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シュールすぎ!! 防護服に身を包んで出廷した暴力団幹部に死刑判決!

防護服を着て法廷に現れた暴力団組織の幹部たち

 横浜地裁は16日、相模原市の知的障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者19人を殺害し、殺人などの罪に問われた植松聖被告に死刑判決を言い渡した。

 その5日前、お隣中国でもひとりの凶悪犯に死刑判決が下されたのだが、その裁判は異様そのものだった。

 今月11日、海南省の裁判所で、同省最大といわれる暴力団組織の幹部らに対する刑事裁判が結審した。北京日報(3月11日付)によると、この暴力団組織は196人の構成員を擁し、これまでに違法賭博や脅迫、傷害、殺人など58件もの多岐にわたる犯罪に手を染め、20億元(約300億円)以上を不正に蓄財していたという。

 この組織は、今年1月に全員逮捕されたのだが、その際には警察官1,200名、警察車両300台が投入されるという、類を見ない大捕物となった。

 そして迎えた、組織の幹部らに対する二審判決の日。法廷に登場した組織のトップ黄鴻発(ホアン・ホンファ)をはじめ45人の被告の姿に、場内からはどよめきが湧いた。

 新型コロナウイルスの影響から、彼らはマスクとゴーグルに全身防護服を着用して入廷したのだ。彼らに帯同する警察官たちもマスクとゴーグルを着用していたが、防護服までは着用していない。

 彼ら全員が着席すると、裁判官によって判決の言い渡しが行われた。内容は、一審判決を支持し、組織のメンバーは長期刑、そしてトップの黄は死刑というものだった。

死刑判決が下されたときの黄鴻発の様子

 防護服姿の凶悪犯が死刑判決を受けるという今回の裁判は、中国国内でも大きな話題となっており、ネット上では「死刑囚に防護服は必要ないだろ! どうせ死ぬんだから」「なんで警察より犯罪者のほうがちゃんとした防護体制なんだ」「社会のクズどもに防護服着せるなんてもったいない!」などの辛辣なツッコミが寄せられている。

 しかし、中国事情に詳しいフリーライターの吉井透氏は、こう解説する。

「新型コロナウイルスのアウトブレイク以降、メンツをかけて感染者数を抑えたい中国当局が最も神経をとがらせていたのが、軍と、刑務所や拘置所内での感染拡大です。いずれも過密状態での集団生活なので、一気にクラスター化する恐れがある。実際、中国国内の刑務所での集団感染も報告されている。凶悪犯といえど、彼らへの感染を防ぐ必要があったのです」

 もしかすると死刑判決を受けた黄は、防護服を着たまま死刑執行されることになるのかもしれない……。

廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)

明治大学卒業後、中国の重慶大学へ留学。メディア論を学び、帰国後は中国の社会問題についてウェブメディアを中心に執筆している。

ひろせだいすけ

最終更新:2020/03/18 18:07
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