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ギョーカイ【裏】座談会 [経済記者]編

「記事書くから広告を!」企業に媚びる大マスコミの悲哀(後編)

mizuhotoudori.jpg「フライデー」08年8月8日号によって報じ
られた、みずほコーポレート銀行斎藤宏頭
取の”路チュウ”醜聞。

前編はこちらから。

B しかも、大使館に行ったはいいものの、なんとビザをもらいに来ている一般人の列に並ばされた揚げ句、数時間たってやっと職員に取材をかけたら、「そんなことは知らない。そんな用件でここに来られても困る」って、まったくの不審者扱いをされたんだそう。

A 悲惨ですね~。でも、ほかにもうちょっとマシな方法を考えられなかったのかな。

C 確かに、そこまでいくと、『進め!電波少年』(日本テレビ)ばりの体当たり取材ですね。

B そうそう、体当たり取材っていえばさ、テレビ東京の女性記者が去年の7月に、みずほコーポレート銀行の斎藤宏頭取と、六本木の路上で”路チュウ”していたのを”フライデー”されたな。

A あれって取材の一環だったんですか?(笑) でも、斎藤頭取の女好きは、金融業界では知らない人がいないぐらい有名でしたからね。

B みずほ内部や金融業界関係者の間でも、斎藤頭取の女性関係に関する怪文書のたぐいは、よく出回っていたみたいだな。そういや、うちの女性記者もあの騒動で、迷惑を被ったって怒ってたな。

C Bさんの部下の女性記者も、企業トップと不倫していたとか?

B そんな訳ないだろ(笑)。うちの部下は、経営者に手を出されるほどかわいくないからさ。

C そこまで言ったら、その女性もかわいそうだなあ……。じゃあ、どうしたんですか?

B 以前から親しくしている企業トップがいて、朝自宅まで取材に行くと、会社まで車に同乗させてくれてたんだってさ。でも、斎藤さんの一件があってからは、「もう乗せられない」って、急に態度が変わったらしい。理由を聞いてみたら、「君も一応女性記者だから、車に一緒に乗っているところを撮られたら大問題になる」って言われたそうだ。

A ひどいとばっちりだ(爆笑)。

●企業からの広告出向激減でブラックジャーナリズム化!?

C でも、実際、マスコミと企業経営者との関係も難しいと思いますよ。11月にトヨタ自動車の奥田碩相談役が、マスコミの厚労省批判報道に対して「厚労省たたきは異常な話。マスコミに報復してやろうか。スポンサーを降りるとか」とか発言しましたよね。

B あったね。奥田さんは、俺が現場の記者の頃はマスコミにはわりと愛想が良かったから意外だったけど。

C これはもちろんマスコミ批判という面もあったみたいですけど、どちらかというと、トヨタ自動車の社長交代に関する報道を牽制する意味が大きかったみたいですよ。

B どういうこと?

C トヨタ自動車は、創業家の豊田章男副社長が近々次期社長に就任することが公然の事実となっていますが、マスコミの一部に、「今の時代に創業家がまたトップの座に座るなんて、少々おかしいのではないか」なんていう批判が出ていました。それが奥田さんの耳にも入って、そういった批判の声を封じなければいけないと考えたみたいなんですよ。そんな狙いから、あえてマスコミを威圧するようなことを言ったんだそうです。

B ふーん、なるほど。そういう見方もあるのか。でも、12月に朝日が「豊田章男氏が社長就任へ」って1面で書いていたけど、日経ほか各紙は、基本的にはどこも無視している状態だね。

A 朝日新聞は、「このままでは、どうせ日経に抜かれる」と考えて、相当なフライング覚悟であの記事を書いたみたいです。まあ、別にすぐ交代するわけじゃないから、各紙とも今は追っかけないで様子見ということなんでしょう。実際、社長交代は今年6月頃のようですから。

B しかし、トヨタの業績の落ち方は本当にひどいな。09年3月期の営業損益が赤字に転落すると発表したけど、1941年以来の赤字っていうからすごい。

C まさに”トヨタショック”ですよね。でも、最近のトヨタにおごりがあったのもまた確かで、「乾いた雑巾を絞る」とまでいわれた同社のコスト削減努力も、最近は弱くなってきていたみたいです。若手社員は「俺は世界のトヨタの社員だ」って、接待費なんかも使いまくっていたみたい。それを経営陣も問題視しているようで、「プレゼン資料にはカラー印刷のパワーポイントは使わずに、モノクロ印刷のワード文書にしろ」なんていう細かい指示も飛んでいるとか。

A それはすごい。

B 君も驚いている場合じゃないよ。もっと露骨なのは広告費の削減で、トヨタをはじめとして国内企業の広告出稿の減り方は異常だよ。朝日や日経でも、以前なら見られなかったようなアヤしい広告も目にする。

C 「関節が痛くならないサポーター」とかね(笑)。それと、広告単価の安い、雑誌や書籍広告なんかも。

B でも、各社とも危機感を感じているようで、経済部のデスクには「もっと広告営業がしやすくなるように、個別の企業のいいニュースを載っけろ」なんていう指示が多くなっているよ。でも、これって報道機関としては相当に問題があるよな。

A もっと露骨なのだと、「広告出稿に積極的でない企業のニュースの扱いは小さくするとか、いろいろ対応を考えろ」なんてことまで言われることもあるとか。

C そこまでいくと、なんだかもはやブラックジャーナリズムみたいですねえ(苦笑)。

B でも、今年の景気の冷え込みはもっとひどいだろうから、実際、メディアへの広告出稿もさらに落ち込むだろう。今のままじゃ経営がもたない報道機関もこれからどんどん出てくるだろうから、合併やM&Aなんていう動きも出てくるんじゃないかな。今までマスコミは、経営という視点を度外視してやってきたけど、もうそれじゃあ成り立たない時代になっている。特に、多くの社員を抱えて固定費が多くかかる新聞社は厳しい時代を迎えるのは間違いない。

A マスコミも取材するばかりじゃなくて、取材される側になってしまいますね。

C 何かあった際には、私らでしっかり書きましょうよ(笑)。
(構成=隅田哲太/「サイゾー」2月号より)

金融腐蝕列島 呪縛

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最終更新:2009/03/05 19:00

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