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巨匠リドリー・スコット監督が最新VFXを駆使して描く歴史スペクタクル『エクソダス:神と王』

001_t1_0480_v0260_left_R2.jpg『エクソダス:神と王』(C)2014 Twentieth Century Fox Film Corporation. All Rights Reserved.

 今週取り上げる最新映画は、映像派の巨匠が最新VFXを駆使して描く歴史スペクタクルと、音楽に徹底してこだわった人気コミックの実写化。次々に繰り出されるリアルで迫力満点の映像か、笑いと涙の後に訪れる感動の音楽か。どちらが好みでも、できれば映画館の大スクリーンと音響で存分に楽しんでいただきたい。


 『エクソダス:神と王』(1月30日公開、2D/3D上映)は、巨匠リドリー・スコット監督がクリスチャン・ベールを主演に迎え、旧約聖書「出エジプト記」に登場する預言者モーゼの物語を描く歴史大作。紀元前1300年、エジプト王家に養子として育てられたモーゼ(ベール)は、優秀な武将になり民衆の支持を集める。だが、当時隷属状態にあったヘブライ人(ユダヤ人)の子であるという秘密が明らかになり、兄弟同然に育った王ラムセス(ジョエル・エドガートン)から追放される。神の声を聞いたモーゼは、40万人のヘブライ人を率いてエジプトを脱出し、約束の地カナンへの長く困難な旅に向かう。

 『エイリアン』(1979年)や『ブレードランナー』(82年)といった先鋭的なSF映画の印象が強いスコット監督だが、アカデミー賞作品賞を獲得した『グラディエーター』(2000年)など、歴史大作もお手のもの。最先端の視覚効果を駆使し、壮麗な王宮、平原での合戦、天変地異が相次ぐ「十の災い」、紅海が割れる奇跡などを驚異のリアリティーで3D空間に描き出した。クリスチャン・ベールはキレのあるアクションと繊細な演技で、勇敢なリーダーでありながら神と民の間で苦悩する「人間モーゼ」を活写している。

 『マエストロ!』(1月31日公開)は、さそうあきらの文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞作『マエストロ』を原作に、松坂桃李主演で実写映画化した音楽コメディードラマ。不況で解散した名門オーケストラの元団員、バイオリニストの香坂(松坂)に再結成の話が舞い込む。だが練習場は廃工場で、集まったのは再就職先もない「負け組」楽団員たち。再結成を企画した怪しげな指揮者・天道(西田敏行)は、指揮棒の代わりに大工道具を振り回し、団員たちを困惑させる。1カ月後の復活コンサートまでに、香坂らは難曲の「運命」と「未完成」を仕上げることができるのか――。

 監督は『毎日かあさん』(11年)の小林聖太郎。世界的指揮者の佐渡裕が指揮指導に加え、終盤で流れる2曲の録音ではベルリン・ドイツ交響楽団を自ら指揮。さらにピアニストの辻井伸行が、本作のエンディング用に書き下ろしたオリジナル曲を演奏して提供するなど、クラシックファンも驚きの本格志向がうれしい。松坂と西田をはじめ、本作が女優デビューとなるシンガーソングライターのmiwaら、楽団員を演じる個性豊かな俳優陣も、長期間の楽器レッスンに臨んで演奏場面の説得力を高めた。練習場での迷走ぶりに笑い、香坂と父と天道の過去に泣き、多難を乗り越えたオーケストラが奏でる極上の音楽に感動する、魅力いっぱいの娯楽作だ。
(文=映画.com編集スタッフ・高森郁哉)

『エクソダス:神と王』作品情報
<http://eiga.com/movie/80710/>

『マエストロ!』作品情報
<http://eiga.com/movie/79899/>

最終更新:2015/01/30 23:00
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