広瀬すず初のビールCM起用の理由と不安の種

 　サントリー「ザ・プレミアム・モルツ」の新CMに、7月から女優の広瀬すずさんが登場している。広瀬にとって酒類のCMに出演するのは初めてという。

　これまで同商品は発売以来、竹内結子、柴咲コウと有名女優が起用され、2022年からは川口春奈がキャスティングされていたが、話題性に欠けため、即降板。その後釜として広瀬すずの出演へとつながった。今回の起用にあたっては公開前からティザーキャンペーン「＃すずのビールは何ビール？」とブランド名を伏せた広告を展開。ツイッターで予想を募集するなど、SNSで話題となっていた。

　広告業界では「一タレントがビールCMに出演するだけでここまで話題になるのは珍しい」という声が聞かれるが、広瀬に白羽の矢が立った理由は。

 「アルコール業界では、“24歳以下のタレントは起用しない”という暗黙のルールが存在します。そんな中で、広瀬は今年6月に25歳になったばかり。代理店は以前から継続的なアプローチを行っており、今回規定の年齢を迎えたことで晴れて出演となったようです。十代から消費財や車、食品、化粧品とありとあらゆるCMに出演してきた広瀬にとって、最後に残された商材が“アルコール飲料”。またとない機会を活かすために担当代理店の博報堂はSNSキャンペーンや品川駅での大判ポスターの大展開など、これまでにない予算規模で取り仕切ったと言われています」（広告代理店関係者）

　思えば、他の酒類CMに出演中の芳根京子も黒島結菜も同じく26歳。以前、金麦のCMに出演していた北川景子も25歳になったタイミングで起用されたということからも、この広告業界の不文律は本当のようだ。

　そんな広瀬の起用だが、その裏には悩ましい事情もいくつか聞かれる。1つ目は、熱愛が長らく噂される山崎賢人も「ザ・プレミアム・モルツ」と同じサントリー社のCMに出演中ということだ。

 「堤真一や小栗旬など超一流の俳優の証ともいえるビールCMへの起用。山崎にとっても念願かなった初のCMですし、天秤にかけた結果、広瀬の出演はなんの問題もないと判断したのでしょう」（前出・広告代理店関係者）

　その他にも不安の種が。広瀬と同じく“初のアルコール飲料へのCM出演”ということで、アサヒビールに鳴り物入りで起用された新垣結衣がわずか1年半を持たずして降板したことは記憶に新しい。

 「契約更新は4月か10とされる広告業界において、新垣の降板は1月下旬という妙なタイミング。妊娠や妊活のためという理由は噂の域を出ませんが、スキャンダルが表に出たわけではない新垣の場合は、本人や事務所からの申し出が理由と考えてまず間違いないでしょう。未だにアサヒ飲料の別商品には出演中のため、クライアントの関係や保っていますが、業界的には少し評判を落としたといえる。広瀬には同じ轍は踏ませないよう関係各所への調整は抜かりなかったでしょうね」（CMディレクター）

　以前のインタビューで「20代で絶対結婚してやる」と語っていた広瀬。関係者の心配が現実のものとならなければいいのだが。

加藤マサキヨ（CMディレクター）

1988年生まれ。広告、IT業界に精通。週末はアイドル鑑賞で目を労り、サウナで汗を流す。

かとうまさきよ