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時代錯誤な新サイト? 「新s」の中身にあの大手新聞記者も苦笑

20080201_aratanisu.jpg「新s」のトップページ。3紙の一面記事が並ぶ

 1月31日、日本経済新聞・朝日新聞・読売新聞が共同で運営するポータル・サイト「新s(あらたにす)」がオープンした。3紙が発信するニュースや社説などを「読みくらべ」できることが特徴で、トップページには3紙の一面記事がずらりと並び、一目で比較できるようになっている。また、学者や文化人・ジャーナリスト等の著名人が、交代でニュースの見方を解説してくれるコーナーもある。

 3社は、このサイトを通じて「ネットメディアにおける新聞社の影響力を高め、新聞紙の販売向上にもつなげていきたい」などとしているが、果たして思惑通りにいくのだろうか。

 このサイトの特徴である「新聞を読み比べる」ということ自体に、そもそも需要があるのかどうか疑問である。ポータルサイトのほうがはるかに多くのニュース提供元があるし、また、RSSリーダーを使えば簡単に3社のニュースサイトを比較することができる。それに、ネットでの成功が直接紙の販売につながるとも思えないのだが……。

 果たして「新s」に未来はあるのだろうか? 「ウェブファースト」を掲げ、ネット上でのニュース配信において高い評価を得ている産経新聞の現役記者に意見を聞いてみた。

「サイトを見てみて、正直『なんだこんなもんか』という印象でした。新聞というのは、各紙で内容に違いが出るとすれば『社説』くらいのもの。しかしその『社説』は『床の間の天井』と言われるくらい閲覧率は低いんです。それに今回の『ギョウザ事件』なんて、各紙で意見を変えようがないですからね。この内容がユーザーに求められているのかは疑問です」

 たしかに、「新s」のサイト最下部にある「編集局から」を見てみると、1月31日、2月1日と、2日連続で3社ともが同じ「中国製ギョウザ中毒事件」を取り上げている。記者はさらに続ける。

「そもそも、ネットと紙をつなげようとする考え方がおかしい。大事なのは紙かネットかではなく、“情報をいかにアウトプットするか”ということなんです。せっかく手に入れたネタを、紙にこだわるばかりに数時間も放置するなんて馬鹿げている。『新聞至上主義』から頭を離さない限り、先は無いでしょうね。うち(産経新聞)は参加してほしくないです(笑)」

 3社のうち読売新聞以外の2社は、Yahoo!へのニュース配信は行わないとしている。ポータルサイトへ対抗したい意識の表れだろうが、前出記者はこれも「無駄な抵抗」と一蹴する。確かに、オープン化が進むインターネットの世界において、このような考え方は時代遅れと言われても仕方がないだろう。

 新しいのか古臭いのかよくわからないサイトだが、紙の販売が低迷を続ける新聞社がネットで生き残れる道を切り拓けるかどうか、ひとつの大きな標となることは間違いないだろう。
(編集部)

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最終更新:2008/02/04 13:35
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