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映画『zk/頭脳警察50 未来への鼓動』公開記念インタビュー

PANTAの先祖は甲賀忍者、父親はCIAだった!? ロック史に残る「頭脳警察」伝説が明るみに

撮影=石田寛(以下、同)

「3億円事件」の指名手配写真をジャケット画にしたデビューアルバムは発売中止、セカンドアルバムは過激な歌詞から放送禁止扱いに。1969年に結成されたロックバンド「頭脳警察」は、日本の音楽史に様々な伝説を刻んできた。結成50年を記念したドキュメンタリー映画『zk/頭脳警察50 未来への鼓動』の劇場公開を控え、ボーカルのPANTAが数々の伝説の真相を語ってくれた。また、PANTAの先祖は忍者であり、父親は米国の諜報機関・CIAと関係があったという気になる逸話も打ち明けれてくた。

◇ ◇ ◇

ーー『zk/頭脳警察50 未来への鼓動』は、「頭脳警察」結成時の学園紛争から現代に至るまでの社会の変動と「頭脳警察」の歩みを重ね合わせて描いたドキュメンタリー作品。中でもロシアに併合されて間もないクリミアで、PANTAさんが「七月のムスターファ」をギター一本で弾き語るシーンはすごくかっこいい。

PANTA 2018年に開かれた「ヤルタ国際音楽祭」に呼ばれて参加したんだけど、クリミア旅行は面白いエピソードばかりなので、末永賢監督に頼んで「七月のムスターファ」を歌うシーンだけにしてもらったんだ。もう一本、別のドキュメンタリーにしてもらおうと思ってね。会場ではザ・ピーナッツの「恋のバカンス」をロシア風にして歌ったら、すごく受けたんだよ。「恋のバカンス」はロシア語カバーされていて、ロシア人はロシアの歌だと思ってる(笑)。そんなふうに盛り上げてから、「七月のムスターファ」を歌った。

ーーイラク戦争で当時14歳だったサダム・フセインの孫息子ムスターファが、米軍を相手に1時間にわたって銃撃戦を繰り広げた末に射殺された事実を、PANTAさんが曲にしたもの。

PANTA 戦争の傷痕がまだ残るクリミアで、どう受け止められるか心配だったけど、通訳のニコライがきちんと曲の内容も観客に説明してくれて、とてもいいライブになった。『新世紀エヴァンゲリオン』(テレビ東京系)の主人公のシンジも14歳。日本のアニメの主人公は14歳が多いんだよね。でも、リアルな日本の14歳の少年が戦場で機関銃を持って、米軍に向かって1時間も戦えるのか。善とか悪とかの問題じゃないんだよ。日本で「反戦!」とか叫んでいる奴は、戦場で一度叫んでみろよと思うよね。

ーーPANTAさんが歌う曲は、どれも一筋縄では済まない内容。体制的なものとは相容れない、ロックらしさを感じさせます。

PANTA 寺山修司さんが反戦ミュージカル『ヘアー』の日本語版として書いて、後に改題した『時代はサーカスの象にのって』という戯曲があるんだけど、寺山さんは「永遠の平和の中で時々戦争が起きているんじゃない。戦争と戦争のちょっとした隙間に我々はいるだけなんだ」ということを書いたわけ。「月蝕歌劇団」がミュージカル化した時に、俺が曲を付けたんだけど、もったいなくなって「頭脳警察」でもシングル曲としてリリースしたんだよ。AKB48に対抗するつもりでさ(笑)。

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