日刊サイゾー トップ > カルチャー  > 4月からネット古書「1円本」が消滅!?

4月からネット古書「1円本」が消滅!? サラリーマンや主婦に人気の副業“せどり”のカラクリ

sedori001.jpg「せどり」会社員宅にあったメール便の束

 ヤマト運輸が3月31日の受付を最後に、「クロネコメール便」を廃止する。そのあおりを受けて、ネット通販大手・アマゾンの名物となっているマーケットプレイスの「1円古本」が存亡の危機に立たされているという。本を古書店やネットで仕入れて転売する「せどり」と呼ばれる業者の利益が目減りし、「値上げもやむを得ない」(業者)というのだ。予告なしの一斉値上げも予想されるだけに、ネットを使って古本を買うなら3月中がよさそうだ。

 アマゾンでネットショッピングする際によく見かける1円の古本。だが、実際には送料257円がかかるため、購入者は258円支払うことになり、リアル古書店でよくある100円均一のセール本よりは割高になってしまう。

 それでも、なんとなく安いと錯覚する人は後を絶たず、「1円古本」の需要は大きい。アマゾンにはプロの古書店のほか、サラリーマンや主婦が小遣い稼ぎに「書店」を名乗り、数多く出品している。

 本体価格1円で収入があるか? 数年来せどりを副業にしている40代会社員は「それなりの数を売れば収入になる」と、内情を明かす。

 仕組みはこうだ。1円本が売れると1円+送料257円がアマゾンから出品者に支払われる。ただ、アマゾンは手数料として160円(カテゴリー成約料60円+基本成約料100円)を差っ引くので、出品者の実質的な利益は97円となる。このほか、アマゾンへの販売手数料15%も引かれるが、1円本では“銭”の単位になるため、実質ゼロになる。

sedori02.jpg1円本の手数料内訳(アマゾンの出品管理画面より)

 さて、手取り97円の中から、出品者は送料を捻出する必要がある。そこで重宝されてきたのがヤマトのメール便だ。

 A4判の大きさで厚み2センチ以内が164円、1センチ以内は82円で発送できる。アマゾン内で小口のせどりをやる場合、2センチサイズは赤字になるので、1センチ以内の書籍“主戦場”にしているという。

「商品の仕入れ値は基本タダ。友人の断捨離を聞きつけて大量に引き取ったり、図書館の放出イベント、時にはマンションのゴミ捨て場にある雑誌、写真集、新書、文庫といった薄手の書籍を狙う。人が捨てるぐらいなので、価値は低い。ほかの業者も出品しているので、価格競争の末、だいたい1円で下げ止まる」(同)

12
ページ上部へ戻る
トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

水原解雇に間に合わなかった週刊誌スクープ

今週の注目記事・1「水原一平“賭博解雇”『疑...…
写真
イチオシ記事

さや香、今年の『M-1』への出場を示唆

 21日、『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で「賞レース2本目やっちまった芸人」の完結編が放送された。この企画は、『M-1グランプリ』(同)、『キ...…
写真