオカ)のエピソードで強く感じられた。

 マロニエ産婦人科医院の産婦人科医である鈴だが、以前は大学病院に勤めていた。しかし5年前、伴の妻が緊急搬送され、妊娠していた子どもは無事に生まれたものの、妻は帰らぬ人となった。大学病院への搬送時点ですでに母子ともに危険な状態であり、対応した鈴には過失はなかったものの、伴は医療過誤だと担当医の鈴に訴訟を起こす。伴の訴えは棄却されたが、納得がいかない伴は、鈴を付け狙うようになっていた。

 第8話では、突然妻を失った伴が孤独を深めていく様子も描かれ、一星曰く「鈴に甘えている」伴は、最初こそ鈴への嫌がらせを暴走させ、周囲の人間が鈴を守ろうとする姿にも反発していた。だが、鈴と同じくマロニエに勤務する深夜が、10年前に妻と子を同時に亡くしていることを明かし、伴のやりきれない思いに寄り添う姿勢を見せたこともあって、鈴への嫌がらせもためらわれるようになった伴は、後に引けなくなり、命を絶とうと海に向かう。しかし、一星が連れてきた伴の娘・静空(戸簾愛)に父を呼ぶ叫び声に我を取り戻した伴は、その場で泣き崩れる。そんな伴を一星は静かに抱きしめた。

 その続きとなった第9話。震える寒さに、一行は銭湯へ向かう。女湯から声を掛けてくる静空にぎこちない返事をしながら、伴は穏やかな表情を見せる。伴が立ち直りつつある姿を見た深夜は、妻と暮らした東京の自宅にひとり戻り、自分も前に進む決意をする。

 深夜は、一星の勤務先であり、同級生の北斗千明(水野美紀)が社長を務める「遺品整理のポラリス」を訪れる。深夜と妻・彩子(安達祐実)の親友でもあった千明に、10年前に妻子を亡くして以来、そのままにしていた東京の自宅の遺品整理を依頼しに来たのだった。深夜はすべての処分を決めていた。

 遺品整理の間、深夜は鈴に「僕が医者になったのは復讐が理由でした」と語る。妻と子どもの死には、自分には隠された“真実”があるのではと疑い、それを知ることを生きる糧に、前職を辞めて医師になったのだ。しかしその結果わかったのは、妻と子どもが死んだのは誰のせいでもないということ、患者を亡くすことは医者にとっても心の傷になるということだった。そしてお産の時に変な顔になってしまうのは、祝福の気持ちだけでなく、どうしても嫉妬を抱いてしまうからだと告白し、「やっぱり医者になんてならないほうがよかったかもしれない」と迷いを吐露する。

 ほどなくして遺品整理は完了したが、何もなくなった家の中で、これだけは処分できないと、一星は「お客様ボックス」を深夜に手渡す。彩子の出産予定日の次の日が結婚記念日で、彩子はサプライズで、深夜が欲しがっていたスニーカーを家族3人分のおそろいで用意していた。添えられた手紙に込められた彩子の想いを10年越しで知った深夜は、ようやく泣くことができたのだった。そして、鈴から、自分を目指して医者になったという深夜の言葉に救われたと告げられ、「私は深夜先生に出会えてよかった」と言われた深夜は、改めて産婦人科医という仕事と向き合い、成長するために新しい環境を求めてマロニエを去る。

 鈴は帰路につきながら「一星に会いたい」とメッセージを送る。すると、過去に告白された踏切の向こうに一星の姿が。そして「雪宮鈴、愛してる」と改めて伝えられた鈴もまた、気持ちを抑えきれず駆け寄り、二人は熱いキスをかわした。

 1年後、春と妻のうた(若月佑美)の間には無事に子どもが生まれ、ポラリスも経営は順調だ。深夜は青森の産婦人科に勤務しているが、ドジなのは相変わらず。伴はスーパーで働きはじめ、その脇にはランドセル姿の静空の姿が。鈴と一星は海沿いの美しい家で同棲生活を送っていた。仕事に向かうために別の方角に向かう2人はフレームアウトした直後に戻ってきて唇を重ね、物語は幕を閉じた。SNS上でも「かわいい二人だった」「素敵な終わり方」と称賛の声が多く上がった。

 鈴と一星は、ドラマ序盤で早くも結ばれていた。2人の関係の進展が早すぎて、最後は別れるか、どちらかが命を落とすのでは、とバットエンドを予想する視聴者もいたが、しかし、それは良い意味で裏切られることに。深夜が恋のライバルとなることもなく、恋愛ドラマにありがちな2人に対する“障害”は最後までなく、「好き」から「愛してる」に変わりゆく2人の姿がたっぷり描かれた作品となった。

 主要登場人物たちみんなが前向きにそれぞれの一歩を踏み出し、幸せへと歩き始めた最終話。季節が冬から春に移り変わるような、希望があふれる結末に、観ているこちらも晴れやかな気持ちになった。メインの2人は“胸キュン”なラブストーリーを最初から最後まで繰り広げつつ、一方で生と死、孤独と連帯を描いた「人間愛」あるいは「隣人愛」という意味の“ラブ”ストーリーだったといえるだろう。ドラマとしての物語は完結したが、鈴や一星たちの関係はこれからも温かく幸せなままで続いていくことを願いたい。

■番組情報
火曜ドラマ『星降る夜に
テレビ朝日系毎週火曜21時~
出演:吉高由里子、北村匠海、千葉雄大、猫背椿、長井短、中村里帆、吉柳咲良、駒木根葵汰、若林拓也、宮澤美保、ドロンズ石本、五十嵐由美子、寺澤英弥、光石研、水野美紀、ディーン・フジオカ ほか
脚本:大石静
音楽:得田真裕
主題歌:由薫「星月夜」(ユニバーサル ミュージック)
ゼネラルプロデューサー:服部宣之(テレビ朝日)
プロデューサー:貴島彩理(テレビ朝日)、本郷達也(MMJ)
監督:深川栄洋、山本大輔
制作:テレビ朝日 MMJ
公式サイト:tv-asahi.co.jp/hoshifuru_yoruni

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2023/03/15 13:00
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