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大手マスコミが「記者クラブ」で“報道の自由”を蹂躙!(後編)

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脱「記者クラブ」へのさまざまな試み    

 ジャーナリストの寺澤有氏は、記者クラブの閉鎖性をめぐって、99~05年にかけて計3回、裁判を起こした。前2回は、裁判所が司法記者クラブ加盟社に対して、優先的に傍聴席を与えたりすることで、自らの取材の機会が損なわれたとして、国を相手に。3度目は、警察庁内などでの会見取材を妨害されたとして、国と関係クラブ各社を対象とした(その後、いずれも訴えは棄却されている)。

 今井・寺澤両氏の例が示すのは、組織に属さない個人が公権力を取材しようと試みると、“敵”は公権力だけでなく、記者クラブでもある、ということだ。

 寺澤氏が3度目の裁判を起こすヒントになったのが、01年、新興のインターネットメディアだった「オーマイニュース」が、韓国の記者クラブ制度を崩壊させたことだった。当時から記者クラブは、日本と韓国ぐらいにしかない取材慣行であったが、韓国では先に記者クラブの解体が実現したのだ。

 オーマイニュースが記者クラブを解体させる原動力となったのが、記者クラブの存在を盾に、新興メディアに対して、強引な取材妨害を行う守旧派メディアの対応ぶりをネット上で動画中継したことだったといわれている。それを目にした市民が、記者クラブの存在を許さなかったわけだ。

 インターネットの登場以来、情報発信の手段は、ますます安価で簡単になっている。独自にメディアを立ち上げる試みは増えていくばかりで、旧来のマスコミが報道の担い手だとは限らない時代が来ている。

 マスコミ界のご意見番的存在で、すでに80歳を超えた元共同通信編集主幹・原寿雄氏は、「僕も最近は、記者クラブ廃止論者になってきたよ」と今年、筆者に語った。

 4月に『マスコミはなぜ「マスゴミ」と呼ばれるのか』(現代人文社)を出版した日隅一雄弁護士は、「記者クラブはなくすよりも、開放する方向で考えるべきだ」との意見だが、マスコミとは違う情報発信を目指そうと、弁護士らで独自の市民メディア・NPJを立ち上げている。

 今後こうしたニュースの当事者に近い人々による情報発信は、記者クラブを中抜きしていくはずだ。当事者に近い情報発信とはどういうものか? たとえば、裁判の内容にまつわるような司法記者クラブでの会見は、原則として生中継が許されない。すでに中継できる技術は整っているのに、新聞やテレビの都合でルールが決められているのだ。だが、これを会見に出席する弁護士たち自身がネット中継を試み、誰もが見られる状態にしたらどうなるだろう? また、前出の寺澤氏の目線は、はるか先を行く。

「もう、記者クラブをなくすっていうよりも、ストレートに、新聞・テレビを、読まない・見ないようにして、大手マスコミをなくしてしまったほうがいい。一社抜け、二社抜けしていけば、記者クラブなんて意味がなくなる」

 日本新聞協会に問い合わせると、記者クラブをめぐるトラブルを集計したこともないし、トラブルが増えているとも思わない、と回答するなど問題意識は低い。しかし、クラブでの会見の動画生中継を実行する者が出てきたとき、記者クラブ解体への突破口が開かれるのではないだろうか。その技術的手段は、すでにある。記者クラブが、国民にとって、「むしろ邪魔」な存在でしかないのが、暴かれる日は近いかもしれない。
(岡崎智/「サイゾー」6月号より)

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最終更新:2008/07/02 18:38

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