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人気サッカーYouTuber謝罪騒動で「ファン心理がわからない」と元芸人が感じたワケ

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檜山豊 公式ツイッターより

 4月18日に人気サッカーYouTuber「プレチャン【プレミアリーグ情報チャンネル】」の「りょー」さんが謝罪動画をアップした。ちなみにこの「プレチャン」というチャンネルは「りょー」さんと「伊藤」さんによるサッカー情報チャンネルで「プレミアリーグを愛する全ての人々へ」として、イングランド・プレミアリーグに関する情報を発信しているチャンネルだ。

 ではなぜ謝罪動画を出すことになったのか。それは16日に配信された「【プレミア第31節】ウェストハムVSアーセナル雑談配信※映像なし」の配信中の事だった。「りょー」さんが応援するアーセナルが前半リードしていたのだが、結果的に同点に追いつかれて引き分けになってしまい、イラついた様子で「あぁ!」と声を出しながらモニターを蹴りつけてしまったのだ。この配信を見ていた視聴者から批判的な声と同情する声が両方あがり賛否を呼んだのだ。

 そして、この件に対して先ほども書いたように18日に「今後はないようにします」と謝罪動画を公開したのだ。

 なぜこのニュースが気になったのかというと、「りょー」さんの行動に対して同情の声と批判的な声があがったからだ。この「プレチャン」を見ている人たちはもちろんサッカーを好きで見ているのだと思うが、それと同時に「プレチャン」自体のファンであり、「りょー」さんと「伊藤」さんを応援している人のはずだ。そんな応援している人が一喜一憂する姿を見て何故批判的な声が上がるのだろうか。

 サッカー好きならば今回の「りょー」さんと同じように試合結果に納得がいかずイライラしてしまう気持ちも理解できるだろう。ましてや応援している人ならば同情するのはわかるが批判的な声が上がるのが理解できない。批判的な声を上げて何が起こるのかというと、応援している人が謝罪をするということ。好きな人が謝罪する姿など見たいだろうか?

 もし応援している人の人格形成を考えているならなんともおこがましい話である。もしそこまでファンでもないなら見る必要などないし、今回の件で嫌になったのなら次から見なければ良い話。こんな取捨選択出来る時代にわざわざ見たうえで批判をするという行為が理解できない。

 僕はサッカーにまったく詳しくないのでわからないのだが、もしかしてこの「プレチャン」を視聴しないとこの試合の情報が入ってこないのだろうか? そうだとしたらファンでなくとも見ると思うが、たぶんそうではない。ほかにも情報を入れる手段はあるだろう。なのでやはりこの手のファンの方の心理がわからない。

 ファンの方の心理がわからないと言えば、昔こんなことがあった。僕が主宰している劇団があり、公演が決まったのでTwitterにてお知らせすることにした。ツイートするだけでは見ない人もいるかもしれないと思い、僕をフォローしてくれている人に対して一人ずつお芝居の情報をDMすることにしたのだ。

 一人ひとり手作業でDMを送るのでかなりの時間がかかったが、なんとか送り終え、反応を待った。するとすぐに返信が来たので開いてみると「突然DMを送るのは失礼だと思います。フォローを外させていただきます」と。変わった人だなと思っていたのだが、他にも1,2人くらい同じような返信をする方がいたり、無言で僕をブロックする人もいた。僕は若干パニックになった。

 僕のアカウントをフォローしてくれているということは僕を応援してくれている人、もしくは僕の発信する情報を知りたい人という好意的なイメージがあったので、良かれと思ってお芝居のお誘いをしたのだが、その行為自体を迷惑とか無言でブロックするというのはどういう心理なのだろうか。

 元々好意的ではなくアンチによる粗さがし目的だとしたら、こちらから何かしらコンタクトをとれるフォローなどせずにいちいち検索すればいい。もしくはメッセージが届かないように設定すべきだ。アンチ目的ではなく、ただ情報を見たいだけだとしても、わざわざ文句を返信してきたり、ブロックするのは違う気がする。悪意があるDMではないし、こちらも人間で感情や判断力があるのだから「せっかくお芝居のお誘いを貰ったのですが、見に行くことは難しいのでお誘いしなくて大丈夫です。すみません。応援してます」くらい言ってくれれば、こちらもそれ以上連絡しないし、心がざわつかない。

 そもそもこちらはフォロワーさんのページに行き、関東近郊かどうかを見てDMしている。明らかに劇場に来るだけで多額の費用がかかってしまうであろう人にはDMを送らないし、ある程度最低限の配慮はしているのだ。もし遠くの人にDMしてしまったとしても、それは住まいがわからない場合であって決して悪意があるわけではない。

 僕はSNSをフォローするような応援している人がいるわけではないので、ファンの方の心理はわからないが、もしフォローしている人からDMが来たら嫌な気はしないと思うのだが。なので応援している人を批判したり、DMで文句を返信する心理が僕には理解できない。

 もしひとつの行動で嫌悪感を抱いたり、好きという気持ちがなくなったのなら離れれば良いだけ。わざわざ攻撃したり否定することは必要ないし、その行為によって表現者の表現する幅を狭めてしまうのは間違いない。これはお互いにとって全くメリットがない。表現者は自由に表現し、受け取る側はそれを取捨選択するというのが昨今のエンタメの正しい形だと僕は思う。

 しかし、この考えにも否定的な意見を言う人がいるだろう。今はその否定的な考えも含めて表現のワンセットになっているのが何とも歯がゆい所である。芸能人や著名人などの表現者の発信力・影響力は確かに強大で、軽い気持ちで否定してもダメージは無いと思う人がいるのかもしれない。そんなことを考えていたら、あの漫画の台詞が浮かんだ。

 「だが……我々はか弱い。それのみでは生きてゆけないただの細胞体だ。だからあまりいじめるな」(寄生獣)

檜山 豊(元お笑いコンビ・ホームチーム)

1996年お笑いコンビ「ホーム・チーム」を結成。NHK『爆笑オンエアバトル』には、ゴールドバトラーに認定された。 また、役者として『人にやさしく』(フジテレビ系)や映画『雨あがる』などに出演。2010年にコンビを解散しその後、 演劇集団「チームギンクラ」を結成。現在は舞台の脚本や番組の企画などのほか、お笑い芸人のネタ見せなども行っている。 また、企業向けセミナーで講師なども務めている。

Twitter:@@hiyama_yutaka

【劇団チーム・ギンクラ】

ひやまゆたか

最終更新:2023/04/21 12:00
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