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まるで宗教!?  インストバンド→ Pia-no-jaC ←が生み出す恐るべき一体感の理由

pijk01.jpg(撮影/市村岬)

 ステージ上にはピアノと、なんだかよく分からない箱型の打楽器(カホンというらしい)。渋谷の駅前かなんかで演奏していそうなバンドが、そのままステージ上で豪快にロックするのが、HAYATO(ピアノ)とHIRO(カホン)の2人からなるインストゥルメンタルバンド・→ Pia-no-jaC ←(ピアノジャック、以下PJ)だ。

 2008年のデビュー以来、7枚のアルバムを発表し、嵐・二宮和也からのラブコールでアルバム『僕の見ている風景』のニノのソロ曲にも参加。またライブハウスからインストアイベント・夏フェス出演など、年間200本以上のライブをこなし、全国各地でじわじわと人気を得ている。

 そんな彼らが、全国22カ所24公演を回り、延べ1万4,000人を動員した「Travellin’ Band Tour 2011」のファイナルを、6月18日、東京・渋谷C.C.Lemonホールで開催した。

 リズミカルで力強いカホンのリズムと、疾走感あふれるピアノを駆使したオリジナル曲に加え、ヴェートーベン「第9」やドヴォルザーク「新世界より」などのクラッシクの名曲を、ジャズに、ファンクに、時にはデスメタル調(!?)にアレンジした楽曲も人気の彼ら。この日も、メンデルスゾーンの「結婚行進曲」やヨハン・シュトラウス2世の「美しく青きドナウ」などを次々と演奏し観客を引き込んでいく。さらにリムスキー・コルサコフの「熊蜂の飛行」では、会場の照明を消して真っ暗な中、蛍光塗料を塗った2人の手の部分だけが光るという演出も。加えて演奏の合間には、この演出を生かしたパントマイムも披露。HAYATOは電子ピアノを立てて弾くという荒業まで繰り出した。

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 「ライブというよりショーに近いと思います」(HAYATO)と自ら語る通り、毎回多彩なパフォーマンスで観客を巻き込むPJのライブ。こうした演奏以外の演出をふんだんに取り入れたライブはどうやって生まれたのだろう?

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「まだ路上でやっていた時に、ピアノとカホンでやってるだけでは全然人々が立ち止まってくれなかったんです。歌がない分、どっかで惹きつけないとと思って、そういういろんな巻き込み方を勉強しました」(HAYATO)

hayato.jpgHAYATO

「駅前で演奏してると、酔っ払いが乱入してくるわ、外人が横でいきなりセッションし始めるわで、何が起きるかわからない。音楽はできて当たり前なんで、おもろいことを思いついたら、どんどんやっていこうっていうのがありますね」(HIRO)

hiro_pj.jpgHIRO

 その他にもツアーファイナル当日は、風船パントマイムやタオル回しなど数々の”ネタ”を繰り広げ、そのたびに観客は拍手喝采、ライブ終盤には会場がものすごい熱気と一体感に包まれていた。

 今回のライブを終え、直後のインタビューで「震災で暗くなってる人たちに笑顔を届けたかった」と語るPJの2人に対し、「では、自分たちのライブが人に元気を与えられてると思うのか?」と、少しいじわるな質問をぶつけた。するとHIROは「そうですね。被災地に行きたくてもいけないアーティストがいる中で、俺たちはZEPP仙台でもやりましたし、そうした自覚はもちろんあります。今回は、とにかくお客さんを楽しませるというところを突き詰めました」と、即答。2人の目指す道に揺るぎはない。

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 9月7日にはベスト盤を発売し、それを引っさげ全都道府県を巡るコンサートツアーも開催が決定。他にも「SETSTOCK’11」や「RISING SUN ROCK FESTIVAL 2011 in EZO」などの夏フェス、さらにはインストアライブなど、これからもドサ回りさながらの全国行脚を繰り広げていくだろうピアノジャック。ますます自信をつけて突き進む彼らが放つエンタテイメントを、必ずどこかで体感してほしい。

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●→Pia-no-jaC←(ピアノジャック)
ピアノのHAYATO、カホンのHIROにより2005年4月に結成されたインストゥルメンタルユニット。08年の1stアルバム『First Contact』から7枚のアルバムを立て続けに発表。その後、数々のアーティストとのコラボや、企画盤への参加、国内外のフェス出演を含む、年間200本以上のライブ行うなど、精力的に活動している。11年1月からは、CMクリエイター箭内道彦が手掛けるシューズブランド「ピーエフフライヤーズ」のCMソングに楽曲提供。9月からは、初の全47都道府県ツアー”→Pia-no-jaC←「EAT A JAPAN TOUR 2011」”も開催予定。なおユニット名は、左からピアノ、右からカホンと読むことができる。公式サイト<http://pia-no-jac.net/>

First Best
2008年9月『First Contact』のリリースから、3年間で7枚のアルバムと6枚のDVD、数々のコラボレーション楽曲を制作。ライブ本数年間200本以上を誇る→Pia-no-jaC←が満を持してベストアルバムをリリース! オリジナルアルバム、クラシックカバー「EAT A CLASSIC」シリーズは勿論のこと、ディズニー、ゲーム音楽(スクエア)、DJ DAISHI DANCEなどとの超絶コラボレーション楽曲も収録された豪華2枚組。
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最終更新:2013/09/12 17:39
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