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このままでは滝沢秀明もジュリー社長と同じで信用ならない?ほかスクープ12本

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滝沢秀明氏

今週の注目記事・第1位「木原副長官の嘘を暴く“怪死”捜査音源」(週刊文春7/20日号)

同・第2位「公安警察が『まあ、捏造です』と裁判で驚愕証言」(サンデー毎日7/23・30日号)

同・第3位「札幌“ラブホ首狩り殺人”女装家(62)『真夜中は別の顔』」(週刊文春7/20日号)

同・第4位「『おまえがやったんよぅ!』『刑事訴訟やってやる』『帝京大学』学長の凄絶『パワハラ音源』」(週刊新潮7/20日号)

同・第5位「負担増の議論も再開! なぜこんなに払わされるのか 崩れ行く『介護保険』の闇」(週刊新潮7/20日号)

同・第6位「“正義の告発”が潰され超有名病院眼科部長が自殺した」(週刊文春7/20日号)

同・第7位「キンプリ平野&神宮寺 タッキーとリモート㊙会議」(週刊文春7/20日号)

同・第8位「『サンクチュアリ』監修『維新力』が語る『週6稽古』の過酷ロケ」(週刊新潮7/20日号)

同・第9位「『マイナカード』はこうして犯罪に悪用される」(週刊新潮7/20日号)

同・第10位「鈴木京香自宅療養中『決意の姿』を独占撮!」(FRIDAY7/28日号)

同・第11位「富士通、厚労省、朝日…河野太郎異次元の責任転嫁」(週刊文春7/20日号)

同・第12位「大谷翔平“一番近い女性”が明かす『睡眠よりこだわっていること』」(週刊文春7/20日号)

同・第13位「西武山川穂高『無理やりやる必要ない』ゴーマン供述」(週刊文春7/20日号)

 

 今週は現代とポストが休み。あの西武の山川穂高の性的暴行事件はどうなっているのだろう。被害届を出した女性の知人は、こう語っている。

 「あの事件があってから、A子(性的暴行を受けた女性=筆者注)は完全に男性不信になっていて、その日の体調によっては外に出ることができないこともあるし、知らない男性が大勢いるのが怖くて、電車にも乗れない状態です」

 一方の山川のほうは、「無理やりではなかった」「最初に彼女にキスした時も、拒む様子がなかったので、その後の行為に対しても合意はあったと思った」「そもそも、オレは女性には困っていない。だから無理やり女性とヤる必要がない」と、ゴーマン発言を続けているという。

 起訴するかどうかの決め手は、「無理やり行われたかどうか」だが、山川はヤったことは認めているのだから、「無理やり」かどうかが焦点になる。これはセクハラと同じで、女性側が無理やりと思えば、起訴されるのではないか。もうすぐ、起訴か不起訴の判断が下されるという。

 

 このところ、大谷翔平と近しい女性という思わせぶりな記事が多くみられる。だが、年に1,2回しか外で食事をしないという大谷だから、秘かに大谷に近づこうにも隙がない。文春が「一番近しい女性」というのも、ロサンゼルスの放送局「バリースポーツウエスト」でレポーターを務めるエリカ・ウエストン(36)である。

 彼女がいうには、大谷が一番大事にしているのは「睡眠」と「食べ物」だそうだ。大谷は「ブルーボトルコーヒー」のソイラテがお気に入りだという。コーヒーはカフェインが睡眠に影響を与えそうだが、管理栄養士の安中千絵は、「もともとカフェインにはエネルギーを出す力があり、運動前に摂るとパフォーマンスアップや筋肉痛緩和の効果が期待できます」という。

 大谷がどんぶり飯を食べるのはよく知られているが、その際、一緒にサーモンを食べているそうだが、「サーモンには、オメガ3系脂肪酸と呼ばれるDHAやEPAといった良質な成分が非常に豊富に含まれているほか、アスタキサンチンと呼ばれるカロテノイドの一種もたくさん入っています。(中略)アスリートですから体の各部位を癒すことを狙っておられるのでは。大谷選手は非常に賢く食事を摂っている印象ですね」(安中)

 今のところ大谷翔平に必要なのは女性ではなく、楽しく野球をやることだ。投手と打者という二刀流は、少しでも油断すれば、大谷の肉体を蝕みかねない。大谷が睡眠と食事を大事にする限り、女性の入り込む余地はないようだ。

 ところで、8月1日のトレード期限までに大谷がエンジェルスを出るかどうかが注目されている。あまりにもひどいチームの状態に、さすがの大谷も移籍するのではないかと、私も思っている。打つ方はまあまあだが、投手陣がひどすぎる。エンジェルスも大谷を出して、いい投手を何人か獲った方がいい。大谷よ新天地を目指せ!

 

 もう一つ文春から。河野太郎という政治家は、“決断と実行”の人間だと勘違いされているが、本当は、何か起これば他人のせいにして責任転嫁をする政治家だと、文春は河野の本性をズバリといい当てている。

 マイナカードを使ってコンビニで証明書を受け取れるサービスで、ミスが続発すると、「富士通japanという会社が開発したアプリケーションが原因」だと、富士通の子会社の責任にし、マイナ保険証に別人の個人情報が紐づけられていた問題が発覚した時は、「詳細は厚生労働省にお聞きください」と逃げた。

 朝日新聞が「デジ庁に立ち入り検査へ」と、政府の個人情報保護委員会がデジ庁への立ち入り検査を検討していると報じると、「検査には粛々と協力していく。それにしても、朝日はなんでこんなに大きくやるんだ」と苛立っていたという。

 近々、河野が外遊に出るという話があるそうだ。あまりのマイナカードのトラブル続発で、海外に逃げようというものだが、あまりにも無責任な担当相ではないか。

 朝日新聞Digital(7月17日 5時00分)が世論調査の結果を発表している。

 「朝日新聞社は15、16日、全国世論調査(電話)を実施した。岸田文雄内閣の支持率は37%と前回6月調査の42%から下落した。下落は2カ月連続。不支持率は50%(前回46%)で支持率を上回る状態が続く。マイナンバーを巡るトラブルが続いていることや、少子化対策への厳しい評価などが影響しているとみられる。

 支持率は5月に46%まで上昇したが、今回30%台に落ち込んだ。支持率が30%台になるのは4月調査以来。マイナンバーを巡る岸田内閣の対応については、『評価しない』が68%を占め、『評価する』25%を大きく上回った。

 また、マイナンバー制度をどの程度信頼しているか4択で質問したところ、『あまり信頼していない』42%、『全く信頼していない』19%と、合わせて61%が『信頼していない』と答えた。『信頼している』は『大いに』4%、『ある程度』34%を合わせて38%だった。来年秋に健康保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化する方針については、『反対』は58%と『賛成』36%を上回る状態が続いている。マイナンバー制度を『信頼していない』という人では『反対』が82%に上っている。

 『異次元の少子化対策』にも厳しい視線が注がれている。岸田首相の少子化対策の取り組みへの評価を4択で質問。『評価する』は『大いに』『ある程度』を合わせて33%にとどまり、『評価しない』が『あまり』『全く』を合わせて65%を占めた。30~50代女性で『評価しない』が7~8割と多めなのが目立つ」

 岸田・河野のコンビの終わりの始まりだ。

 

 鈴木京香(55)という女優を私は好きだ。美人だがひょうきんな役もこなせる。その京香が深刻な病気で突然、ドラマを降板したのは5月11日のことだった。以来、彼女の病気が何なのかも含めて、何も伝わら無くなって2カ月以上が経つ。

 心配だと思っていたら、FRIDAYが彼女の近影とともに、現在の生活を伝えてくれた。彼女はドタキャンするまでは元気だった。だが、事務所にいわせると、体調不良を感じて病院で検査を受けたところ、病気が判明しという。だが、病名はいまだに明らかにされていない。

 大手芸能幹部にいわせると、「外見が変化するような、身体に負担がかかる治療法ではなく、自然治癒力を高めるような療養をしているようです」とのことだ。

 FRIDAYによると、彼女の病状の深刻さを窺える情報があるという。実質夫婦同然だが、別々に暮らしている俳優の長谷川博己(46)が足しげく彼女の家に通ってきているという。京香は時々外出したり、愛車のハンドルを握ることもあるというから、寝たきりというわけではないようだ。外出するところだろうか、帽子を被った京香の顔は、化粧をしていないのだろう、少しやつれて見える。早く元気になってくれることを祈りたい。

 

 さて、犯罪者というのは時代に敏感なものだ。だから、マイナカードが出たときは小躍りしたのではないか。これで騙せる、これで稼げると。新潮によると、2020年の夏というから、かなり早い段階だが、森進一という男が、同姓同名の人間が住む自治体を調べ、地元在住だと偽って、コロナ対策特別定額給付金を申請したというのだ。

 その時、その男が身分証明として提出したのがマイナカードだった。カードを調べればすぐにこいつはこの町の人間ではないと気付くはずだが、石川県能登市だけはまんまと騙されて50万円を振り込んでしまったというのだ。

 今年の4月には、「マイナカードを申請すると5万円がもらえます」と、88歳の独居男性に市の職員を名乗る人物から電話がかかり、信用した件の男性が市役所に出向いたすきを狙って空き巣に入られたという。やはり市役所の人間だと偽って、「マイナカードにはお金がかかる」といわれ、登録手数料を取られた。マイナカード申請には時間がかるといわれ、代行してあげると手数料を取られたなどなど。

 それ以上に危ないのは、マイナカードを盗まれると、私のような年寄りは暗証番号をめんどくさいのと忘れないようにするため、生年月日にしておくことが多いため、簡単に情報を盗まれてしまうことだ。早くこれを止めないと、被害はさらに甚大になるはずだ。

 

 ところで、netflixの「サンクチュアリー聖域ー」の相撲の話は面白かった。新潮によれば、この撮影は2年前から始まっていたというのだから、すごい時間とカネをかけたドラマだ。

 このドラマの監修を務めた元十両の維新力がいうには、「19年末にオファーを受けて、オーディションから携わりました。元力士もいるとはいえ、ほとんどのキャストは初心者。まずは1年間みっちり肉体改造を行いました。ほぼ毎日のように四股を踏んで稽古をしましたよ。まるで一つの相撲部屋のような雰囲気でした」。

 さらにこうも語る。

 「最初の1年間は週6日、稽古をしていました。撮影中も体重が落ちるからと、力士役はロケ弁を二つ食べなきゃいけない。100キロもなかった俳優の方々が、私と同じ130キロ近くまで増量してきたのには舌を巻きましたね」

 まるで、ロバート・デニーロが演じた映画『レイジング・ブル』のように、20キロ以上も体重を増やしていたから見ていて違和感がなかったのか。それに、川崎に作った国技館は、本当の国技館のようだったという。時間とカネをかければ、面白いものが作れるということだ。

 日本ではアニメばかりがもてはやされるが、その人気に陰りが出てくると、その後はどうするつもりなのか。真剣にそのことを考えている映画関係者はいるのだろうか、心配になる。

 

 お次はキンプリと滝沢のお話。7月7日の夜、ジャニーズ事務所を退所した平野紫耀と神宮司勇太は滝沢秀明の事務所「TOBE」への合流を発表した。元々キンプリと滝沢の関係はかつては希薄だったという。だが、海外志向の強い平野たちは、Snow Manなどの海外公演を決めていく滝沢に、ジャニー喜多川の姿をだぶらせたのかもしれないというのだ。

 彼らの共通点はジュリー社長への反発。自分のいいなりになるタレントたちだけを可愛がり、物言うタレントたちを遠ざけるジュリーのやり方に反発し、退所するタレントたちはまだまだ出てきそうだ。 元V6の三宅健、ジュニアのグループの『IMPACTors』なども滝沢のところに合流するといわれているようだ。

 だが、文春は触れないが、滝沢はジャニー喜多川のお気に入りで、将来、自分の後継者だと考えていたと報じられている。その滝沢が、ジュニアたちの性加害問題について何かいっているのだろうか? そこだけは黙秘では、滝沢という人間は信用ならない。滝沢は、事務所が本格的に動き出す前に、ジャニー喜多川問題について語らなくては、ジュリー社長と同じではないか。私はそう思う。

 

 千葉県鴨川市にある亀田総合病院というのは、アメリカのニューズウイーク誌が、患者の満足度などをもとにして、世界のベストホスピタル2023年でも、東京大学医学部付属病院や聖路加国際病院に次ぐ第3位という有名病院である。

 その病院の眼科部長に2000年に就任したのが片岡健だった。片岡は自身の人脈でスタッフを招へいするなど努力して、日本眼科学会による「眼科専門研修基幹施設」の認定を受けたという。そのためには、統括責任者1名、専門医6名、他の診療科との連携委員1名以上が勤務していることが必須になっているそうだ。だが、3名の専門医が退職することになり、それを知った片岡は、基幹施設の継続は困難だと判断したという。

 片岡は、亀田俊明院長に事情を伝えたが、亀田からは「プログラムを継続してほしい」といわれた。基幹施設でなくなると、研修医が所属できずに医師の数が減り、収益が下がりかねない。経営陣にとっては一大事なのだ。さらに片岡を追い詰めたのは、認定を更新した際の資料に、勤務実態のない他の病院の医師たち21人を「亀田の医師」として申請していたことを知ったことだった。

 片岡は、「途中で明るみに出た場合、研修医が専門医試験を受けられないかもしれない。新しく入る予定の研修医には私が謝るので、取り下げましょう」と亀田院長にいったが聞き入れられなかった。片岡は、「僕の意見が通らない体制になっている」と研修医に頭を下げていたという。

 そして片岡は、3月8日、自ら命を絶った。享年60。亀田は他の大学の了解は得ていると答えているが、文春が聞いてみると、そのような事実は把握しておりませんと答えている。無断で掲載したことは間違いないようだ。

 こんな病院が、患者満足度日本3位だとは、笑わせる。病院側は事実関係をすべて明らかにする必要がある。

 

 お次は新潮の介護保険の話である。これを読むと怒りがわいてくる。

 「2000年のスタート時に平均で月額2911円(65歳以上)だった介護保険料は、3年に一度の改定で上がり続け、21年にはついに6000円台を突破。さらに上昇することが見込まれている。

 現役世代である40歳から始まり、事実上、死ぬまで払い続けることが強制される介護保険料の納付期間は、『人生100年時代』も手伝って延びる一方。生涯で納付する保険料が数百万円に上ることもあるだけに、要介護に認定された後の生活を『介護保険』で何とかしてほしいと思うのは当然のことだろう。

 ところが、このような国民の期待とは裏腹に、介護保険料はいま大きな分岐点に立たされている。折しも、今年5月には、国会で全世代対応型の社会保障法案が可決され、75歳以上の医療保険料引き上げに踏み出すことを決定したばかり。今月10日には介護保険料や利用料の負担増に向けた議論が厚労省で再開され、こちらも年末を目処に結論が出される見通しという」(新潮)

 この全世代型の社会保険について詳しい名古屋市立大学大学院の吉田輝美教授はこういう。

 「全世代型とはうまく言ったもので、結局は“高齢者の負担増”です。年金制度も含めて、これまでは若い世代が相当頑張ってきたわけですが、若い人たちの給料が一向に上がらない中、彼らにこれ以上の負担をお願いすることはできない。カドが立たないように『全世代型』と言っていますが、主眼が置かれているのは“高齢者は高齢者の中で助け合ってください”ということなんです」

 ここまで書いてきて、あまりの憤怒に身の危険を感じたため、ここで止めておく。私は今、血糖と血圧で診てもらっている医者がいる。頻尿のため泌尿器科に通っている。脊柱管狭窄症で病院にかかっている。薬代だけで1カ月に1万円は軽く超す。

 年金は減らされ、介護保険料は増えるが、要介護3に認定されるのは早稲田慶応に入るより難しい。国は年寄りは早く死ねということだ。こんな国を愛せというほうが無理だ。

 

 さて、あの豊田真由子の「このハゲ~」を超える怒声はないと思っていたが、そうではないようだ。帝京大学といえば日大と並ぶマンモス大学で、日大よりも勢いがあるといわれているようだ。この中野区にも平成帝京大学というのがあるが、グループの一つである。新潮によれば、資産は平成と合わせると1兆円に迫るというから、一大企業である。

 そのグループの“天皇的” 存在が理事長で帝京大の学長も務める沖永佳史(50)だそうだ。 だがこの御仁「社会人としての常識を、哀しいことに学長自身が備えているか疑わしい」(新潮)というのだ。

 グループ内で我が物顔に振る舞う沖永理事長だが、目の上のタンコブ的存在がいるという。それが4歳年上の兄の荘八だそうである。沖永理事長は何とかしてこの兄を排除したくてならないという。5月29日、帝京大学グループの「学校法人荘山学園」の役員を改選するための理事会が開かれていた。ここの理事長代行を兄の荘八が務めているという。

 不穏な空気が漂ったのは、理事会に諮る人事案が沖永と荘八とで違っていたことのようだ。 ただの評議員である沖永は外で待機していたそうだが、人事案を話し合っている理事会に“乱入”してきて、兄を面罵し始めたという。

沖永「お前に(理事長)代行はできない!!」

荘八「こういうんじゃ議論ができない」

沖永「ふふふ風説ふふふ風説の流布流しやがって」

荘八「知りません、そんなのは」

 風説の流布を流すというのは、教育者にあるまじき、間違った使い方だ。そして次第にトーンは上がっていく。

沖永「お! ま! え! が! やった!! お! ま! え! が! やった!! お前がやったんだよぅ!!」

 荘八が、これはハラスメントだというと、沖永は「じゃあ、訴えろ!」

荘八「訴えることできますよ。これは」

沖永「よ~し! よ~し!! じゃあ100%やってやるぞや」

 この音声はデイリー新潮で聞けるそうだ。帝京大グループの学生は3万人超といわれているようだが、この怒声を聞いたらどう思うだろうか? そう嘆く方もおられるとは思うが、彼らは帝京大グループの上の連中のことなどとっくに見切っているに違いない。

 上を見れば、俺たちの将来知れたもの。それこそがとんねるずの石橋貴明がときどき吠える「帝京魂」ではないのか。ねえ、石橋君。

 

 第3位は、北の町札幌で起きた奇怪な事件。ラブホテルで、首を切られて殺されたAという男性は、見た目は若々しかったというが、62歳だった。このAには「女装」する趣味があったそうだ。その日7月1日は、ススキノで4年ぶりに開催されたディスコイベントがあった。Aは「上下セパレートで光沢のある銀色の衣装。ライトが光る小さなリュックを背負っていました。ピンク・レディの『UFO』のコスプレみたいな感じ。お立ち台で踊ったり、他のお客さんたちと会話や記念撮影をしたりして、とても楽しそうでした」(参加客)

 Aは、夜のススキノでは「女装家のトモちゃん」として知られていたという。週末の夜にススキノに繰り出すのがAの日常だったというから、彼の妻も、夫の女装癖は知っていたのではないか。化粧も女性が感心するほど洗練されており、遠目には少し大柄な女性そのものだったそうである。

 そのトモちゃんが当夜、イベント会場から徒歩5分ほどにあるラブホテルに誰かと入り、2日の午後3時ごろ、不審に思った従業員が部屋を訪ねた。

 「洗い場で浴槽に体を向け、うずくまるように倒れていた。血は洗い流されていたが、死因は出血性ショック。体に致命傷となった刺し傷があり、頭部が切断されたのは殺害後。室内には争った形跡や血痕はなかった。そもそもベッドは使われた痕跡はなく、被害者の体に防護創もなかったことから、入室直後に入浴中、無防備なところを襲われたとみられる」(捜査関係者)

 Aと入室したのは、「上下白っぽい女性の恰好で、金髪のウィッグをつけているようにも見える。(中略)GPSの追跡を逃れるためか、持ち去った被害者の携帯電話は、退出した時間帯に電源が落とされていた」(同)

 性別は未特定だが、身長は推定160センチ前後で、男性だとしたら小柄な部類に入るそうだ。抜け出す午前2時前、ホテルのフロントに「一人で先に出ます」と内線でかけてきた声は「女性の声色」に聞こえたという。

 被害者の携帯を持ち去ったのは、犯人とのやり取りが残されているからであろう。通りがかりの犯行ではなく、十分に練られたものである可能性が高い。だがなぜ、首を切り落して持ち去ったのだろう。ここに事件を解くカギがある。不可思議なというか、今風というか、なかなか奥が深そうな事件ではある。

 

 多くの日本人が、検察のアホが、無罪がほとんど決まっている袴田巌の再審公判で、有罪を立証する方針を決めてしまった。袴田は87歳。長々と再審公判をやっていたら残り少ない寿命が危うい。東京高裁が「証拠が疑わしい。捜査機関が捏造した可能性がある」とまで断を下したのだから、引き下がるべきなのになぜ? また恥を晒したいのか。

 それを聞いた袴田の姉のひで子(90)の言葉がいい。「検察だから、とんでもないことをすると思っていました」「57年も闘ってきたんですよ。2~3年長くなったってどうってことない」

 ジャーナリストの江川紹子は朝日新聞デジタル(7月10日 13時27分)にこう書いた。「『検察の理念』は死んだ。残念だが、そう言わざるをえない。

 『理念』は、村木厚子さんの冤罪事件で大阪地検特捜部の証拠改ざんが発覚し、検察に対する国民の信頼が地に落ちた時に、検察自ら策定したものだ。そこには、こう記されている。

 〈あたかも常に有罪そのものを目的とし、より重い処分の実現自体を成果とみなすかのごとき姿勢となってはならない。我々が目指すのは、事案の真相に見合った、国民の良識にかなう、相応の処分、相応の科刑の実現である。〉

 そのために、必要なこととして次のような記載もある。

 〈自己の名誉や評価を目的として行動することを潔しとせず、時としてこれが傷つくことをもおそれない胆力が必要である〉

 村木事件は2010年である。担当検察官が証拠を改ざんしていた事実が明らかになり、検察の威信は地に落ち、いまだに回復どころか、さらに悪くなっていっているようだ。「理念」などというお題目をどんなに唱えても、内部は腐りきったままである。検察ばかりではない。警察、中でも公安警察が冤罪を作り上げ、挙句の果てに無罪の人間を死に至らしめたという“事件”が起きていたのである。

 この「大川原化工機冤罪事件」は多少メディアで報じられはしたが、その詳細については私もよく知らなかった。

 今週は、サンデー毎日で青木理が取り上げ、新潮も報じている。青木のレポートを中心に、この事件を追ってみたい。詳しく知りたい方は青木著『カルト権力』(河出書房新社)をお読みいただきたい。

 横浜市都筑区に本社を置く、大川原化工機が外為法違反容疑で警視庁公安部の捜査が入ったのは2020年3月だった。主力製品は液体や液体/個体の混合物を霧状に噴射し、熱風を当てて粉末に加工するスプレードライヤー=噴霧乾燥機で、用途はインスタント食品や医療品、さらにはIT関連機器製造に必要なセラミック加工など広いという。

 従業員は90人程度で年商も約30億円だから中小企業だが、噴霧乾燥機分野でのシェアは7割もあるという。だがそんな小さな企業にあらぬ疑いをかけ、全く事実がないのに、公安部は事件を“捏造”したのである。

 社長の大川原正明(当時71歳)、海外営業担当の島田順司(67歳)、当時は顧問になっていたが、技術者として製品開発を担ってきた相嶋静夫(71歳)の3人が逮捕された。

 3人してみれば全く身に覚えがなく容疑を否認したが、取調べは苛烈を極めた。当局の任意の聴取に応じた女性社員は、窓のない原宿署の取調室で、平均で4~5時間、長いときは9時間も聴取され、「言ってもいないことを調書に書かれ、こちらが“直してください”と求めてもなかなか応じてくれない。その繰り返しです。しかも“ほかの人たちは事件を認めている”と脅してくるのです。長時間の聴取を終えたある日、疲れ果てて、思わず地下鉄のホームで身を投げようとしてしまって」(女性社員=新潮)

 大川原と島田は弁護士から何度も保釈申請が出されたが、ようやく認められたのは逮捕から330日以上経ってからだった。逮捕から約半年後の2000年9月、相嶋は極度の貧血になり、拘置所の診療所で輸血を受けなくてはいけなくなった。だが症状はさらに悪化し、内視鏡検査の結果、悪性の胃がんだと診断された。当然弁護団は、保釈申請をしたが、驚くことに検察はそれに抵抗し、東京地裁も請求を棄却してしまったのだ。

 弁護団はやむなく、勾留の一時執行停止を求め、病院に搬送されたのは11月6日。だが、手術どころか抗がん剤治療にも耐えられないほど衰弱し、翌年の2月7日に息を引き取った。 青木は「もはやこれは国家による殺人に等しいのではないか」と憤るが、私もそう思う。

 話は前後したが、公安部の逮捕を受け、東京地検は起訴に踏み切ったが、「初公判期日に指定された21年8月3日のわずか4日前に地検が起訴を突如取り消し、自ら事件の幕を強引に降ろしてしまった」(青木)のである。

 検察が一度踏み切った起訴を取り消すのは異例であり、ましてや初公判の直前に取り消すなど異例中の異例であること間違いない。大川原と島田、相嶋の遺族の憤りは強く、国と東京都を相手に損害賠償請求訴訟を起こした。

 驚くべき発言はその裁判の証人尋問でなされたのだ。原告側の代理人弁護士が「公安部が事件をでっちあげたのではないですか」と、証人として出廷した警視庁公安部の現職捜査員に尋ねると、こう断言したのである。

 「まあ、捏造ですね」

 さらに問うと、

 「捜査幹部の個人的な欲でこうなってしまった」

――欲とは何か?

 「客観的な事実がないのに、こうなりたいと思った、それ以外に考えられない」

――どうすれば防ぐことができたか。

 「幹部が捏造しても、さらに上の監督者がいたわけで、その責任を自覚していれば防げた」

 青木によれば、「いくら公安警察が無茶な捜査に突き進んでも、検察官がストップをかければ起訴することなどできはしない」のだが、それさえできなかった。

 警視庁公安部の現職捜査員が「捏造」だと認めているのだから、その奴らを処罰することが出来ないのか。だが、その件を扱った女性検事は、裁判の証人として出廷し、代理人弁護士が、

 「あなたの誤った判断で長期拘留を強いられ、1人は命まで失った。そのことについて謝罪するつもりはありませんか」

 そう問われたが、その女性検事はためらいもなく、

 「起訴当時の判断を間違っているとは思っていないので、謝罪する気持ちなどありません」

 そう答えた。

 こういう人間たちが、自分たちの思惑で事件をでっちあげ、冤罪を作り上げていく。空恐ろしくて寒気がする。こうした「事実」をメディアはもっと伝え、国民は実態を知るべきだ。きゃつらは自分たちの欲望で事件を捏造し、人を殺してもなんと思わない。そういう国に我々は住んでいるということだ。

 これでは、ロシアや中国と変わるところはないではないか。メディアは口を閉ざしたまま、気が付けば中国、ロシアを通り越して北朝鮮と同じになっていた。そう思わない理由がどこにあるのだろう。

 

 さて、今週の第1位も、木原誠二副官房長官の妻の疑惑を連続報道している文春に捧げたい。先週、週刊誌史上最大のスクープかもしれないと書いた。現職の大物政治家(私はそうは思っていないが)の愛人と認知していない子供の話を追及し、ついには木原が「自分の子どもだ」と認めざるを得なくなったが、それだけでは終わらないのが文春の凄さである。

 私の単なる推測だが、木原の妻に「殺人の疑惑」という過去があると何らかの形でバラしたのは、愛人ではないかと思う。なぜなら、万が一、本妻が木原と離婚ということにでもなれば、一番得をするのは愛人だからだ。だが、これは牽強付会にすぎるだろうな。

 文春の報道に怒った木原は、「事実無根」だと訴えると吠えたが、今この原稿を書いている時点では、訴えたという情報はない。私は、妻への名誉毀損では訴えとしては弱いような気がする。徹頭徹尾、文春の報道は事実がないのに書きたて、世の人心を惑わした罪により、文春の廃刊を求めるぐらいでなければ、自分のアリバイ工作、訴えましたよというアピールだけだと思われるに違いない。 文春も、もしこれが捏造記事なら休刊せざるをえまい。木原も文春も、政治生命と週刊誌という媒体の生き残りをかけた「死闘」であるはずだ。

 文春の今週の読みどころは捜査を再開した刑事たちの生の声が「録音」されていたというところである。事件から日にちが立っていることに、女性刑事は亡くなった安田の両親にこう語っている。

 「捜査は尽くされていないので、少なくとも。結果はどっちに転ぶか、ちょっとそれこそ捜査をしてみないと分からないんですけど、でも終了しているとは思えないので、それをちょっと再開させていただきたいと思っています」

 彼女は、両親に、安田のへその緒を持っているかと聞く。DNAが取れるものを捜しているのだ。さらに2018年10月には刑事の一人が安田の友人に聴取しているが、これも録音が残っている。

 「刑事『十二年経って「もう一度捜査をきちんとしよう』と。まず『事件性があるのではないか』ということで捜査をしている」

 その友人が残された子供たちへの影響を心配すると、

 「刑事『我々が調査をする糧といいますか、それは当然被害者なんですよね。亡くなった方の無念。ここで死ぬはずがなかった。明日があった。未来があった。あの日、あのときにそれが奪われてしまった。こんな無念なことはないと思うんです。その無念を晴らせるのが我々警察しかいない』」

 これだけの意気込みで臨んでいた刑事たちが、突然、捜査の縮小を命じられたのだから、捜査幹部の一人は、先週号発売後に、文春に対してこういったという。

 「記事に間違いは全然ありません。『書いてもらいたい』というのは、みんなが思っていることだから」

 木原の妻の事件当時の愛人だったYに文春は再びインタビューしている。

――記事に対して、木原さんは事実無根と主張し、「刑事告訴する」と。

 「そりゃそうだよね。俺なんかが普通に物事を考えれば、抹殺されるよ。それくらい(木原氏とは)石ころと雲の上。それくらいの力の差があるよ。俺らがいくらヤンチャしたって、そういう力じゃないから。簡単にどうのこうのできる案件でもないよね」

――小誌が報じた内容について大手メディアは一切扱っていない。

 「……でも、捜一の人間も言ってたよ。『デカすぎて、相手が』って。そりゃそうだよ」

 でも、川の中の石ころでも、土手を削って穴をあけ、決壊させることができるかもしれない。政治権力が何だ、選挙に落ちればただの人じゃないか。警察は怖いが、政治家なんて恐れるに足らず。木原程度の政治家に恐れ入って何も書かない大メディアなんて、無いのと同じじゃないか。

 木原の妻が殺人犯だと報じろというのではない。そうした「疑惑」が政治家の妻にかかっていて、その政治家には愛人がいて、子どもまでなしているのだ。木原の地元の有権者はもちろんのこと、国民の知る権利に答えろ! そう叫びたい。文春の次なる一手を楽しみに待ちたい。(文中敬称略)

元木昌彦(編集者)

「週刊現代」「FRIDAY」の編集長を歴任した"伝説の編集者"。

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もときまさひこ

最終更新:2023/07/18 12:00
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