日刊サイゾー トップ > その他 > サイゾーpremium  > 『ちびくろサンボ』を殺したのは抗議事件か、メディア自身か
人種タブー、差別表現タブーの今を追う!

『ちびくろサンボ』を殺したのは抗議事件か、メディア自身か

chibikurosanbo.jpg05年刊行の瑞雲社版『ちびくろサンボ』

 長い間マスメディアの中に存在してきた、差別的ともとれる表現をめぐるタブー。しかし、メディア側の過剰ともいえる自主規制の結果か、近年では大きな問題に発展することも少なくなってきている。かつてマスメディアのあり方に一石を投じたあの団体は、今どうなっているのだろうか?

 * * *

 マスメディアがその活動において最も気を使うのは、差別的とされる表現や、人権侵害にあたる表現だ。これまでに、テレビから新聞、ラジオ、出版まであらゆるメディアが、差別や思想・信条などにかかわる表現にからんで、各種団体からの抗議を数多く受けてきた。出版業界でいえば、1988年に起こった『ちびくろサンボ』(岩波書店ほか)の絶版が有名だろう。黒人差別の根絶を目指すとする人権団体「黒人差別をなくす会」からの、タイトルや挿絵が黒人差別を助長するとの抗議をきっかけに、岩波書店が絶版を決定した事件だ。

 この件で抗議をした「黒人差別をなくす会」が、黒人たちによる団体でなく、大阪府在住の日本人3人家族から成る団体だったことは、当時話題になった。それまで、マスメディアに影響を及ぼすほど大々的な抗議活動を行うのは、団体数が多く活動も派手な右翼団体や、長い歴史を持つ部落解放同盟などの当事者団体が主だったためだ。

最終更新:2010/02/08 15:45
ページ上部へ戻る

配給映画

トップページへ
日刊サイゾー|エンタメ・お笑い・ドラマ・社会の最新ニュース
  • facebook
  • twitter
  • feed
特集

【4月開始の春ドラマ】放送日、視聴率・裏事情・忖度なしレビュー!

月9、日曜劇場、木曜劇場…スタート日一覧、最新情報公開中!
写真
インタビュー

『マツコの知らない世界』出演裏話

1月23日放送の『マツコの知らない世界』(T...…
写真
人気連載

山崎製パンで特大スキャンダル

今週の注目記事・1「『売上1兆円超』『山崎製パ...…
写真
イチオシ記事

バナナマン・設楽が語った「売れ方」の話

 ウエストランド・井口浩之ととろサーモン・久保田かずのぶというお笑い界きっての毒舌芸人2人によるトーク番組『耳の穴かっぽじって聞け!』(テレビ朝日...…
写真