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「アニメがあったから、道を踏み外さなかった」“世界最強のオタク”を目指す格闘家・岡倫之の壮絶な半生

■明日への活力だったアニメ

_MG_9257.jpg憧れの選手は、長島☆自演乙☆雄一郎選手。

──アニメは、いつ頃から見るようになったのでしょうか?

 小学生の時から子どもなりにアニメは好きだったんですけど、本格的に目覚めたのは中1の時に見た『スクールランブル』です。かわいい女の子がたくさん出てきて、そして主役を張るっていうアニメは当時あまり見たことがなくて、一気にのめり込んでしまいました。中学生ということでお金はあまりなかったんですけど、DVDも全巻そろえました。あとは兄にも協力してもらって、コミックスの限定版とかも集めました。そして中3の時に『涼宮ハルヒの憂鬱』が始まって、これもすごくハマりましたね。

──中学時代に洗礼を受けちゃったわけですね。その後、高校ではどんなオタクライフを送られたのでしょうか?

 高校時代はレスリング漬けの生活でしたし、僕も全国優勝を狙っていたので全然アニメを見られませんでした。一日中練習をして、帰宅したらちょっとアニメを見る、という感じでした。ただ、その頃『らき☆すた』は見ていて、舞台は埼玉だったんですよね。僕の通っていた高校も埼玉だったので、毎年、鷲宮神社には初詣に行っていました。

 ただ実は、アニメオタクということと、気弱な性格ということで、高校までずっといじめを受けていまして……。当時、すでにレスリングでも成績を多少残していたのですが、「こいつは図体ばかりだ」「いつでも倒せる」ということで、……不良の人から10数人がかりでリンチを受けたりというのもあれば、物を隠されたり捨てられたり、陰険ないじめも受けました。

──そうだったんですね。いじめに遭っても、アニメ好きを貫いてこられたのはなぜでしょうか?

 逆につらいからこそ、その世界に逃げていたってことでしょうね。レスリングもつらくて、学校生活もつらくて、でも道を踏み外さないで今まで生きてこられたのは、アニメがあったからこそだと思います。アニメを見ている時だけは嫌なことを全部忘れられて、ただ楽しかったんです。こういう主人公になりたいとか、こういう青春を送りたいとか思いながら高校3年間を乗り切りました。

──アニメが明日への活力だった。

 僕にとってはそうでした。だから、どちらかというとスポーツではなく、アニメで精神力を鍛えられたのかな。全国大会で優勝するという目標もありましたし、明日も嫌なことがあるかもしれないけど、いつかアニメの中のような青春が訪れるんだろうと思いながら頑張りました。その結果、ブシロードという会社に入ることになったわけですが、これも運命だと勝手に思っています。それに、アニメ好きを貫いたといっても、高校生までは隠れオタクだったんです。でも、どこからか漏れていじめの対象になったりしたので、逆に大学からは堂々とするようになりました。

 というのも、全国大会などを通して世の中にはいろいろな人がいるということを知り、人に合わせて生きても仕方がない。もし自分を出して嫌われたとしても、もうその人とは縁がなかったとあきらめるようになりました。それよりも、本当の自分をいいと思ってくれる人が本当の友達だと思うようになりまして、大学からはアニメオタクの部分をどんどん出していくようにしました。最初の頃は否定的な人も多かったんですが、それでも貫き通していったら、だんだんと認めてもらえるようになりました。

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