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【元木昌彦の「週刊誌スクープ大賞」第46回】

突然辞任した杉並区”名物区長”にまつわるカネとオンナの狂想曲

motoki0601.jpg「週刊朝日」6月11日号より

●第46回(5月26日~6月1日発売号より)

第1位
「ウソつき山田宏日本創新党党首の隠しマンションに『女と子ども』」(「週刊朝日」6月11日号)

第2位
「大特集 食べてはいけない」(「週刊現代」6月12日号)

第3位
「30代独身男性520人調査 彼女にいえないSEXの不満、何ですか?」(「AERA」6月7日号)

 ダービーも見応えのあるレースになった。私は、ヴィクトワールピサとローズキングダムの2頭からの馬単を6点ずつ買っていたから、なおのこと力が入った。エイシンフラッシュに首差届かなかったが、ローズキングダムは、二歳のころの力を取り戻してきている。夏を休養して馬体が増えてくれば、秋は楽しみだ。

 「現代」のSEX特集に刺激されてか、「AERA」までが大々的な特集を組んできた。だが、こちらは熟年男向けではなく、女性読者が多い雑誌だけに、30代男性のSEX感調査。

 驚くのは、これまでの体験人数はと聞かれ、0と答えたのが9.5%、約1割もいるのだ。セックスとマスターベーションのどちらが快感かという質問には、「セックス」33.1%、「マスターベーション」が11.8%。「時と状況による」(この意味がよく分からないが)、「相手による」の二つを合わせると46%になる。

 20代と比較して、「持続力がなくなった」が26.7%、「機能の低下を感じる」が26.3%、「あまり性欲を感じない」が24.6%もいるのだ。

 これまでの相手で失望したことはという問いに、「口臭・体臭」が29%、「受け身である」が27.5%、「体形」が24.8%。風俗関係の店で性欲を処理する頻度では、「まったくない」と「ほぼない」を合わせると71.6%になる。

 有名人でセクシーと感じる人は、1位優木まおみ、以下、藤原紀香、米倉涼子、井川遥、滝川クリステルと続いている。

 この調査の面白いのは、草食VS.非草食、転職VS.非転職などにも分けて質問していることだろう。これを読むと、風俗店に未来はないし、少子化問題も解決しそうもないな。

 2位の「現代」の企画は目新しいものではないし、中身も同様だが、どこそこの牛丼が250円だとか、コンビニ弁当が200円台で買えるという、安さばかりが喧伝されるなか、こうした食に関する警鐘記事は、どんどんやったほうがいいと思う。

 回転寿司は、鯛はアフリカ産ティラピア、アワビはロコ貝とニセモノだらけで、添加物は当たり前。特に注意が必要なのは「ガリ」で、着色料や保存料が入っているので、控えめにしたほうがいいという。

 しかし最近は、無添加を謳う回転寿司もあるそうで、愛媛県内に4店舗を構える「すし水軍」は、値段はやや高めながら、安心して食べられる店だそうだ。

 大手スーパーなども売り出している激安弁当は、油分と塩分のかたまりで、カロリー表示も当てにならない。その上、またしても中国製品だが、中国からの調理済み冷凍食品には、「地溝油」という、食堂の下水道に溜まった廃油や残飯から精製された劣悪な食用油が使われている可能性があるそうだ。中国では、最近になって国営ラジオ放送がこの事実を報道し、その量は年間200万トン~300万トンにもなる。これは、中国で10軒外食すれば、1軒はこの油を使っているという計算になるそうだ。おー怖!

 安くて、おいしくて、体によいなどという都合のよい食べ物などないのだ。身も蓋もない言い方をしてしまえば、どんな食べ物も体にはよくないそうだから、食べないのが一番だそうだが、それでは生きていかれないから、少しでも安全で安価なものを見つけて食べるしかない。そうした食へのこだわりが、これからますます大事になる。

 第1位は、私が住んでいる中野区の隣にある杉並区の区長を長年務め、名区長として誉れの高い山田宏(52)氏のスキャンダルである。

 5月25日に、山田氏は突然記者会見を開き、5月末で区長を辞任して参院選に出馬することを表明したが、この辞任劇は、「朝日」の追及の手が迫っていることと関係があったようなのだ。

 山田氏の自宅は杉並区内にあり、そこには奥さんと3人の子どもがいるのだが、彼はほとんどそこへは帰らず、目黒区内のマンションに「帰宅」する。そのマンションには、女性と小さな子どもがいる。

 「朝日」によれば、その子はその女性との間にできた子どもだという。

 5月5日の子どもの日の夜には、その部屋から、幼い子どもの笑い声と、男女の弾けるような笑い声が聞こえてきたという。

 この女性A子さんも、山田氏も、「朝日」の取材に対して、知らぬ存ぜぬを繰り返すのだが、執拗に取材を続けているとき、山田氏は、突然、区長を辞任してしまうのだ。

 問題なのは、「山田氏の後援会の政治資金収支報告書には、Aさんの家族名で『宣伝事業費』として政治資金が支払われていたことが記載されている」ことだ。

 11年間にもわたり杉並区長を務め、今度は、国政改革を訴えて「日本創新党」を旗揚げし、党首になった人物の、致命的とも言えるスキャンダルに、山田氏はどう説明責任を果たすのか。まずそこから始めなくては、国政を変え、国を創ることなどできはしないはずだ。
(文=元木昌彦)

motokikinnei.jpg撮影/佃太平

●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。

【著書】
編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか

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最終更新:2010/06/01 15:00
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