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『レコード大賞』ついに“ギョーカイ政治色”を払拭? ストリーミングヒット反映へとシフトか

『レコード大賞』ついに“ギョーカイ政治色”を払拭? ストリーミングヒット反映へとシフトかの画像
『輝く!日本レコード大賞』公式Instagramより

 今年も「日本レコード大賞」の授賞式が12月30日、TBS系の中継番組『輝く!日本レコード大賞』で午後5時半から4時間半にわたって生放送される。

 「第64回日本レコード大賞」の優秀作品賞は、昨年大賞に輝いた5人組ダンス&ボーカルグループ・Da-iCEの「スターマイン」、年内をもって活動を休止することを発表している氷川きよしの「甲州路」など10曲。ここから大賞が決定する。

「かつてのレコ大はCD、レコードのみを対象とし、審査員も40代以上が多かったため、各レコード会社や事務所の推しが業界政治力によって入るデキレース体質が如実だったが、今は配信も対象となり、サブスクなどでの人気も考慮されるように。ストリーミング音楽配信サービスで人気を博した瑛人の『香水』が優秀作品賞(大賞ノミネート曲)となった2020年から特に意識され始めており、今年は純烈と氷川きよし以外の8曲はいずれもストリーミングでのヒットと、ガラリと様変わりした。“政治”もいまだ働いているが、だいぶ健全化が進んだのでは。配信ヒットに縁のない向きは相変わらず『知らない人ばかり』などとくさしているようだが、ここ1~2年はようやく歌番組もこうした配信ヒットのアーティストを拾うようになり、違和感は減ったはず」(レコード会社関係者)

 こうした変化は、大賞候補の見立てにも現れているという。

「今年の大賞候補は当初、“2強”に絞られると見られていた。大本命は年内での活動を休止する氷川。2006年に『一剣』で初戴冠しているが、デビュー20周年を迎えたおととしは本命視されながらも獲得できず。そこで、今年は氷川にレコ大を戴冠させ、翌日の『紅白』でラストステージを飾って有終の美を飾ると思われていた。一方、対抗と目されていたのが、メンバーの小田井涼平が年内で脱退し、来年から新メンバーが加入する純烈だった」(芸能記者)

 ところが、これまでとは『レコード大賞』審査が変わってきている節があるという。

「昨年はDa-iCEの『Citrus』が大賞となり、一部でエイベックスのゴリ押しだとささやかれたが、実際には日本人男性ダンス&ボーカルグループで史上初めてストリーミングサービスにおける再生回数が累計1億回を突破した楽曲。これまでDa-iCEは、ジャニーズへの忖度が強く働いたのか、深夜帯以外の歌番組になかなか出る機会がなかったために一部で『聞いたことがない』という声も出たが、『Citrus』はれっきとしたストリーミングでのヒットだった。そしてレコ大受賞後は流れも変わり、歌番組での露出も如実に増えた。

 審査会はこの結果に手ごたえを感じたと見られ、今年の優秀賞の大半をストリーミングヒットが占めたのはその現れとも。となると、CDでも配信でもヒットしていない氷川や純烈が大賞というセンはない。ヒットの規模でいうと、この中だとAdoの『新世界』が一番大きいと見られるが、レコ大的な“バランス”を考えると、本命と思われるのはセカオワの『Habit』。『紅白』に今年6度目の出場を果たすなど知名度もあり、CD世代のバンドでありつつ、この『Habit』はTikTokをきっかけにストリーミングで大ヒットを記録した。Adoは授賞式でのパフォーマンスができないしね」(同)

 審査基準が「作曲、作詩、編曲を通じて芸術性、独創性、企画性が顕著な作品とする。優れた歌唱によって活かされた作品で大衆の強い支持を得た上、その年度を強く反映、代表したと認められた作品に贈る」とだけしか説明されず、その不透明性ゆえに“デキレース”と指摘されてきた「日本レコード大賞」。“体質”が変化しつつあることを証明する結果となるだろうか。

与良天悟(芸能ライター)

1984年、千葉県出身のウェブメディア編集者。某カルチャー系メディアで音楽や演劇を中心にインタビューなどを担当するほか、フリーで地元千葉県の企業の記事なども請け負っている。

よらてんご

最終更新:2022/12/21 06:00
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