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現役編集者が怒りの提言「権利ビジネスに頼るな!!」(後編)



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メディアミックスが生む驚異の経済効果とは?
<サイゾー>10月号より

今や、一大巨大産業と化したマンガ業界。では、雑誌作り、コミック出版、そしてメディアミックス等のビジネス展開について、現場のマンガ編集者たちは、日々何を考え、そしてどのような・戦略・をもって業務をこなしているのだろう?

[座談会出席者]
A 大手出版社勤務(マンガ編集歴6年)
B 中堅出版社勤務(マンガ編集歴20年)
C 大手出版社勤務(マンガ編集歴5年)

前編はこちら

内容改変で作家が激怒!? ドラマ化の難しさ

C 一般的には、アニメ化やドラマ化などのメディアミックスをすると、出版社と作家双方が潤う、と認識されてるみたいですけど、それ、ちょっと誤解がありますよね。

A うん。アニメ化でも映画化でも、版元に原案使用料や放映権料などが数十万円程度入るだけで、作家となるとタダ同然。契約によっては、グッズやDVDの売り上げの何パーセントかは入るだろうけどね。

B 昔は結構いいかげんで、テレビ局と編集者で、「この作品貸してよ」「おう、いくらで?」「50万でどう?」みたいな世界だったよ。

A テレビ局側には、安く収めたいから原作にマンガを使ってるという面があるし、その一方で、自前でコンテンツを作れないクセに、「ドラマにしてやってもいいよ」という見下した意識もいまだにある。

B さすがに、相手が「週刊少年ジャンプ」の作品ともなると、テレビ局も結構腰低いけどね(笑)。あと、パチンコ化はでかいよ。版元に何千万単位で入る。

C 結局、作家にとって金銭的に大きいのは、メディアミックスした結果、コミックの売り上げが跳ね上がるという点に尽きますよね。印税は、実売部数じゃなく発行部数で計算されますし。『のだめカンタービレ』(講談社)なんて、ドラマのヒットと同時に、各巻を一気に数十万部の大増刷。初版2万部程度の作品が、いきなりドル箱作品に大化けですよ。

A 毎週テレビででかい広告を打ってくれているようなもんだからね。コミックに「アニメ化」って帯が付くと、書店でも平積みにしてもらえるし、普段の読者と違う層にアピールできる。でもまあ、『デスノート』(集英社)とか、もともと売れてる作品も多いし、実はそれほど顕著に販売数が伸びるわけでもないんだけどね。

C だから、原案使用料などで揉めることはほとんどないですけど、『働きマン』(講談社)や『おたんこナース』(小学館)みたいに、内容や段取りが問題になって、ドラマ化がご破算になるケースは後を絶ちませんね。

B 先に伊東美咲や観月ありさというキャスティングが決まっちゃってて、作家がキレたんだよね。『働きマン』なんか、アニメはフジ、ドラマは日テレという変な状況になっちゃった。

A まっとうな作家であれば、自分の作品を大事にしたいと思うのは当然だけど、脚本書くほどの暇はないし、どうしてもイメージと違うものになっちゃうんだよ。それに対して怒る作家もいるけど、「しょうがないや」ってあきらめる人も多いよね。

C でも、『鋼の錬金術師』(スクウェア・エニックス)のように、明らかに原作とは変えて作ったアニメが売れるケースもありますよね。

A うん。結局はクオリティさえ高ければ問題ないわけで、そこが難しいところだよね。われわれ担当編集者は、出版社の社員とはいっても、作家側の人間として、彼らとその作品を守らなきゃいけない。まあ、今はどの出版社にも権利ビジネス関係の専門セクションがあるから、ビジネス全体のことは一編集者には見えづらいし、作家の金銭管理まではなかなかできないけどさ。

C 確かに、ビジネスの部分はすでに決定されてて、どうしようもないことが多いですけど、テレビ局や制作会社、あるいはライツ事業部と作家の間に立って、シナリオやキャラ設定など内容の調整をすることは、ある程度できる。メディアミックスで劣化版を作られると、原作にもダメージが返ってくるから、そこだけは担当編集者の矜持として、絶対に譲れないところですよね。

(構成/柳一人)

【前編はこちら】 現役編集者が怒りの提言「権利ビジネスに頼るな!!」(前編)

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2007.10.07 日  



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