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【散歩師・朝井がゆく!】vol.5

お坊さんは隠れた名カウンセラー? お寺で人生相談

tera01.jpg悩みを聞いて下さった野坂さんと。
ひたすら励まされ続けた1時間
お坊さんは励ましのプロでした。

ゆるいものならなんでも大好き♪ ロリ顔ライター・朝井麻由美が気になるスポットをご案内します。

 このところ、にわかに仏教旋風が巻き起こっています。「週刊ダイヤモンド」(ダイヤモンド社)7月2日号では「仏教・神道 大解剖」の大特集を、「週刊SPA!」(扶桑社)7月19日号でも「ブームの[仏教プチ修行]をやってみた!」の特集が組まれていました。ならば私も流行に乗っかって、何らかの仏教に触れたい! 煩悩を振り払いたい! ご利益にあやかりたい! そしてゆくゆくはバラ色の人生を送りたい! そんな不純な動機から今回の”散歩場所”に選んだのは「日蓮宗大本山 池上本門寺」。お目当ては、誰でも無料で受けられるという「人生相談」です。

 早速、意気揚々と電話予約を入れようとしたところ、”取材”と伝えた途端、先方の声色が変わり、しぶられてしまいました。

お寺の担当者 「私どもの”人生相談”を、面白おかしく記事という形で多くの人に広められるのはいかがなものかと思いまして。というのも、”人生相談”には、みなさん深刻に悩んだ末にいらっしゃるので」

 ……ごもっとも。ぐうの音も出ません。「そこをなんとか!」と、もう少し食い下がってみたところ、

お寺の担当者 「そうですね、あなた自身に本当に相談したい悩みごとがあるのであれば、お断りすることはできませんし……。なので、いらっしゃるからには冷やかしではなく、ちゃんと悩みを相談して下さいね」

 どうにかお許しを得られて一安心。言いつけ通り、本気で悩みを相談してきます!

tera02.jpgこの大きな門をくぐって人生相談をしに行く、のではなく、
門の前の道を右に進み、お寺に併設されている施設「朗子会館」で
お坊さんが相談に乗って下さいます。

 人生相談の会場である「日蓮宗大本山 池上本門寺」の「朗子会館」に足を踏み入れると、学校の教室のような部屋に通されました。祭壇や仏具に囲まれて正座をしながら粛々と悩みを語る、といったイメージを抱いていたのですが、良くも悪くも”お寺らしさゼロ”の空間です。

tera03.jpg放課後の教室を彷彿とさせる部屋。
この懐かしい感じのする空間は、悩み相談には最適かも?

 さて、今回ガチで相談する悩みのテーマは、”ライターをやっていて悶々としたこと”です。「冷やかしではなく、ちゃんと悩みを相談して下さいね」とのお達しをいいことに、自分の中のヘタレで気弱な部分をこれでもかとぶつけてしまいましょう。この気持ちを受け止めて、お坊さん!

tera04.jpg流行りのTwitter日本語ハッシュタグ風に言えば、
「#ライターあるある」な内容です。

――えーと、仕事柄、書いた記事に辛らつな批判コメントをいただくことがたまにありまして……。紙媒体だとそうでもないですが、Webの記事だと特に。

池上本門寺・野坂法行さん(以下、野坂) 「なるほど。でも、あなたが書いた記事は、あなたの持ってる感性が捉えたことだから、人にとやかく言われるものではないでしょう。批判されるのは、それだけ注目されてるってことなんだから、喜べばいいんじゃない?」

――手放しで喜べるほどメンタルがタフではないんです(泣)。しかも、私は有益でジャーナリスティックなことを書いているわけではなく、お気楽なエンタメ系の記事を担当することが多いので、例えば、「コイツこんなの書いて金もらってるのかよ」という類のコメントを書き込まれると、かなりグサッとくるんですよ。

野坂 「お気楽なエンタメ系と言っても、書くからには読者を楽しませようと思いながら書いてるわけでしょう?」

――それはもちろんです!

野坂 「そういった批判コメントの中にも、悪意を持って書き込まれているものとそうでないものがあるはず。前者は、ただ単に読み手が感情的になって批判しているだけだから、それはスルーしてしまえばいい。でも、中には「痛いところ突かれた!」という鋭い意見もあるかもしれないね。そういう意見は素直に認めて、それを栄養として、人間的に成長していけるわけだから、『いい指摘をくれてありがとう』と大きい度量を持って受け止めればいいんです」

――そうですよね……。ただ、自分の名前を出して書いてる分、乱暴な言葉を浴びせられたときの落ち込みもまたひとしおで。

野坂 「でも、編集部の人が『あなたに書いてほしい』と思ってあなたに依頼しているわけだからね。自信を持っていい。特に、インターネットは顔が見えない分、人間の悪意や凶暴性が表出しやすい特性があるから」

――はい……。とはいえ、批判コメントを書き込む方々は、私の書いた記事の何らかの部分が気に入らなかったわけですよね。批判をスルーするばかりで、そういう反対意見や相容れない考え方を無視してはいけないな、とも思うのです。

野坂 「まあ、だからって、書いた記事に対して、100%の人が同意してくれるってことはあり得ないよね。何をやっても、どんなものを書いても、反対意見を持つ人は必ず出てくる。結局、朝井さんはあなたらしく書いて、あなたらしく生きる、それしかないですよ。自分が心から思うこと、心から納得してることを書けばいい。それが、あなたという人間なのだから」

 ライターに限らず、ネット上で何かを発表する人にとって、この悩みはつきものかもしれません。私も、”ライター”を名乗っているからには、ウジウジと悩まずに、日々、筆を進めてゆきたい所存です。グスッ。

●自信回復度
★★★★☆
終始イジイジとヘタレ感満載の今回でしたが、お坊さんに話を聞いていただいた直後の気持ちの軽さときたら! 野坂さんは「お坊さんは檀家さんの愚痴や悩みを普段から聞いているので、名カウンセラーなんですよ(ドヤッ)」と豪語していましたが、まさしく。御見それいたしました。

●日蓮宗大本山 池上本門寺
<http://honmonji.jp/index.html>
人生相談を受けたい場合は、HPに記載されている電話またはフォームから予約。その際に、大まかな相談内容を伝えた上で、日程の調整を行う。相談の内容によって、最も適任なお坊さんをあてがってくれる。
※今回は、記事にする都合上ライター朝井自身の悩みの内容を公開しましたが、本来、ここの人生相談で話した内容には秘匿の義務があるため、外部に流出することは一切ありません。

(取材・文・写真=朝井麻由美)

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最終更新:2012/04/08 23:11
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