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『合理的にあり得ない』暴行事件のカギは「3776」…終盤に向けて物語は急加速?

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ドラマ公式サイトより

 元弁護士の女探偵・上水流涼子(天海祐希)が、IQ140の頭脳をもつ貴山伸彦(松下洸平)を相棒に、現代の“あり得ない”敵を“あり得ない”手段で成敗する極上痛快エンターテインメントとなるカンテレ・フジテレビ系ドラマ『合理的にあり得ない ~探偵・上水流涼子の解明~』。5月29日放送の第7話は、涼子と貴山が誘拐事件を鮮やかに解決した一方、ついに涼子の過去の事件についてその謎の一端が明らかにされた。

 今回は有名なインテリアコーディネーターの石原歩美(酒井若菜)と経営コンサルタントの夫・啓士(山崎樹範)のセレブ夫妻からの依頼。7歳の娘・星名(山本紗々萊)が誘拐されてしまったというもので、涼子は警察に任せるべきと主張するが、なぜか家のいたるところに監視カメラが設置されており、夫婦の会話・行動はすべて筒抜けになっており、“警察に知らせたら娘を殺す”と脅迫のメールが届いてしまうという異常な事態。引き受けただけで500万円、救出に成功したら1000万円という高額の報酬に釣られ、しぶしぶ涼子は引き受けることに。

 動物病院の獣医を装い、星名の愛犬の具合を診るという体裁で石原家に潜入した涼子と貴山。犯人から身代金の要求はなく、子ども部屋にのみ監視カメラが設置されていない。さらに犯人からはホームパーティを開け、誰も帰すな、夫婦でイチャイチャしろ、などと妙な要求が寄せられる。犯人が指定したホームパーティの客は、石原夫婦が日ごろ世話になっているビジネスパートナーや友人・知人だが、互いはいずれも初対面。だが、そのギクシャクした“地獄のホームパーティ”の様子を見て、涼子は犯人が誰かに気づく。

 わかりやすいヒントのオンパレードだったため多くの視聴者もわかっただろうが、犯人は星名自身で、狂言誘拐だった。星名は両親の夫婦仲の悪さを改善させようとしたのだ。だが、この妙に手の込んだ犯行には共犯者がいた。そしてその共犯者=元家庭教師の岡田美沙(浅川梨奈)は、啓士のかつての不倫相手だった。岡田は、“ホームパーティでイチャイチャさせる”ことで啓士の現在の不倫相手をあぶり出し、妻の歩美に殺させるという指示を出す。

 岡田は星名を正真正銘の人質に取り、やらなければ娘を殺すと脅す。やむなく歩美が従い、啓士の現在の不倫相手を刺したところで岡田が登場。「やっと邪魔な女が死んだ……後はあんたがいなくなれば啓士さんは私のもの!」と歩美に襲い掛かる……がこれは涼子が仕組んだ罠だった。刺された不倫相手は涼子がなりすましたもので、刺されたのもフリ。あえて監視カメラから見づらいところで刺されることで、確認のために岡田がやってくるとも踏んでいた。涼子は岡田を確保。そのあいだに貴山が星名を無事に救出した。それにしても、啓士へのゆがんだ愛情から笑顔を浮かべる岡田の狂気には背筋が凍る思いで、浅川梨奈の見事な演技も見ものだった。

 用意周到な誘拐犯の監視下に置かれた被害者家族と探偵コンビの緊迫のやりとりや、“家族愛”が事件の背景にあったあたりは、さながら昨夏のTBS系日曜劇場『マイファミリー』のようだった。探偵ものをベースに事件によってアクション、推理、ギャンブル、シリアスといった要素を掛け合わせ、各話それぞれに色を打ち出すのが本作『合理的にあり得ない』の特徴だと改めて実感させられたエピソードだった。

 と、今回も涼子と貴山のバディが鮮やかに事件を解決し、高額の報酬も上水流エージェンシーの負債を払うとほとんど手元に残らないというオチもついた第7話だったが、クライマックスに最重要ともいえる新たな展開が。1500万円がほとんど返済に消えるという貴山の説明に納得できなかった涼子が請求書を確認していく。しかし書籍代の「¥3,776円」という文字を目にした涼子にフラッシュバックが襲いかかる。それは涼子が過去に起こした暴行事件の被害者(野間口徹)が「3・7・7・6」と語り掛ける場面だった。突然涼子は険しい表情で固まる。

 涼子は弁護士時代、男性を執拗に殴打するという傷害事件を起こして弁護士資格をはく奪されたが、当の涼子は事件を起こした記憶がないと主張していた。この「3776」という数字は何を意味するのか。

 今夜放送の第8話は、涼子の高校時代の後輩が登場し、涼子を慕う丹波勝利(丸山智己)が涼子に彼氏ができたのではと疑う……というストーリーとなるようだ。貴山の父親の件では、貴山が涼子に伏せていたため、涼子はひっそりと貴山を探る形になっていたが、今回は涼子を貴山が追うパターンになるとみられる。「3776」のことも隠していた涼子の謎を、貴山はどこまで解き明かすことができるのだろうか。

 気になるのは、涼子の因縁の相手である諫間慶介(仲村トオル)も登場するらしいことだ。暴行事件を起こした際、顧問弁護士だった涼子をあっさり切り捨てた男・諫間は涼子の過去にも何らかの関わりがありそうだ。ドラマもいよいよクライマックスへと近づくなか、物語の急展開も期待される第8話に注目だ。

■番組情報
月曜ドラマ『合理的にあり得ない ~探偵・上水流涼子の解明~
フジテレビ系毎週月曜22時~
出演:天海祐希、松下洸平、白石聖、中川大輔、丸山智己、仲村トオル ほか
原作:柚月裕子『合理的にあり得ない 上水流涼子の解明』(講談社文庫)
脚本:根本ノンジ
音楽:眞鍋昭大
主題歌:ざきのすけ。「彼は誰どき」(ソニー・ミュージックレーベル)
プロデューサー:萩原崇、清家優輝
演出:光野道夫、二宮崇、倉木義典
制作協力:ファインエンターテイメント
製作・著作:カンテレ
公式サイト:ktv.jp/arienai

東海林かな(ドラマライター)

福岡生まれ、福岡育ちのライター。純文学小説から少年マンガまで、とにかく二次元の物語が好き。趣味は、休日にドラマを一気見して原作と実写化を比べること。感情移入がひどく、ドラマ鑑賞中は登場人物以上に怒ったり泣いたりする。

しょうじかな

最終更新:2023/06/05 12:00
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