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「出陣」芸人連続インタビュー vol.2

紅しょうがは「結果でぶん殴りたい」 上京決断の裏にあった圧倒的信頼

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写真/Kyogo Hidaka、以下同

 この4月、よしもと漫才劇場から6組の芸人が上京してきた。ロングコートダディ、ニッポンの社長、マユリカ、マルセイユ、シカゴ実業、そして紅しょうが。紅しょうがはこの中で唯一の女性コンビだ。

 貫禄ある熊元プロレスと、蠱惑的な稲田美紀による紅しょうがは、漫才とコントどちらでも笑いをかっさらうオールラウンダー。『女芸人No.1決定戦 THE W』では過去4回ファイナリストになり、2020年には準優勝。実力はすでに証明済みだ。

 ふたりはなぜ、このタイミングで上京したのだろうか。その理由を尋ねると、コンビ間の信頼関係が見えてきた。

「東京のアレ、すっごい待つ」

──8年半にわたってコンビで活動してきた大阪を離れ、4月に東京へ来ました。2カ月たって変化はありますか?

熊元 早起きになりましたね。予定のギリギリまで寝るタイプやったんですけど、早めに起きて、自転車移動してます。知らん道を走りながら「ここにフォルクスあるんや。今度ステーキ食べに来よ~」みたいなことが楽しいですね。でもそういえば面倒くさいことがあって。横断歩道でボタン押したら青になりますよってやつ、あるじゃないですか。

稲田 歩行者信号用のボタンのこと?

熊元 それです。東京のアレ、すっごい待ちません? 押してるんだけど、無視されてるというか。別に押さんでもこれくらい時間たてば普通に切り替わるよな? って。

稲田 フォルクスまでは楽しい話やったのに、なんでそんな急にグチるん?(笑)

熊元 ちょうど今日の出来事やったから、つい言ってしまった……。今は仕事もそんなに忙しくないので、いろんなとこ探検して、楽しく過ごさせてもらってます。秋になったら「この道は銀杏で、あっちは金木犀やな」とか気づいていくのも楽しみです。まぁ秋もこの仕事量だったら、焦るかもしれませんけど。

──稲田さんは大阪時代、多くの中年男性とよく食事を共にするなど良好な関係を築いているという話が劇場やテレビでもたびたび話題になっていました。大阪を離れるにあたって、彼らは寂しがっていませんでしたか。

稲田 まぁ内心は寂しがってくれてるでしょうけど、みんな応援してくれてますよ。大阪出る前にスケジュールが合った人にはちゃんと挨拶しました。

熊元 3月の最後に単独ライブを入れてしまってプライベートの時間もあんまりなかったのに。律儀やな。

稲田 だから挨拶回りは2月末から少しずつやってたよ。おじさんをみんな集めて一緒に飲むわけにもいかないから(笑)。

熊元 おじさんはそれぞれに特別扱いしてあげないといけない。

稲田 あと、おっさんは若手芸人じゃないから22時に呼んでも来てくれないのよ。私たちは夜にライブがあるから、なかなか予定が合わない。でも、あるおじさんの娘さんが大阪での最後の単独を見に来てくれたのは嬉しかったな。

──東京でもおじさんを見つけたいですか?

稲田 どうなんですかね。東京ってどこにスナックあるんですか?

──いろいろな街にありますが、いいおじさんがいるスナックはちょっとわからないですね。

稲田 そうですか。私もまだ土地勘つかめてないんでいろいろ探してみます。

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