格差社会の行く末か!? 近未来ディストピアSF『デイブレイカー』
#映画 #邦画
11月、新宿バルト9他全国ロードショー(C)2008 Lionsgate and Paradise Pty Limited, Film Finance Corporation Australia Limited and Pacific Film and Television Commission Pty Limited.
かつて古典ホラーの定番だったバンパイア映画やゾンビ映画などのクロスジャンル化が進んで久しいが、中でもバンパイアものは、青春ロマンス仕立ての『トワイライト』シリーズ(最新作『エクリプス トワイライト・サーガ』が公開中)を代表格に、アノ手コノ手のアレンジがますます盛んだ。そんな流れに乗って登場する新作『デイブレイカー』(ブロードメディア・スタジオ配給、11月27日公開)は、近未来ディストピアSFとバンパイアものというユニークな組み合わせの意欲作だ。
物語の舞台は2019年。世界中を襲った疫病により、人類の大多数がバンパイアへと変貌していた。知性を備えた不老不死のバンパイアたちが、絶滅危惧種の人類を支配する社会。全人口の5%まで減少した人間の大半は血液銀行の地下施設で拘束されたまま血液を採取され、残りは身を潜めて生きのびている。血液の不足で暴動が起き、飢えのあまり同じバンパイアの血を吸って変異したモンスターによる殺傷事件も発生。代用血液の開発を急ぐバンパイアの研究者エドは、生き残りの人間たちと出会い、バンパイアと人類を共に救済し得る”解決策”があることを知らされ……。
監督・脚本・視覚効果を務めたピーター&マイケル・スピエリッグは、長編デビュー作の低予算ゾンビSF映画『アンデッド』(03)が各国の映画祭で話題になった双子の兄弟。出演はイーサン・ホーク、ウィレム・デフォー、サム・ニールほか。
人の生き血を飲み、日光を浴びると死ぬといったバンパイアの属性が、血液入りの飲み物を売るコーヒーショップや、日光を遮断して運転可能な自動車といった未来社会の描写に活きている。また、広大な血液銀行施設の光景をはじめ、青と黒を基調とするクールな映像により、暗鬱なディストピアが説得力をもって描き出される。
見方によっては、格差社会が究極的に進んだ時代に起きるであろう、搾取する支配層に対する搾取される側の生き残りと闘い、と捉えることもできる。皆が人間性を取り戻し、陽光の下で分け隔てなく暮らせる未来を拓くにはどうしたらいい? そんな問題提起も含む『デイブレイカー』は、ジャンル映画のファン限定でない、幅広い層に訴える魅力に満ちている。
(文=eiga.com編集スタッフ・高森郁哉)
「デイブレイカー」作品情報
<http://eiga.com/movie/55184/>
怖え~!!
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