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デヴィ夫人、コクトーを引き合いに「ジャニー氏擁護」のお粗末…山下達郎を超える炎上か

Twitter「デヴィ スカルノ(@dewisukarno)」より

 タレントのデヴィ夫人が、未成年への性加害問題が取りざたされているジャニーズ事務所創業者・故ジャニー喜多川氏を擁護する発言をしたことが物議を醸している。被害を訴えている男性らに対し「死人に鞭打ち」「本当に嫌な思いをしたのなら、その時なぜすぐに訴えない」などと言い放ち、「昨今の流れは偉大なジャニー氏の慰霊に対する冒涜、日本の恥」とツイートしたことで炎上状態になっている。

 ジャニー氏をめぐっては、未成年当時に性的な被害を受けたと訴える男性らが続々と名乗り出て社会問題化。ジャニーズ事務所の藤島ジュリー景子社長が謝罪動画を公開しても騒動はまったく収まらず、国連人権理事会の「ビジネスと人権」作業部会の専門家2名が7月24日から8月4日にかけて来日し、被害を訴えている元ジャニーズJr.の7名らへの聞き取り調査に乗り出すことになったと報じられ、国際的な人権問題に発展しようとしている。

 こうした報道を受けて、デヴィ夫人は18日に持論をツイート。「日本の、一芸能事務所の問題を国際機関が調査に来るというこの事態、全く腑に落ちない」などと切り出し、続けて「私はジャニー氏をよく知っている。事務所の子を我が子のように愛しく大切に可愛がり、ワゴンに沢山のお弁当を載せて自ら各楽屋に配っていた。ジャン・コクトーがジャン・マレーを愛したように、そのような特別な世界、関係性というものはある」とつづり、ジャニー氏の行為を、詩人ジャン・コクトーが年の離れた俳優を長年の愛人にしていたことになぞらえた。

 さらに、デヴィ夫人は「ジャニー氏は半世紀に渡って日本の芸能界を牽引し、スターを育て、その非凡な才覚で何億何千万という人々を楽しませ、夢中にさせてきた。昨今の流れは偉大なジャニー氏の慰霊に対する冒涜、日本の恥である」「既に日本中が知っている事をわざわざ世界に知らしめる必要があろうか」と主張。「ジャニー氏が亡くなってから、我も我もと被害を訴える人が出てきた。死人に鞭打ちではないか。本当に嫌な思いをしたのなら、その時なぜすぐに訴えない。代わってジュリー氏が謝罪も済ませているのに、これ以上何を望むのか」と記し、被害を訴えている男性たちを批判するかのような姿勢を見せた。

 矛先は“ジャニーズの長男”こと東山紀之にも向けられた。デヴィ夫人は「東山紀之氏は被害を訴えた元jr.たちの発言を『勇気ある告白』と表現し、『ジャニーズ』という名前の廃止についても言及した。その才能を見出し、育て、スターにしてくれたジャニー氏に対して、恩を仇で返すとはこのことではないか。非礼極まる」とし、東山が『サンデーLIVE!!』(テレビ朝日系)で性加害問題に触れた際のコメントを非難。最後に、「被害を訴えている人々は国連まで巻き込んで、日本国の日本人として、そんな権利がどこに与えられていると思っているのか。あまりにも嘆かわしく、恥ずかしい」と締め括っており、ジャニー氏の性加害問題を大きく取り上げるのは「恥ずべきこと」と思っているようだ。

 これに対して、ネット上では「恩があるからといって性加害が許されるわけじゃない」「嫌ならその時に言えって、言ってもメディアや社会が黙殺してきたわけでしょ」「二次加害の見本のような発言」「ジャニー氏の才能や人柄と性加害はまったく別問題なことを分かってないのでは」といった批判的な意見が殺到。デヴィ夫人に賛同する声もあるにはあるが、かなり少なく、炎上状態になっている。

 また、デヴィ夫人はコクトーを引き合いにジャニー氏の行為を擁護したが、愛人のマレーはコクトーと出会った時点で20代前半の成人であり、年齢差もジャニー氏と10代前半の未成年タレントとの差と比べれば大きくはない。しかも、先日、服部吉次氏と松崎基泰氏が告発した内容によれば、10歳に満たない児童の被害者がいた可能性も高い。そのため、SNS上では「同性愛と未成年への性的虐待をごっちゃにしている」「ジャニー氏は立場を利用した性加害だから問題なのであって、明らかに論点のすり替え」といった声も寄せられている。

 ジャニー氏については、ミュージシャンの山下達郎も9日に出演したラジオ番組にて、性加害問題に触れる中で「ジャニー氏への恩義」を強調したことで物議を醸した。「ジャニーさんのプロデューサーとしての才能を認めることと、社会的、倫理的な意味での性加害を容認することはまったくの別問題」として、「数々の才能あるタレントさんを排出したジャニーさんの功績に対する尊敬の念は今も変わっていません」「(ジャニー氏が育てた)すばらしいタレントさんたちやミュージシャンたちとのご縁をいただいて、時代を超えて長く歌い継いでもらえる作品を作れたこと、そのような機会を与えていただいたことに心から恩義を感じています」と話し、ジャニー氏を擁護しているのではないかと波紋を呼んだ。

 ジャニー氏のプロデュース能力や人柄に関しては、被害を受けたとする男性の中からも「感謝の気持ちを今でも持っている」という声が上がるなど、デヴィ夫人や山下が言うように賞賛すべき部分はあったのかもしれない。しかし当然ながら、事務所の社長という強い立場を使って未成年の所属タレントに対して性的な行為に及んでいたのであれば、いかに人柄や能力が優れていたとしても許されることではない。

 結果、山下・デヴィ夫人の両名とも炎上に至ったが、山下の場合は「ジャニーズ事務所の内部事情など預かり知らぬこと」とし、性加害問題と切り離したうえでジャニー氏の人柄を褒めつつ「恩がある」と発言していた。だが、デヴィ夫人は「日本中が知っていること」としてジャニー氏の行為があったことを前提にしながら、被害を訴える人らの告発を「恩をあだで返している」「恥ずかしい」などと否定したため、より批判が強まっている部分があるようだ。

 人権理の調査によって、ジャニー氏が歴史に残る性犯罪者として世界に記憶される可能性もある。また人権理からの調査や勧告の内容次第では、日本政府なども本格的に動く可能性があるが、そのような状況下でもデヴィ夫人は「ジャニー氏擁護」のスタンスを続けていくのだろうか。

SNSや動画サイト、芸能、時事問題、事件など幅広いジャンルを手がけるフリーライター。雑誌へのレギュラー執筆から始まり、活動歴は15年以上にわたる。

さとうゆうま

最終更新:2023/07/19 21:00
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