『unknown』急落で『ペントレ』上昇、『ラストマン』vs『教場0』は…TVerドラマ人気ランキング

2023/06/17 12:00

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『unknown』急落で『ペントレ』上昇、『ラストマン』vs『教場0』は…TVerドラマ人気ランキングの画像 — 『ペンディングトレイン―8時23分、明日君と』ドラマ公式サイトより

　在京民放キー局5社を中心として2015年10月に始まったTVer。参加局、取り扱う番組も増え、2023年3月には月間動画再生数が初めて3億回を突破し、TVer単体の月間アクティブユーザー数（MAU）も2739万の最高記録に達し、同4月にはアプリ累計ダウンロード数が6000万を超えるなど、もはや定番のサービスとなった。今や「見逃し配信」は当たり前となったが、やはりTVerではドラマが圧倒的に見られており、ドラマの見逃し配信需要がこのサービスを牽引していると言えるだろう。

　しかしTVerにおける再生回数は基本的に非公表で、期ごとの番組再生数ランキングなどで一部が明らかになるか、あるいは新記録を打ち立てた時などに番組側が発表する程度。そのため、視聴率をもって番組が語られてしまう状況が長らく続いている。

　そこで、TVer再生数ランキングの総合ランキングを定点観測することで、視聴率とは違ったドラマ人気をある程度は可視化できるのではないか、と考えたのが本企画だ。総合ランキングでの順位に対しポイントを付け、合計した結果から日刊サイゾー独自の「TVerドラマ人気ランキング」をご用意した。今週は6月10日（土）～6月16日（金）までを観測（1日2回、決まった時間にTVer総合ランキングをチェック）した結果をお伝えする。

『ラストマン』が3位キープで『教場0』超え、『フウ壊』トップ5に再浮上

　今回の結果は以下のとおり。

　全体的にポイントが下落傾向の中、奈緒主演のフジ木曜劇場『あなたがしてくれなくても』は絶好調で、これで9週連続1位。第10話もまたTwitterの世界トレンド1位となり、第8話までで見逃し配信の放送1週間後の再生数は累計3200万を突破と圧倒的な勢いを見せている。22日にいよいよ最終回となるが、どんな結末を迎えるか。世帯視聴率でも第9話で6.1％と初の6％台を叩き出し、第10話で6.2％と自己最高を更新し続けており、このまま今期トップを駆け抜けていきそうだ。

　第2位は変わらず橋本環奈×山本涼介のTBS火曜ドラマ『王様に捧ぐ薬指』だが、『あなして』がわずかにポイント上昇を見せたのに対し、『王ささ』は13ポイントダウンで、ますます『あなして』との差が広がった。こちらも20日に最終回を迎えるが、この調子だと『あなして』を上回るのは難しいだろう。

　第3位は先週に続いて福山雅治×大泉洋のTBS日曜劇場『ラストマンー全盲の捜査官ー』が制覇。『ラストマン』は先週、本人気ランキングで初めてのトップ3入りを果たしたが、ややポイントは落としているものの、ふたたび木村拓哉主演のフジ月9『風間公親－教場0－』を上回ることに。両者の差は縮まったが、次週はどうなるか。『教場0』は19日に最終回となるため、また逆転となりそうだが、肝心の「千枚通し」事件の動きの少なさがどう響くか。

　第5位は、稲森いずみ主演の日本テレビ系金曜ドラマDEEP『夫婦が壊れるとき』で、3週ぶりにトップ5に返り咲き。9日放送の第10話では、不倫をした夫を一度は許そうとした主人公がふたたび復讐の炎を燃やす……という展開で、いよいよクライマックスが近づいてきた印象の盛り上がりがあり、TVer再生数ランキングの総合部門（以下「TVer総合ランキング」）を見ても、前週は最低23位まで落ちていたものの、今週は最低18位と勢いを取り戻しており、前週比15ポイントアップとなった。TVer見逃し配信の全話累計再生回数は6月4日までで2000万回を突破し、TVerで配信された深夜ドラマの歴代1位の記録を打ち立てている。最終回はもう少し先なので、ここからどこまで記録を伸ばすのかも注目される。

　ふたたび『フウ壊』の後塵を拝する形となった波瑠×高杉真宙のフジ水10『わたしのお嫁くん』は逆に前週比15ポイントダウン。TVer総合ランキングではトップ5滞在期間は伸びたものの、14日放送の第10話の放送直後の動きが鈍かった。第9話は冒頭と終盤のイチャイチャシーンに大きな反響があったが、ラブコメ定番の“くっついたのに一度別れる”展開で盛り上がりが欠けたか。『お嫁くん』は21日が最終回となるが、ふたたびイチャイチャパワー復活で勢いを取り戻せるだろうか。

『unknown』『Dr.チョコレート』急落、『だが情』は勢い増す

　7位以下も今週は動きが。これまで7位常連だった高畑充希×田中圭のテレ朝火曜ドラマ『unknown』が、最終回（13日放送）にしてまさかの32ポイントダウンという大幅下落で10位に転落。しかし、ネットの実況掲示板では最終回が大荒れとなるなど、不評の声が多かったため仕方なしという感じか。前週の第8話の時点で連続殺人事件の犯人がほとんどの視聴者の予想どおりの結果で、最終回となる第9話はそのエピローグという感じで何のサプライズもなく、しかも一部の謎が解決されないまま終わってしまった。

　一方、今週7位となったのは山田裕貴×赤楚衛二×上白石萌歌のTBS金曜ドラマ『ペンディングトレイン―8時23分、明日君と』。遅々としたストーリー進行、ツッコミどころしかないSF設定でいまひとつ伸び悩んでいたこのドラマだが、9日放送の第8話でついに2060年から脱出し、元の2023年に帰還……と思いきや、まさかの2026年に飛ばされるという展開には驚かされた。来週23日に最終回を迎えるが、序盤を中心に散りばめられてきた伏線がどう回収されるのか、期待が高まってきているのだろう。前述のとおり今週は全体的にポイントが下落傾向にあるが、『ペントレ』は5ポイントアップとわずかながら上昇している。

　ポイントを落としたといえば、坂口健太郎×白山乃愛の日テレ土曜ドラマ『Dr.チョコレート』で、前週比31ポイントダウンで9位にダウン。10才の天才医師が活躍するなどの荒唐無稽なマンガ的設定ながら、予想を上回るスピード感での話運びや、チョコレートカンパニーの疑似家族的なほっこり感が好評だったものの、西野七瀬演じる新聞記者の恋愛要素が不評だったり、かと思えば裏切り者（に見える展開）だったり、山本耕史演じる天才外科医がポンコツ的な設定になったり、後半からはやや取っ散らかり始めた印象か。1カ月以上ぶりに天海祐希×松下洸平『合理的にあり得ない～探偵・上水流涼子の解明～』に上を越されてしまった。

　11位も注目で、一時はトップ15にも入れないほど伸び悩んでいた高橋海人×森本慎太郎の日テレ日曜ドラマ『だが、情熱はある』は、先々週の5月27日（土）～6月2日（金）週で前週15位から12位へと上昇し、先週も12位をキープしていたが、ついに11位まで上昇。

　ポイント的には前週より8ポイントダウンとなっており、11位常連だった倉科カナ×菊池風磨のテレ東ドラマParavi『隣の男はよく食べる』が前週比35ポイントダウン（TVer総合ランキングでトップ20滞在期間が大きく減少）となったことが大きいが、『だが情』はオリコンによる「ドラマ満足度ランキング」で、5月14日放送の第6話で満足度92Pt（100Pt満点）となり、以降も90pt台だったが、6月4日放送の第9話で満足度98Ptまで伸ばし、ランキング首位に到達するなど、後半に差し掛かって評価を急速に高めている。世帯視聴率でも、11日放送の第10話で自己最高の4.9％まで上昇しており、最終回の第12話までどこまで勢いを伸ばせるか。