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元木昌彦の「週刊誌スクープ大賞」第151回

‟謎の美女”YURI見納めで名物編集長も涙! 今週のポスト・グラビアページは永久保存版

motoki0820.jpg「週刊ポスト」8月31日号

グランプリ
「ピース綾部34歳『若貴の母 藤田紀子』64歳と!『おかみさん、いま逢いに行きます』」(「週刊ポスト」8月31日号)

第2位
「橋下維新・総選挙候補888人出馬選挙区を公示する」(「週刊ポスト」8月31日号)

第3位
「『謎の美女YURI』に関する編集部からの重大なお知らせ」(「週刊ポスト」8月31日号)

次点
「河野太郎が出馬宣言 総理になって原発ゼロの日本を作る」(「週刊現代」9月1日号)

 月刊誌だが「サイゾー」9月号がすこぶる面白い。テーマは「タブーな本」。これまでも何度かやっているが、今回は秀逸だ。「暴力団も関与した!? 芸能人暴露本の“顛末”」では『芸能界本日モ反省ノ色ナシ』(はまの出版)を取り上げているが、これを書いたダン池田はフジテレビの『夜のヒットスタジオ』や『NHK紅白歌合戦』の演奏を担当していた人気指揮者だったが、これを書いたために芸能界から完全に干されてしまった。私も当時の騒動を覚えているが、それだけ内容が衝撃的だった。これだけの暴露本はその後見たことがない。

 警視庁公安部から流失した情報を無修正で掲載した『流失「公安テロ情報」全データ』を出した第三書館、新聞の押し紙問題に斬り込んだ『新聞があぶないー新聞販売黒書』を出した花伝社、福島県浪江町の町民が原発立地に反対した軌跡をたどった『原発に子孫の命は売れないー原発ができなかったフクシマ浪江町』を出した七つ森書館など、タブーな本を出し続ける小出版社を紹介している姿勢もいい。

 一番引かれたのが、文芸編集者のタブー座談会。編集者がタブーとしている話なのに、作家自らが作品にその事件を連想させる話を書いてしまっている小説として、桐野夏生の『アンボス・ムンドス』(文藝春秋)の中の「怪物たちの夜会」を挙げている。私はこの小説は読んでいないが、女性誌のライターが不倫相手の男の自宅に乗り込んで暴れる話だそうだ。事実、桐生はだいぶ前になるが、講談社の文芸編集者と不倫関係にあり、その間、編集者の自宅に乗り込んで大きなトラブルになったことがある。

 相手の編集者はその後亡くなってしまったが、われわれ講談社OBにとっても忘れられない“事件”であった。桐生はしばらく前に『IN』(集英社)という小説で、不倫の全容を自ら詳細に書いている。そういう意味で桐生は、すごい作家である。

 夫からのDVで離婚した島本理生がDVをテーマにした『大きな熊が来る前に、おやすみ』(新潮社)を書いたり、連載中に自分の妻が死んだ石田衣良が、妻の事故死を自殺ではないかと疑う小説家を主人公にした『チッチと子』(毎日新聞社)を書いたりするのも、作家の「業」とでもいうべきものなのだろう。

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