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<『泣けるAKB48』ヒット記念寄稿>もうひとつの"総選挙"!

AKB48総選挙後初の握手会人気ランキング公開!! AKB48が握手会にこだわる真相

fryingget.jpg「フライングゲット」(キングレコード)

 第3回選抜総選挙の結果を反映させたAKB48のシングル「フライングゲット」(キングレコード/8月24日発売)。その劇場盤特典である個別握手会の予約販売が開始され、最新の握手会人気ランキングが判明した。これは、同劇場盤の購入で参加可能な握手会(9月10・11・25日に幕張メッセで開催)の参加券の売れ行きを示したもの。通販サイト「キャラアニ」で数量限定で予約販売されているため、人気メンバーほど早く完売するのだ。今回、握手会は1日6部制、3日間で計18部制で販売され、1次予約での完売部数から人気ランキングを独自に集計。選抜総選挙の選抜メンバー数と同様の上位21人は以下の通りとなった。

●順位・名前・所属チーム・09年総選挙順位・10年総選挙順位・11年総選挙順位

1位 前田敦子(チームA:09年1位、10年2位、11年1位)
同率1位 大島優子(チームK:09年2位、10年1位、11年2位)
同率1位 柏木由紀(チームB:09年9位、10年8位、11年3位)
4位 松井玲奈(SKE48チームS:09年29位、10年11位、11年10位)
5位 高橋みなみ(チームA:09年5位、10年6位、11年7位)
6位 篠田麻里子(チームA:09年3位、10年3位、11年4位)
7位 渡辺麻友(チームB:09年4位、10年5位、11年5位)
8位 指原莉乃(チームA:09年圏外、10年19位、11年9位)
9位 小嶋陽菜(チームA:09年6位、10年7位、11年6位)
10位 宮澤佐江(チームK:09年14位、10年9位、11年11位)※
11位 高城亜樹(チームA:09年23位、10年13位、11年12位)
12位 板野友美(チームK:09年7位、10年4位、11年8位)
13位 北原里英(チームB:09年13位、10年16位、11年13位)
14位 松井珠理奈(SKE48チームS:09年19位、10年10位、11年14位)
同率14位 峯岸みなみ(チームK:09年16位、10年14位、11年15位)
同率14位 横山由依(チームK:09年未加入、10年圏外、11年19位)
同率14位 倉持明日香(チームA:09年21位、10年23位、11年21位)
同率14位 高柳明音(SKE48チームKII:09年圏外、10年35位、11年23位)
同率14位 大場美奈(研究生:09年未加入、10年圏外、11年35位)
20位 河西智美(チームB:09年10位、10年12位、11年16位)
21位 山本彩(NMB48チームN:09年未加入、10年未加入、11年28位)
(※宮澤佐江は、舞台出演のため9月25日握手会は不参加。また、残部極少数も考慮)

 複数投票可能な総選挙とは異なり、予定を合わせ、会場まで足を運ばなければならない握手会のため、真の人気順を示していると評される握手会ランキング。前作、「Everyday、カチューシャ」発売時の個別握手会での人気ランキング(記事参照)は、予約開始時の4月時点のものだが、如実に今回の総選挙での順位を示唆していたことでも注目された。

 握手会は、メンバーのコミュニケーションスキルが問われるため、「会いに行けるアイドル」を象徴する「会って、話して、楽しいアイドル」の人気が高い。今回特に順位を上げたのは、高柳明音。23位になった総選挙で「私たちに公演をやらせてください!!」と秋元康総合プロデューサーに壇上から直訴。オリジナル公演の開始が約1年遅れているチームKIIメンバーの焦燥を、自ら”嫌われる勇気”を持って代弁。秋元氏もその心意気を認め、KII公演の歌詞を書き進めていることが明かされている。

 以降、高柳の信念はファンの共感を呼び、SKE48の個別握手会では、部によっては松井珠理奈より高柳のほうが先に売り切れるなど、人気急上昇中。また、NMB48のキャプテン・山本彩も急浮上し、23位にはNMB48の渡辺美優紀がランクインしている。SKE48、NMB48も共に水着を解禁し、それぞれニューシングルリリースに伴い、マンガ雑誌の表紙を飾るなど、着実に注目度を上げている。

●AKB48が意地でも握手会にこだわる理由 AKB48とK-POPの差異

 AKB48はミリオンセールスを出しながら、シングル発売の度に大規模な握手会を続ける史上唯一の存在である。CD通常盤封入握手券による「全国握手会」は味の素スタジアム、京セラドーム大阪などを借り切って開催。また、CD劇場盤での「個別握手会」は、握手券、身分証明書、納品書を確認する担当係員も動員するコストをかけて行っている。AKB48劇場支配人・戸賀崎智信氏が「握手会だけは絶対に妥協するな、と秋元康先生からキツ~く言われてますからね」(映画「DOCUMENTARY OFAKB48」パンフレット)と語るように、「握手会=会いに行けるアイドル」であることにかたくなにこだわっている。それには秋元氏のこんな発想が起因しているからのようだ。

「AKBは、もしかしたら自分もあそこにいけるかもしれないという憧れなんです。安室(奈美恵)ちゃんなら手が届かないけど、『AKBだったら私だって』っていう。(中略)今これだけ売れても意地になって握手会やハイタッチを続けているのはそこで、普通の人だと”感じて”ほしいからなんですよ。カワイイかもしれないけど、近くで握手したら同じ体温だし、背の高さも自分と変わらなかったり、もしかしたら低かったりするわけじゃないですか」(『SWITCH』)

 安室や例えばK-POPの歌手のようなスタイルに一般人がなるのは難しい。だが、普通の10代の少女なら、AKB48にはなれるかもしれない。そんな親近感こそがAKB48の魅力なのだ。AKB48は、ハイコンテクスト文化、K-POPはローコンテクスト文化と言われる。K-POPは見た目だけで、ほぼすべての価値が分かる。だが、AKB48には、メンバーたちのバックボーンも含めたドラマ性・ドキュメンタリー性が重要視され、研究生から正規メンバーに昇格し、チームに入って芸能プロダクションに所属し、成長していくというプロセスを見せることで、より重層的に物語が紡がれていく。そこにはファンがメンバーと対面し、互いに声を掛け合い、握手をしたという共通体験がより親近感を深めるために必要とされている。

 また、安室やK-POPがそのショーアップされた完成度で見せるものならば、AKB48は未完成がゆえに、自分の夢に向かってがむしゃらになる。そんな未完成なメンバーに握手会でファンがアドバイスを送ることで、彼女たちを成長させることができる。それはもはや”プロデュース”であり、そうしてファンが意見を差し挟む余地を残し、ファンがプロデューサー感覚を味わえるのが、AKB48のブランディングのひとつでもある。

●AKB48は”CGM” 握手会はメンバーとファンのマーティングの場

 「MCの時にもっと大きい声で話した方がいい」などのファンからメンバーへのアドバイスは握手会やファンレターを通じてメンバーに伝わり、実際その言葉に支えられ、メンバーは成長してきた。「ファン=消費者」の感想がメンバーに伝播し、AKB48は進化・更新されていく。それは、もはや、CGM(ConsumerGenerated Media)と表現しても過言ではない。消費者生成メディアと訳されるCGMは、口コミサイトやSNS、ニコニコ動画の「歌ってみた」「踊ってみた」などに象徴されるように、ユーザーたちが相互に情報を発信し、メディアを生成していく。

 AKB48の握手会では、メンバーがファンの声を聞くほか、戸賀崎氏が「支配人の部屋」を開き、ファンの苦情・要望を一手に引き受ける。そこでの意見は集約されて公式ブログで公開され、携帯電話用ファンクラブサイトのスマートフォン化など、双方に有益な要望は運営に反映されてきたのだ。いわば握手会は、単に握手するだけでなく、ファンとの対話を行うことで、有益なマーケティングの場として機能してきたのだった。「AKB48は止まったら死ぬ」と秋元康総合プロデューサーは述べる。もはやAKB48と握手会は不可分で、もし、AKB48が握手会を止める時……それはAKB48が”死ぬ”時なのかもしれない。
(文=本城零次<http://ameblo.jp/iiwake-lazy/>)

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最終更新:2013/09/12 10:55
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